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“137GBの壁”突破!容量160GBを誇るIDE HDDがMaxtorから!!

2001年12月13日 20時43分更新

文● 小磯

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4G160J8

 登場が噂されはじめてから約3カ月。“9月下旬発売予定”とされて以降、度重なる発売延期に「このまま登場しないのでは?」という声すら聞かれた、IDE HDDとしては史上最大容量となる160GBモデル「4G160J8」がMaxtorからデビューした。いわゆる“137GBの壁”を超えたはじめてのHDDとなる同製品の価格は4万円程度。すでに流通している「DiamondMax D540X」シリーズの120GBモデル「4G120J6」に40GBプラッタを1枚加えた4プラッタ構成となる。



“Big Drive”で137GBの壁を突破
そもそも137GBの壁とは

160GB

 なぜ160GBのHDDがこれほどまでに騒がれるのか。それは、従来のATAインターフェイスの仕様を打ち破るHDDだからだ。HDDには以前にも“528MBの壁”“8.4GBの壁”“32GBの壁”が存在していたが、今回は“LBA”(Logical Block Address)というATAの仕様が“壁”を作っていた。LBAの詳細についてはデジタル用語辞典を参照してほしいが、簡単にいうと、HDDの全セクタ(1セクタ=512Bytes)に付けられた通し番号。従来型ATAの仕様では“LBAの最大サイズは28bit”と規定されてたため、228=268,435,456セクタ=約137GBまでしか通し番号を振れない、つまり、認識できない。



4G120J6
「4G120J6」のスペック表。LBAの値は、28bit LBAの最大値へかなり近いところにある
LBA

 そこで、LBAの最大サイズを48bitにまで拡張してしまったのが、Maxtorの“Big Drive”技術。Big Driveにより、理論的には248=約144PB(ペタバイト。約144000000GB)までIDE HDDの容量は拡張できることになった(※1)。今回の160GB HDD「4G160J8」は、この技術を採用した世界初のHDDというわけだ。

※1 ただし、日本マックストアが公開しているホワイトペーパーで同社は、32bitのアドレス指定方法を用いている既存のOSにおいて、2.2TB(テラバイト)の壁を予告している。同社では、現在のスピードでHDDの容量が増加していくと、早ければ2004年中にHDDは新しい壁に当たるという。



最近のマザーボードなら認識可能?

 気になるのはBig Driveの将来性、そしてなにより、既存のPCでこの“超”大容量ドライブを認識できるかという点だが、まず将来性に関しては問題ないだろう。すでにBig Driveは規格として正式に提案されているほか、Intelも積極的にサポートを打ち出すなど、標準化するのはほぼ確実といったところだ。そしてPCとの互換性だが、従来型LBAとの互換性を最小限に食い止めるため最新の注意が払われており(これが製品登場の遅れを生んだとも見られている)、ICH2などに内蔵されるIDEコントローラで対応できるようだ。ただし、場合によっては“AUTO”ではなく、手動でBIOSにHDDを認識させる必要がでてくる可能性があるのには注意したい。
 ドライバレベルでは、IntelがすでにBig Drive対応のドライバ「Intel Application Accelerator」をi8xx系マザーボード向けにリリースして対応しているのが確認できる。つまり、ハードウェアをアップデートしなくてもドライバさえ対応すれば利用できるわけで、160GB HDDの利用にあたって「Big Drive対応のIDEコントローラカードを買わなきゃ」なんて焦る必要はない可能性が高い。

スペック

 ドライブとしての仕様を見てみると、DiamondMax D540Xの仕様に準じている。回転数は5400rpmでキャッシュは2MB、平均シークタイムは12msで、容量以外に特筆すべきものは特にない。しかし、その容量がなんと言っても魅力であるだけに、TVチューナ&MPEG2キャプチャカードをフル稼働させているような人たちにとっては、データ保存用の大容量ストレージとして大きな価値があるだろう。初物ということもあって4G120J6より1万円も高価だが、ボーナスの力にモノを言わせてみる価値はありそうだ。


13日現在の価格情報
価格ショップ
\37,800若松通商LAN/PLAZA
\37,980若松通商エルプラザ
\38,800高速電脳
\39,800OVERTOP
コムサテライト2号店
若松通商PS/PLAZA
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