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カーネル、.NETフレームワークに対応したGISエンジン『ActiveMap i ver.2』を開発

2001年12月07日 23時07分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)カーネルは6日、地図情報システムを構築するGISエンジン『ActiveMap i ver.2(アクティブマップアイ バージョン2)』の開発を発表した。ラインアップは、ネットワーク対応の『ActiveMap i ver.2』と、スタンドアローンタイプの『ActiveMap is(アイエス) ver.2』の2製品。発売は、2002年5月を予定している。

“GIS(地図情報システム:Geographic Information Systems)”とは、さまざまな情報を地図に重ね合わせることによって、空間や位置に結びついた情報を得るためのシステム。企業や商店がエリアマーケティングを行なったり店舗計画を立てるために、また官公庁や自治体が都市計画を立てたり地域管理・解析を行なう際に利用できる。

同製品は、上記のような業務に合ったGISを構築するための、基幹となるGISエンジン。米マイクロソフト社の企業戦略“Microsoft .NET”に対応した開発環境“.NET Framework”に対応しているのが特徴。これによって、インターネットやイントラネットでデータ共有が可能な、ボーダーレスなGISを構築できる。地図情報を交換するためのプロトコルには“SOAP(Simple Object Access Protocol)”を利用する。また、地図操作を行なうプログラム『Mapctrl 4.0』は、ActiveXコントロールとなっている。さらに同製品の各コンポーネントやデータベースを格納するウェブサーバーを、ビジネスロジック層とデータ層の階層構造とし、処理を分散して多数のユーザーの接続によるトラフィックに対応できる。

地図データは、各地図メーカーや国土地理院の地図フォーマットのほか、“DMフォーマット”(※1)やDXF、XMLやG-XMLなどの形式の地図に対応している。地図上で計測や統計を行なうために、ユーザーが設定する図形データや独自のデータを置くデータベースには、ActiveXベースのデータアクセスのためのコンポーネント“ADO(ActiveX Data Objects)”を通じてアクセスする。このため、ユーザーのデータベースにはADO対応のものが利用できる。また図形の統合や分割、線種の作成、および図形演算や各種計測、エリアサーチなどの空間解析、データの集計などの機能を搭載している。ユーザーレイヤーは最大300層で、300層まで情報を重複して表示することができる。

※1 Digital Mappingの略。建設省が、公共測量作業規程で定めたフォーマット。

クライアントはパソコンのほかにも、Java対応携帯電話や、PDA、モバイル端末も利用できる。サーバーで管理しているベクトルデータの地図を、画像データとして切り出して送信するためのツールも備えている。また各種機能ごとにチュートリアルを用意してあり、Visual Basicなどの開発ツールで、迅速にシステム開発を行なえるという。

動作環境は、『ActiveMap i ver.2』では、サーバーのOSにWindows NT 4.0(SP5以上)とIIS4.0の組み合わせか、Windows 2000(SP2以上)とIIS5.0の組み合わせが必要。クライアントの対応OSはWindows 98/Me/NT 4.0/2000/XPとなっている。『ActiveMap is ver.2』の対応OSは、Windows 98/Me/NT 4.0/2000/XP。

価格は、『ActiveMap i ver.2』では、サーバーパックが50万円で、クライアントライセンスは、5ライセンスまでが37万8000円、10ライセンスまでが68万7500円、20ライセンスまでが125万円、30ライセンスまでが168万7500円、50ライセンスまでが225万円、100ライセンスまでが262万5000円、ライセンスフリーが450万円となる。『ActiveMap is ver.2』は、19万8000円。

同社は、官公庁や自治体、エリアマーケティングなどを行なう企業をターゲットに、初年度5000ライセンスの売り上げを目標としている。

カーネルは、GISツールやGIS用アプリケーションの開発・販売、およびソフトウェアの受託開発事業などを行なっている企業。設立は'92年9月。本社は京都府京都市下京区。資本金は1000万円。代表取締役は小湊修氏で、従業員数は20名。

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