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マイクロソフト、社長兼COOのリチャード・ベルーゾー氏が来日記者会見

2001年12月13日 18時20分更新

文● 編集部 増田悦子

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マイクロソフト(株)は13日、米マイクロソフト社長兼COO(最高執行責任者)リチャード・ベルーゾー(Richard Belluzzo)氏の初来日に伴い、都内で記者会見を行なった。

今回の会見は、9月中旬に“WORLD PC EXPO”の基調講演のために来日する予定だったが、米国の同時多発テロの影響で延期になったことから本日行なわれたもの。代表取締役社長の阿多親市氏は「年内に来日が実現してよかった」と挨拶をした。2001年2月に社長兼COOに指名されて以来、同氏が日本で記者会見を開くのは初めてのこと。

リチャード・ベルーゾー氏
マイクロソフト社長兼COOリチャード・ベルーゾー氏

記者会見でベルーゾー氏は、「来年は、コンテンツ作成ツール、サーバー、Xboxなど、“.NET”関連製品が、いよいよ構想の段階から提供できる段階に入り、ニュースの多い年になるだろう」と語った。

同社が過去25年間パソコンに依存した経営を行なってきたことに対し、「パソコン関連の開発は続けるが、それだけではなく新しい機会がやってきたとして、4つの大きな柱を掲げ、この1年間努力してきた」とし、同社がこの1年間に社内で注力してきたことを述べた。

ベルーゾー氏は、「まず1つ目に、パーソナルコンピューター。パソコンに大きく依存してきたが、やはり技術の中核である。再活性化することで、より魅力的なものにしようと努力し、その結果、Office XPとWindows XPの発売にいたった。パソコンはやはり、デバイスとして残るものである。2つ目がエンタープライズサーバービジネス。ビジネスパートナーとの協力体制を作り、パートナーシップのあり方を変えていくのに今が重要な時期である。3つ目がコンシューマービジネス。現在、コンシューマービジネスは非常に面白い時代であり、面白い機器が生まれ、さらにはそれらの多くは日本で誕生している。今後も生産性を上げ、より簡単に情報にアクセスできる環境を提供していきたい。4つ目はデベロッパーミッション。2000年6月に.NET構想を打ち出し、コンテンツ作成ツール、サーバー製品などに取り組んできた。より完全なものとして、ツール、デバイス、サービスともに注力し、新しいアプリケーションをユーザーに提供したい」と続けた。

また、「これらの4つは将来を担うもので、4つのいずれか1つが欠けてもだめである。これからの10年を担い、その10年を満たすものだ。私個人としても、業界の将来が非常に楽しみである」と語った。

代表取締役社長の阿多親市氏、リチャード・ベルーゾー氏、Xbox事業部長大浦博久氏
左から、マイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏、マイクロソフト社長兼COOリチャード・ベルーゾー氏、マイクロソフト常務取締役 Xbox事業部長大浦博久氏

質疑応答では、マイクロソフトの方針と相反する“リバティーアライアンス”についてどう考えるかという記者からの質問に対し、ベルーゾー氏は「私どもは、ウェブにおいてIDとパスワードによる認証が必要だということで、PASSPORTサービスを作った。リバティーアライアンスについては、マイクロソフトもどういう趣旨かを理解し、評価をしている段階である。PASSPORTに反対するグループでも、ビジョンが同じならば今後協力する可能性はあるが、現時点では、PASSPORTサービスをプロモーションしていく」と述べた。

米国のマクロ経済についてどう考えるか、という質問に対しては「個人的には、米国のIT経済は、現在苦戦を強いられている。Y2K問題、.com企業の崩壊などにより経済が苦しいことには間違いなく、現在は調整の時期だろう。投資に対しても慎重になり、最近になって安定してきた。経済は、上向きに、そして前向きに見える。今後1四半期あるいは2四半期の間は、見解についてはさまざまなところで相反する意見が出てくるだろうが、6月くらいには成長が見えてくるのではないか。マイクロソフトは将来に期待している」と述べた。

プレイステーションなどのゲーム機がすでに大きなシェアを占め、かつ経済が下降気味の日本において、なぜXboxを投入する決意をしたのかという質問には、「当初、いかなる市場においても、最高のゲーム環境を提供しようと考えた。その考えは今でも変わらない。ゲームに関しては、開発者と一致団結し、オンラインサービス、.NETへのアクセスといった付加価値を加えることで、プレイステーションなどに対抗していく。ユーザーにはゲーム体験を提供していく」と答えた。なお、Xboxの日本発売日について、先週一部交錯した報道があったことについては「台湾と日本、ヨーロッパでのリリース日を混乱してしまっただけで、10月に発表したスケジュール通り、2002年2月22日に発売する。部品関連の配給等にも不満はない。2002年1月11日のXboxカンファレンスで詳細を発表する」とした。

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