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NTT東日本、教育用コンテンツ検索サイト“まっち”を開設

2001年12月21日 21時29分更新

文● 編集部 田口敏之

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東日本電信電話(株)は21日、同社が18日に開設した教育用コンテンツ検索サイト“まっち”についての説明会を開催した。同サイトは、特別認可法人の情報処理振興事業協会(IPA)が2000年度より推進している“学校向けコンテンツ作成ツール開発事業”の中で、LOM(ロム:Lerning Object Metadata)の日本版に基づいて同社が開発した新しい検索システム。これによって教員や生徒が、学校および家庭で教育用コンテンツを効果的に検索できるという。

“まっち”のトップページ
“まっち”のトップページ

2002年度の新学習指導要領の導入によって、ITを活用した学習を推進するために、経済産業省や文部科学省では、ウェブ上で閲覧できる教育用コンテンツ開発事業を実施している。これを受けて、IPAや(財)コンピューター教育開発センター(CEC)および文部科学省が、動画クリップや静止画などによる教育用コンテンツの開発を進めている。しかし教育現場では、ウェブ上にあるはずの、学習したい内容のコンテンツや教材がすぐに見つけられない、見つけても何のために、誰のために作成した素材なのかが分からない、また複製や2次利用が可能な素材なのかどうかが分からないなどといった問題が生じているという。

こうした問題に対して、教育コンテンツや教材の標準化を推進する動きがある。中でも、IEEE(米国電気電子技術者協会)によって標準化が検討されている規格として“LOM”がある。これは、利用目的や対象者の明確化、使用許諾条件および分類などといった、作成したコンテンツに属性を持たせるメタデータの規格。日本でも、経済産業省が中心となって開発を行なってきた。新学習指導要領にも対応している。

検索の結果、サムネイルが解説付きで表示され、コンテンツの内容が分かるようになっている
検索の結果、サムネイルが解説付きで表示され、コンテンツの内容が分かるようになっている

“まっち”では、このLOMデータに基づいて、教育用コンテンツを検索できる。ディレクトリー検索のほか、コンテンツの中の一文を検索するキーワード検索も可能。検索を行なうと、LOMに基づいたサムネール画像と特徴が一覧表示され、コンテンツの概略が分かるようになっている。また、選択したコンテンツに関連する項目の一覧も表示できる。教材のムービーは10秒程度から、長くても3分程度だが、NTT東日本ブロードバンドビジネス部担当部長で工学博士の篠原正典氏は「長いムービーは、かえって教材として扱いにくい。目的に応じて短いムービーを使ったほうが、授業には効果的だ」としている。

NTT東日本ブロードバンドビジネス部担当部長で工学博士の篠原正典氏
NTT東日本ブロードバンドビジネス部担当部長で工学博士の篠原正典氏

サイト利用対象者は、小学校、中学校、高校の全学年の生徒および教師と教育関係者。利用するには、まずサイトのトップページから、IDとパスワードを入力してログインを行なう。この時IDによって、小学生、中学生、高校生および教師は、異なるインターフェースを持つ検索画面にそれぞれ振り分けられる。

小学校向けの検索画面、絵入りのインターフェースで、ディレクトリー検索が行なえる
小学校向けの検索画面、絵入りのインターフェースで、ディレクトリー検索が行なえる
教師向けの検索画面、“活用場面”や“使用許諾範囲”などの検索条件がある
教師向けの検索画面、“活用場面”や“使用許諾範囲”などの検索条件がある

小学生向けのインターフェースでは、ディレクトリー検索を絵入りで分かりやすく行なえるようになっている。教師向けのものは、素材と学習指導要領を照らし合わせながら、授業で利用できるコンテンツを検索できるようになっている。このシステムによって、それぞれの用途に適したコンテンツを効率よく検索できるという。また、検索のログ解析によって、生徒の興味や関心の対象が分かるようになっている。

対応するウェブブラウザーは、Internet Explorer 4.01 SP2以上、またはNetscape Communicator 4.06 以降で、JavaScriptとスタイルシート、Cookieが使えるようになっている必要がある。

同サイトは現在試験公開中で、約3000のコンテンツが登録されている。今年度中には、IPAおよびCECが作成した約1万3000のコンテンツと、文部科学省が作成した約3000のコンテンツの登録を完了し、2002年4月から正式公開する予定。また今後、コンテンツの作成だけでなく、ウェブ上に存在するさまざまなデータやコンテンツにLOMを付与し、関連付けを行なうという。同社では目標として、2003年3月までに約4万IDの利用者の登録を見込んでいる。

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