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GENIO e550X

GENIO e550X

2002年01月16日 15時39分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・小林 久

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GENIO e550X

東芝

オープンプライス
6万4800円(東芝オンラインストア価格)

東芝初のPocket PCとして2001年7月に発売された「GENIO e550」は、CF&SDカードのデュアルスロットをPocket PCとして初めて搭載し、携帯性と拡張性を兼ね備えたPDAとして注目を集めた。「GENIO e550X」は、筐体には変更ないものの最新の「Pocket PC 2002 Software日本語版」(以下Pocket PC 2002)を搭載したGENIO e550の後継機種だ。

メモリを64MBに増量し、
より多くのデータの保存が可能に

Pocket PC 2002搭載端末の大きさ比較。左が「GENIO e550」、中央がNECの「ポケットギア」、右が日本HPの「hp jornada 568」。Pocket PC最薄/最軽量の座こそhp jornada 568に奪われたものの、縦横のサイズは小さくコンパクトなボディであることが分かる。
 GENIO e550Xは、2001年夏商戦向けに発売された「GENIO e550」の後継に当たる製品。GENIO e550からの変更点は、Pocket PC 2002の搭載とメモリ容量が32MBから64MBに倍増した点だ。

 多機能を売りにするPocket PCでは、さまざまなアプリのほかに動画や音楽といったファイルサイズの大きなデータを持ち運ぶ機会も多い。今回、本体メモリが64MBに増強されたことで、付属アプリをすべてインストールした状態でも約47MBの空き容量が確保されている。CFスロットにP-in Comp@ctなどの周辺機器を増設するユーザーは重宝するだろう。また、Pocket PCやH/PCでは、本体メモリがデータ格納領域とシステム使用領域を兼ねており、アプリケーションやデータが増えるにしたがって、OSが使用できる領域が減り、速度の低下が起こる。メモリの増量はパフォーマンス面でも貢献する。

 それ以外の仕様に関しては基本的に従来機と同等だ。本体ロゴなどに一部変更が見られるものの筐体も同一となっている。NECや日本HPは、Pocket PC 2002の発表に合わせて新設計のモデルを投入しているため、新鮮味がないのは確かだが、CPUにStrongARM-206MHzを搭載し、6万色表示に対応した反射型TFT液晶(フロントライト付)を採用するなどスペック面では遜色ない。約半年前に発表されたGENIO e550が、すでにPocket PC 2002マシンのスペックを先取りしていたと見ることもできる。



本体前面にはカスタマイズ可能な4つのアプリケーションボタンとメニュー操作用のカーソルキー、モノラルスピーカなどを装備する。
 操作系に関しては、スタイラスと5つのキー(4つのアプリケーション起動ボタンとカーソルキー)を併用したスタンダードな方式で、最近のPDAで主流になっている「ジョグダイヤル」のように片手だけで基本操作を完結できる仕組みは持っていない。GENIO e550Xの十字キーは4方向+中央を押し込むことで決定ボタンの機能を持った5WAYタイプであり、オリジナルランチャソフト「ホーム」との併用で、基本的なメニュー操作はこなせるが、アプリを分類したタブの切り替えはスタイラスでしか操作できないため、両手の操作が必須となる。このあたりは今後改良してもらいたい部分である。



オリジナルアプリケーションランチャの「ホーム」。タブでアプリケーションのカテゴリ分けができる。「実行中」タブには現在使用しているアプリケーションの一覧が表示される。
 なお、ホーム画面には実行中のアプリを一覧表示する「実行中」タブが用意されており、使用していないアプリはここから簡単に終了できる(※1)。ホームはアイコンサイズや文字色をこまかに設定可能で、カテゴリ分け用のタブも最大10種類まで追加できる。欲を言えば、ポケットギアのように端末の基本情報(メモリやバッテリの残量など)も表示できるとよかったが、全体に使いやすく完成度の高いアプリと言えるだろう。

※1 Pocet PC 2002では、ウインドウの右上に「×」印が付き、PC用のWindowsに近い感覚で実行中のアプリを閉じることが可能になったが、これはあくまでも「隠す」だけで、タスク自体は実行されている。Windows CEでは、メモリ残量に応じてOSが実行中のプロセスを古いものから自動的に終了していく仕組みを取っているためだ。プロセス管理の仕組みはWindows CE 3.0でかなり最適化されたが、依然としてメモリ減少による速度低下が起こる場合がある。



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