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【オーバークロック研究室】PowerLeap製PL-iP3/Tを使ってCeleron-1AGHzを動作させてみる

2002年01月23日 22時22分更新

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●コア電圧をアップしてオーバークロック動作をさせてみる

 今回試したCeleron-1AGHzは規定コア電圧だとFSB設定クロック133MHzで満足に動作しなかった。とは言え1.26GHzでベンチマークテストが完了した実績を考えると標準動作クロックの26%アップで動いた計算になる。この数値をどう評価するかは各自に任せるとしてコア電圧をもう少し高くした場合にどの程度までパフォーマンスアップするのか調べてみる。まず、規定コア電圧(1.475V)における1.33GHz動作時のエラー状況から推測して0.025Vアップの1.500Vでは依然不足ぎみかも知れないが、徐々に電圧を上昇させて様子をうかがうことにした。半固定抵抗を調整し駄目もとで起動させてみたがやはりログオン画面に到達する直前でカーソルを表示したままシステムが停止した。そこでさらにコア電圧を1.530V(狙いの電圧をセットしようとするが半固定抵抗の調整ツマミが敏感に反応するので1.525Vの近似値とした)まで上昇させて再起動を試みた。ところが先の起動に失敗したためセーフモードで起動するようにと起動モード選択画面が表示された。「こういう場合は逆らわないで…」とそのままEnterキーを押したもののヘルプ画面を全て表示することもなくマウスが無反応となった。この調子では前編で施した改造で出せる最高コア電圧1.550Vでも1.33GHz動作が危ういかも知れない。この場は一旦テストを中断しコア電圧をもう少し高くセットできる仕様に変更せざるを得なくなった。

●VIDコードプロセスの難点をふまえてPL-iP3/Tをさらに改造する。

 前編ではL6911EのFB電圧を操作して出力電圧を高くできる改造を施したがここに来て1.33GHz動作を実現させるためにはさらに高いコア電圧が必要と思われる。その方法を模索してみると以下の考えから導き出した改造が簡単で最適だ。

(1)現状でL6911Eは幸か不幸かVIDコード[VID3:0]を[1111]と認識しておりVID25mVピンは前ページで説明した通りPL-iP3/TのR52によって強制的に[0]とセットされている。このR52を取り外せばおそらく[VID25mV:0]を[11111]と認識するだろう。ただ、予測通りのVIDコードをL6911Eが認識したとしても出力されるコア電圧は現状の0.025Vアップしか望めない。そこで取り外したR52をVID1ピンとGND間に接続してVID1パラメータを[0]にすると[VID25mV:0]は[11101]となり現状から0.125V高いコア電圧をリクエストすることになる。ただし、L6911EのVID1ピン(5ピン)の付近にGNDパターンがないためR52を簡単に接続できない。

(2)一方、Celeron-1AGHzのデーターシートをみるとVID1ピンはAM36ピンで最寄りのVSSピンがAM34ピンとなっている。ここならR52を接続するのに打ってつけだ。

(3)ところが上述の処置を施すとFB電圧を操作している関係で最低コア電圧は半固定抵抗を調節しても1.575V付近に上昇する事が予測される。せめて規定コア電圧の1.475Vあるいは1.450V付近まで下げられる仕様にしておきたい。ならば半固定抵抗の抵抗値を現状の50Kオームから500Kオームに変更してFB電圧の操作範囲を拡大すれば良さそうだ。

なお、同様の改造を施そうと思われた場合は、規定コア電圧1.70VのCoppermineコア版CPUを動作させるとなると高いコア電圧(1.80V以上)となるので注意されたい。あくまでもTualatinコア版CPU向けの改造方法であり、しかも非改造のPL-iP3/TとTualatinコア版CPUとの組み合わせでVIDコード[VID3:0]を[1111]と認識する条件に限る。そして上述の流れに応じた具体的な改造方法は写真の通りだ。

(1)R52を摘出する(破壊、紛失に注意)。場所は電源プラグを差し込むヘッダーの根本だ。
(2)摘出したR52をCPUソケットのAM36ピンとAM34ピン間にブリッジする形でハンダづけする。
 
(3)前編で取り付けた半固定抵抗を500Kオームに交換する(注意事項や配線手順は前編と同じ)
 

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