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富士通研究所、HDDの媒体腐食を抑える潤滑剤技術を開発

2001年12月07日 18時31分更新

文● 編集部

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(株)富士通研究所は6日、ハードディスクの磁性材料を、腐食の原因となる汚染物質や水分から保護する技術を開発したと発表した。

一般に、HDDのディスク(媒体)の表面には、磁性膜を腐食や衝撃から守る“保護膜”と、磁気ヘッドとの摩擦磨耗を抑える“潤滑剤”がコーティングされる。保護膜の厚さは現在市販されているHDDで6nm程度。記録密度を上げるために保護膜を薄くすると、HDDの使用中に、微量な汚染物質や水分が磁性層まで侵入して腐食が発生し、ヘッドクラッシュが発生する可能性が出てくるという。

過酷な高温・高湿腐食試験後のディスク表面の腐食発生状況
過酷な高温・高湿腐食試験後のディスク表面の腐食発生状況(白い部分が腐食生成物)

同研究所では、感光性の潤滑剤を採用し、高いエネルギーを持つ真空紫外線(200nm以下の波長の光)を照射することで保護膜への潤滑剤結合率を従来の1.5倍以上に高めた。これにより“表面自由エネルギー”(汚染物質や水分の吸着のしやすさ)を25%低減し、テフロンと同程度の撥水表面を形成したとしている。同時にディスクの汚染物質の付着量も25%減らせたという。

今後、高温多湿環境で使用される携帯情報端末やカーナビなど、高い信頼性が要求されるモバイル機器を中心としたHDDの用途を拡大できる技術となると位置付けている。

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