東芝初のPocket PCとして2001年7月に発売された「GENIO e550」は、CF&SDカードのデュアルスロットをPocket PCとして初めて搭載し、携帯性と拡張性を兼ね備えたPDAとして注目を集めた。「GENIO e550X」は、筐体には変更ないものの最新の「Pocket PC 2002 Software日本語版」(以下Pocket PC 2002)を搭載したGENIO e550の後継機種だ。
メモリを64MBに増量し、
より多くのデータの保存が可能に
Pocket PC 2002搭載端末の大きさ比較。左が「GENIO e550」、中央がNECの「ポケットギア」、右が日本HPの「hp jornada 568」。Pocket PC最薄/最軽量の座こそhp jornada 568に奪われたものの、縦横のサイズは小さくコンパクトなボディであることが分かる。 |
多機能を売りにするPocket PCでは、さまざまなアプリのほかに動画や音楽といったファイルサイズの大きなデータを持ち運ぶ機会も多い。今回、本体メモリが64MBに増強されたことで、付属アプリをすべてインストールした状態でも約47MBの空き容量が確保されている。CFスロットにP-in Comp@ctなどの周辺機器を増設するユーザーは重宝するだろう。また、Pocket PCやH/PCでは、本体メモリがデータ格納領域とシステム使用領域を兼ねており、アプリケーションやデータが増えるにしたがって、OSが使用できる領域が減り、速度の低下が起こる。メモリの増量はパフォーマンス面でも貢献する。
それ以外の仕様に関しては基本的に従来機と同等だ。本体ロゴなどに一部変更が見られるものの筐体も同一となっている。NECや日本HPは、Pocket PC 2002の発表に合わせて新設計のモデルを投入しているため、新鮮味がないのは確かだが、CPUにStrongARM-206MHzを搭載し、6万色表示に対応した反射型TFT液晶(フロントライト付)を採用するなどスペック面では遜色ない。約半年前に発表されたGENIO e550が、すでにPocket PC 2002マシンのスペックを先取りしていたと見ることもできる。
本体前面にはカスタマイズ可能な4つのアプリケーションボタンとメニュー操作用のカーソルキー、モノラルスピーカなどを装備する。 |
オリジナルアプリケーションランチャの「ホーム」。タブでアプリケーションのカテゴリ分けができる。「実行中」タブには現在使用しているアプリケーションの一覧が表示される。 |