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IPA/ISEC、2001年のウイルス届け出状況を発表――12月は史上最悪の3900件

2002年01月10日 21時57分更新

文● 編集部 田口敏之

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経済産業省の特別認可法人である情報処理振興事業協会(IPA)は10日、セキュリティセンター(ISEC)による、2001年12月および2001年1年間のコンピューターウイルスの届け出状況を発表した。

それによると、2001年12月の届け出件数は3900件で、過去最高だった2001年8月の2809件を大きく上回った。同協会は要因として、『W32/Badtrans(亜種)』ウイルスの届け出が、1種類のウイルスとしては月間届け出最多の2701件(過去最多は2001年8月の『W32/Sircam』ウイルスによる1257件)になったことを挙げている。

『W32/Badtrans(亜種)』ウイルスは、Internet Explorerのセキュリティーホールを悪用するウイルス。メールソフト『Outlook』ではメールを開いただけで、また『OutlookExpress』ではメールをプレビューしただけで感染するという。感染すると、パソコン内に記録してあるすべてのメールアドレスに、ウイルスを添付したメールを送信する。また、キーボード操作を記録するプログラムがインストールされ、入力したパスワードやクレジット番号などが外部に送信される可能性があるという。

同月は、個人ユーザーからの届け出が全体の36.7%を占めた。そのうち28.9%が実際に被害を受けており、被害を受けたほとんどのユーザーは、ワクチンソフトを装備していない、またはウイルス定義ファイルの更新をしていなかったという。

2001年1年間のウイルス届け出件数の合計は2万4261件で、2000年の1万1109件を2倍近く上回った。要因としては、2000年に引き続き、メール機能を悪用したウイルスが蔓延し、さらにセキュリティーホールを悪用するウイルスも次々に登場したことを挙げている。しかし、実際に感染したケースは19%(前年20%)にとどまっており、企業などにおいて、サーバーへのワクチンソフトの導入など、ウイルス対策の強化を行なっている状況がうかがえるという。

同協会は、感染してからの処置は大変だが、予防には高度な技術は必要なく、初心者でも十分対応できることから、“予防が一番”と呼びかけている。また、新種のウイルスやセキュリティーホールに関する情報に注意をはらい、「最新の情報を収集し、適切な対策を実施する」必要があるとしている。さらに、メール機能悪用ウイルスは、多くがアドレス帳にあるアドレスに、ウイルスを添付したメールを送信するため、知り合いが送信したように見えるケースがほとんどであるとして、「知り合いからきたメールも警戒」すると説いている。

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