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ソフトバンク、国内もアメリカも3分7.5円の高音質VoIP電話を“Yahoo! BB”ユーザーに提供

2001年12月18日 22時18分更新

文● 編集部 佐々木千之

ソフトバンク・グループ、ヤフー(株)、ビー・ビー・テクノロジー(株)は18日、都内で記者発表会を開催し、ADSLインターネット接続サービス“Yahoo! BB”のインフラを使ったVoIP電話サービス“BB Phone(ビービーフォン)”の試験サービスを12月下旬に開始すると発表した。2002年春に商用サービス化の予定で、通話料金は日本国内一律3分7.5円、米国向け3分7.5円など。Yahoo! BBユーザー限定のサービスとなる。

“BB Phone”のロゴ
“BB Phone”のロゴ

BB Phoneは、Yahoo! BBユーザーが利用しているADSLモデムに“ターミナルアダプター(TA)”と呼ぶBB Phone専用のVoIPアダプターを追加し、そのTAにこれまで使っていた(通常の)電話機を接続する。音声はTAがVoIPパケットに変換し、Yahoo! BBのADSL回線に乗せる。110、119などの特番や携帯電話、PHS、0120、0990などの特殊サービスに関しては対応せず、TAが番号で自動的に判断して、一般電話回線を使うという。BB Phoneではユーザーがこれまで通常電話回線で使用していた電話機がそのまま使え、電話をかける際には特別な付加番号なども不要で普通にかければよく、パソコンはまったく必要ない点が特徴としている。

BB Phoneでソフトバンクに電話をかけるソフトバンク・グループ代表の孫正義氏
BB Phoneでソフトバンクに電話をかけるソフトバンク・グループ代表の孫正義氏。「電話をかけるときに“もしもし”というが、これからは“やふー”と言ってほしい」
機器を接続した後は通常の電話とまったく変わらない使い勝手となる
機器を接続した後は通常の電話とまったく変わらない使い勝手となる
TAは電話回線のほか、ADSLモデムのEthernetポートとも接続、宅内LANへのポートもTAからとなる
TAは電話回線のほか、ADSLモデムのEthernetポートとも接続、宅内LANへのポートもTAからとなる

BB Phone商用開始時の料金(※1)は、初期登録料3980円、月額基本料390円、TAレンタル料月額140円(買い取り価格は6720円)。通話料金はBB Phoneユーザー同士は無料、一般電話回線に対しては国内一律で3分7.5円、国際通話は米国向けが一律7.5円となっている。米国以外への通話料金は明らかにしていないが、世界231ヵ国に対して「どの事業者よりも安い料金設定にした」(ソフトバンク・グループの孫正義代表)という。

※1 BB Phoneは、Yahoo! BBサービスに加入していることが前提。Yahoo! BBサービスの料金は、登録費用無料、ADSL接続サービス月額使用料990円、ISPサービス月額1290円、ADSLモデムレンタル料金月額550円など。これ以外にNTT回線の使用料が発生する。

BB Phoneの国内通話料とほかの通信事業者との比較。圧倒的に安い
BB Phoneの国内通話料とほかの通信事業者との比較。圧倒的に安い
国際通話料金は米国だけしか発表していないが、なんと国内と同じ3分7.5円
国際通話料金は米国だけしか発表していないが、なんと国内と同じ3分7.5円

12月末をめどとして、全国のYahoo! BBユーザーを対象に、段階的にモニターを募集し、2002年春までに、実用レベルでのサービス品質、運用保守などの技術的特性、マーケットの要望調査などを行なう予定。モニターに対しては期間中、月額基本料、TAレンタル料が免除され、通話料金のみで利用できる。モニター募集の人数については、現時点では明らかにしていない。

BB Phoneでは、VoIP技術とQoSを組み合わせ、さらに圧縮技術、エコーキャンセラーなどさまざまな技術を利用するとしているが、詳細については非公開。Yahoo! BBの平均スループットは約3.5Mbpsであるが、インターネット利用中に音声通話を行なっても、それによる通信速度の低下は「誤差の範囲でありほとんどない」(孫氏)という。BB PhoneのVoIPパケットは、ADSL回線が集約されている最寄りの電話局から先は、Yahoo! BBサービス向けに展開した全国都道府県を結ぶ光ファイバー回線を伝い、Managed QoS技術を使って最優先パケットとしてほかのデータの影響を受けずに送られる。相手が一般回線の場合はその都道府県内のアクセスゲートウェイから通常の電話回線を経由して繋がる仕組み。

BB Phoneの音声パケットは公衆インターネット網は経由しないという
BB Phoneの音声パケットは公衆インターネット網は経由しないという
各県を結ぶバックボーンネットワークは、98%が光ファイバーだという
各県を結ぶバックボーンネットワークは、98%が光ファイバーだという

