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今後数年でMobile IPがモバイルネットワーク環境の主流に──米シスコのラング氏

2002年01月17日 22時39分更新

文● 編集部 佐々木千之

シスコシステムズ(株)は16日、千葉県の東京コンベンションセンター(幕張メッセ)国際会議場に報道関係者を招き、米シスコシステムズ社のラリー・ラング(Larry Lang)モバイルワイヤレスグループ副社長兼ゼネラルマネージャーがモバイルネットワーク市場における同社のビジョンと役割について説明した。

米シスコシステムズ社、モバイルワイヤレスグループ副社長兼ゼネラルマネージャーののラリー・ラング氏
米シスコシステムズ社、モバイルワイヤレスグループ副社長兼ゼネラルマネージャーののラリー・ラング氏

ラング氏は、モバイル/ワイヤレス関連製品の開発設計を担当しており、16、17日の両日に幕張メッセで開催された“3G Mobile World Summit”に発表者として招かれて来日したもの。

ラング氏によると、米シスコはインターネットのモバイル環境に関して、“ユーザーが(3Gを含む)携帯電話、あるいは無線LANといったさまざまなアクセスの手段で、いつでもどこでも同じように、ユーザーが必要なアプリケーションやデータにアクセス可能になり、そうすることでインターネットそのものがユーザーのパーソナルアシスタントとなって、より豊かな生活をもたらす”というビジョンを持っているのだという。

モバイルネットワークはその利用の場をひろげつつあるという。ラング氏はSFA(Sales Force Automation)での利用を紹介した
モバイルネットワークはその利用の場をひろげつつあるという。ラング氏はSFA(Sales Force Automation)での利用を紹介した

また、シスコが関係を持ってきた顧客企業の多くが、社内のネットワーク環境を整備し、そしてオフィスや外出先のHotSpot(※1)など、どこでもこうした環境を使いたいという要求が出てきていると述べ、モバイル環境の利用がどんどんと広がってきているとした。

※1 HotSpot(ホットスポット):人が集まる場所で無線LANによるインターネットアクセス環境が整備されたスポット。空港ロビーや、街の中のカフェなどを中心に広がりつつある。

携帯電話のネットワークは世代が進むにつれ、IPパケットによる通信(図中の緑の部分)が増えると予想されている
携帯電話のネットワークは世代が進むにつれ、IPパケットによる通信(図中の緑の部分)が増えると予想されている

シスコは、携帯電話の無線通信の部分は手がけていないが、携帯電話においては2G(第2世代)から2.5G(2.5世代)、3G(第3世代)と世代が移るにつれて、急速に通信量が増加すると見られているデータ通信(パケット通信)の分野において、非常に強みを持っており、キャリアー各社とも緊密な協力関係にあるという。日本でも、(株)NTTドコモ、KDDI(株)、J-フォングループなどとパケット通信に分野において協力しているとしている。

ラング氏はまた、将来のモバイルネットワーキング環境はすべてIPベースのネットワークになると述べた。IPベースのネットワークになると、PDAやパソコン、スマートフォンといったアクセスするデバイスの種類や、iモード、GPRS、ケーブルネットワーク、ADSLといったアクセスするためのネットワークの種類が何であるかは、ネットワークで提供されるサービスとは切り離して考えることができ、ユーザーはネットワークやデバイスの違いを意識しなくてよくなるという。

モバイルアクセスにおけるネットワークサービスのレイヤー
モバイルアクセスにおけるネットワークサービスのレイヤー

そして、そうした“マルチアクセス環境”実現のために重要になってくる技術として、“Mobile IP”を挙げて説明した。ラングしによればMobile IPはシスコが'98年から研究している技術で、ユーザーがいつも利用している自宅や会社のネットワーク以外のネットワークにおいても、自分がいつも利用しているのと同じ環境を提供できるようにするもの。ユーザーは外出先などのネットワークにある“Foreign Agent”に自分が底にいることを登録する。Foreign Agentは、ユーザーのベースとなるネットワークの“Home Agent”と連携して、ユーザーが通信するパケットを転送する。これによって、ユーザーはどこからアクセスしても、同じネットワーク環境を得られるとして、IPパケットネットワークが持つ柔軟性が重要だと述べた。

シスコが考える、マルチアクセス環境で構築されるモバイルネットワークのフレームワーク
シスコが考える、マルチアクセス環境で構築されるモバイルネットワークのフレームワーク

Mobile IP技術に、パケットの優先度や利用帯域を制御するQoS(Quality of Service)技術、パケットの中身(データの種類)によってアクセスするデバイスを判断し、そのデバイスにあったサービスを提供できるコンテンツスイッチ技術などを組み合わせることで、モバイルユーザーに対してさまざまなサービスを適切な形で提供でき、またコンテンツ提供者向けにはきめ細かな課金システムを提供できるという。コンテンツスイッチ技術の例としては、アクセスする端末を判断することで、自動的に対応する画像圧縮方法に合った画像ファイルを送信するということができるようになるとしている。

Mobile IP技術の概要
Mobile IP技術の概要

ラング氏は、シスコが有線ネットワークで培ったIPパケットにおける技術は、3G携帯電話のネットワークにおいても非常に有用なものであり、またシスコの顧客企業もそれを理解しているからこそ、日本のキャリアー以外にも英ボーダフォングループ、香港のハチソングループなど、世界の携帯電話キャリアーの60~80%でシスコのIP技術が使われていると述べた。そして、「モバイルネットワークは複雑だが、シスコの洗練された技術によって、ユーザーにシンプルで使いやすいサービスを提供できる。シスコは他社の及ばない技術と知識を備えており、今後も積極的に(携帯電話キャリアーなどの)モバイルオペレーターと協力してモバイルネットワーク環境を構築していく」と述べて締めくくった。

シスコはさまざまな規模の通信事業者、ISPをはじめとして、企業ネットワークのほとんどにルーターやスイッチ製品をおさめており、既存の有線ネットワークにおいては支配的な力を持っている。無線ネットワークにおいても、無線LAN技術を持つ企業を買収し、自社の技術を加えてセキュリティーを強化した製品を出すなどの動きを行なってきた。携帯電話のネットワークについては、これまでそとからはあまり動きが見えなかったが、IPパケット通信が主流になることをにらんで技術の開発を進めてきたという。携帯電話のパケットデータサービスでは世界でも日本が最も進んでおり、携帯各社の3Gサービスがそろう今年、日本でのシスコの動きが注目されるところだ。

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