アメリカの通信機器メーカであるU.S.Roboticsから一風変わった通信デバイスが登場した。「SoundLink」という名の製品は“FM送信機”“FM受信機”がワンパッケージになった“Wireless Audio Delivery System”という位置づけの製品だ。
「Transmitter」。PCなど、サウンド出力デバイスと接続する。「Receiver」もほぼ同じデザインだ |
これだけではピンとこない人も多いだろうが、簡単に言うと、PCやテレビ、アンプなどから出力する音声を受信機に向けてピンポイントでFM放送してしまおうという豪快な装置。たとえばPCと送信機「Transmitter」を繋ぎ、一方では受信機「Receiver」とラジカセを接続。そしてPC上でMP3ファイルを再生すると、音声がFM電波に乗って受信機に届き、ラジカセから出力されるという仕組みとなっている。入力端子を持たない安価なラジカセの場合でも、受信機の半径3m以内に置いて所定の周波数(88.1か88.3MHz)を指定すれば、受信機を介して音声出力が可能だ。
Transmitterのインターフェイス。サウンド出力デバイスと“AUDIO IN”コネクタをケーブルで繋ぐだけで使用可能だ。なお、Transmitter、ReceiverともにACアダプタから給電できるほか、単3型乾電池でも利用できる |
おそらくアメリカでは、たとえば室内のPCでMP3やインターネットラジオなどを再生させておいて、庭やプールで遊びながら、あるいは洗車や庭掃除をしながら音楽を聴く、などといった用途のために使われるものだろう。日本では使い方が難しいが、洗車などといった家の外の作業時に、PCに入れてあるお気に入りのMP3ファイルを楽しんだりはできそうだ。また、室内においては自室のPCから居間にあるオーディオ機器に向かって送信し、居間でゆったりと音楽を楽しむ、などといった利用法も考えられる。
気になる有効距離は驚きの1000フィート。メートル換算で約300mという、トンデモない性能である。“有効距離=出力”というわけではなく、また同製品の出力が不明のため何とも言えないが、ひょっとすると国内では電波法に触れる(違法である)可能性があるのには注意が必要だろう。なお価格は9800円(USER'S SIDE本店)と、ちょっと試してみたくなる金額だ。
“モンスターパワー”とうたうポップ |