発表会では会場に実際に設置したBB Phone(TAとそれに接続された電話機)を使って、孫氏がソフトバンク社内に電話をかけるデモを行なった。「これまでのIP電話のように、声がざらついたり、ノイズが入ったり、エコーが聞こえたりということはない。実は試験的にソフトバンクのビルの17のフロアで一般社員に知らせることなくBB Phoneを導入したが、変化に気づいて連絡してきた社員はいない」(孫氏)と音声品質の高さをアピールした。BB Phoneが使用する帯域幅(※2)は非公開だが、音声の遅延時間は数十ミリ秒以下(※3)としている。発表会後、用意されたBB Phoneを使って、同一区域内、都内(20km超)、都外(500km超)に電話をかけてみたが、いずれもダイヤル後5~6秒で呼び出し音がなった。比較的騒がしい環境下であったので、厳密には言えないが音声品質は一般の電話回線と変わりないクリアーなものだと感じた。

※2 一般アナログ公衆回線は300~3.4kHzの周波数を使用する。

※3 一般的に音声遅延時間が200ミリ秒以下であれば、人の耳に遅延として意識されないレベルであるという。

なお、なんらかの理由でADSLネットワークや光ファイバーネットワークがダウンした場合や、停電や故障でADSLモデムやTAが動作しなくなった場合は、自動的に一般電話回線を利用するように切り替わる仕組みで、利用者はそれを意識することはないとしている。

国内の固定音声電話市場は減りつつあるとはいえ、まだ6兆円近い
国内の固定音声電話市場は、携帯電話の影響で減りつつあるとはいえ、まだ6兆円近い

サービス料金について孫氏は「こんなに安いサービスの採算は取れないのではないかとお考えの方もいると思うが、すでに敷設したYahoo! BBのブロードバンドインフラにVoIP電話を載せるということで、追加の設備投資は小さな金額で済んでおり、このような料金でも実はちゃんと利益が出せる。決して無理をしているわけではない」と説明、「ソフトバンクグループが行なってきたブロードバンドネットワークへの投資が大きな相乗効果を発揮するときがやってきた」という。「国内にはおよそ6000万回線の固定電話があり、音声通話のマーケットは5兆数千億円ある。我々は一番歴史が長く、大きく、広く普及している音声サービスに、IPの世界から革命を起こしたい」と述べた。音声電話サービスだけを提供することについては、「検討しているが、その内容についてはコメントする段階ではない。Yahoo! BBのユーザーから着実に進めていきたい」としている。

BB PhoneのTAの製造は海外だが(製造元は非公開)、開発と設計はソフトバンクで行なったとしている
BB PhoneのTAの製造は海外だが(製造元は非公開)、開発と設計はソフトバンクで行なったとしている

質疑応答の際には、Yahoo! BB導入にあたって申し込みから数ヵ月もかかるなど対応の不備を指摘されたが「Yahoo! BBに関してはNTTの局舎内の電源増強や設備工事、局舎間のダークファイバー借り受け手続きで時間がかかった。現在全国1143局が開通済みであり、春までには1200局に設置する。まだ数万人程度のお客様にお待ちいただいているが、ソフトバンクの責任による工事はすべて終了している」とした。また「(Yahoo! BBで)私どもも学習効果を得た。事務手続きにおいても、技術においても十分に検証してから本サービスを開始したい」と述べて、Yahoo! BBのような混乱は起こさないという姿勢を見せた。

独自開発したTAが、BB Phoneサービスの使い勝手の良さを生んでいる
独自開発したTAが、BB Phoneサービスの使い勝手の良さを生んでいる
TAの背面。今回のデモではEthernetによるADSLモデムやパソコンとの接続は省略している
TAの背面。今回のデモではEthernetによるADSLモデムやパソコンとの接続は省略している

17日には、「過去の高コスト構造や料金体系にとらわれることなく、新規参入のメリットを最大限に生かす」として、(株)メディアが市内通話3分8.2円の音声電話サービス“えむ電”と光ファイバーをベースにインターネット接続とVoIP電話の統合サービス“M(メディア)ライン”を発表したが、このBB Phoneもまさに新規参入のメリットを最大限に生かしたサービスだ。Yahoo! BB向けに設置した全国の光ファイバー網をそのまま音声にも利用する(※4)ことで、コストを圧縮し圧倒的に低い通話料となっている。また、これまでのIP電話の通話品質は一般電話回線とは開きがあったが、BB Phoneは十分に高速なネットワークがあれば一般電話と遜色のない品質が可能なことを実証したと言える。

※4 孫氏はYahoo! BBのバックボーンネットワークは、VoIPサービスも提供できるよう、最初から意図して設計したとしている。

現状ではYahoo! BBユーザー限定ではあるが、少なくともそのYahoo! BBユーザー(現時点で30数万人)のかなりの割合がBB Phoneサービスを利用する可能性がある。Yahoo! BBによって、日本のブロードバンドの価格と質に革命を起こしたソフトバンクが、今度は電話サービスでも革命を起こすことになる。ADSLサービスの料金では、多くの会社が対抗可能な水準まで引き下げを行なったが、このBB Phoneに対抗するには、少なくとも従来の電話サービス会社ではとうてい無理で、ライバルはそう多くはなさそうだ。

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