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凸版印刷と横河電機、半導体開発支援で提携

2001年12月04日 22時49分更新

文● 編集部 田口敏之

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凸版印刷(株)と横河電機(株)は4日、都内で合同記者発表会を開催し、半導体の設計とシステム設計、および検証の分野で提携すると発表した。今後、両社は共同で、半導体・システム設計の支援、検証の効率化、ネットワークによる開発環境支援などを、半導体メーカーやシステムLSIを開発するメーカー向けに提供する。

凸版印刷は、従来よりプリント基板の設計をはじめとして、半導体のシステム設計からフォトマスクの製造、供給などを手がけている。システム設計、論理設計については、'89年に設立した100%出資の子会社(株)トッパン・テクニカル・デザインセンターを中心に、積極的に取り組んでいるという。また'99年には、インターネットを通じて、半導体の開発に携わる者が開発ツールや情報を共有できるASPサービス“バーチャル・デザインセンター(VDC)”を開始した。これによって、インターネットを経由してウェブブラウザーを用いて設計業務などを行なえる。VDCは、すでに複数の半導体メーカーやセットメーカーへの導入実績を持っているという。

一方、横河電機は、半導体分野において、半導体やLSIの開発ツールや、動作検証を行なうためのソフトおよびハードを提供している。11月には、LSIの設計からテストまでが行なえる統合ソフト『VR Test Planner』と、LSIテスター『TS6000H』を発売した。これらは、半導体の設計データを用いてテスト用のプログラムを構築しておき、エンジニアリングサンプル(ES)の完成後、ただちにテストに着手できるという統合検証環境。これによって半導体やLSIの開発期間を短縮でき、またコストも削減できるという。

凸版印刷と横河電機の業務提携の概要
凸版印刷と横河電機の業務提携の概要

今回の提携によって、凸版印刷は“VDC”に、横河電機の設計支援ツールや、検証を行なうソフトやハードを含む統合環境を導入する。これにより半導体メーカーやセットメーカーに、ネットワーク化された半導体やLSIの開発システムと、設計からサンプルまで統合環境下でテストできるシステムなどを提供する。

凸版印刷取締役エレクトロニクス事業部副事業本部長の永田明裕氏
凸版印刷取締役エレクトロニクス事業部副事業本部長の永田明裕氏

凸版印刷取締役エレクトロニクス事業部副事業本部長の永田明裕氏は「昨今、半導体の開発は非常に大規模になってきているが、短命になってきつつもある。開発期間の短縮のために、検証は大切なものになっていくだろう。今回の提携で、凸版印刷は設計ノウハウを、横河電機は検証ツールのノウハウを提供し、協調開発環境を構築する。ネットワークを利用して、半導体の開発とその検証用のソフト開発を同時に行なえるのは、業界では初めてのことだ」と述べた。

今後凸版印刷では、今回の提携で構築する環境によって、半導体やLSIなどの開発を行ない、開発期間を短縮するとともにコストを削減し、中長期的にビジネスを拡大していく。これによって、売り上げの5%程度の伸長を見込んでいる。また、自社開発用のシステムとして、企業が新規に導入する場合の構築支援なども、いずれ行なっていくという。

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