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ロボットの“文化の遺伝子”とは?――日本科学未来館が“ロボット・ミーム展”を開催

2001年12月01日 15時03分更新

文● 編集部 桑本美鈴

日本科学未来館は、企画展“ロボット・ミーム展~ロボットは文化の遺伝子を運ぶか?~”を1日から開催する。後援は文部科学省と東京都教育委員会。企画は日本科学未来館と国際ロボットデザイン委員会。会期は2002年2月11日まで。

毛利さん
日本科学未来館館長の毛利衛氏

同企画展は、ロボットを21世紀のメディアとしてとらえ、人と知能機械のインターフェース(ロボットデザイン)の提案をコンセプトに、人間がロボットに対して抱く親近感、恐怖、違和感といったさまざまな感情の裏側にある文化的な意味や価値を、“ロボット・ミーム(文化的遺伝子)”として考えようという試み。今年7月10日の日本科学未来館オープン後、初のオリジナル企画展となる。

ミーム(meme)とは、人間の社会生活に有用で、遺伝子では伝えられない情報を伝える架空の文化的遺伝子のこと。英国の生物学者リチャード・ドーキンスが著書『利己的な遺伝子』の中で想定した言葉で、geno(遺伝子)と、ギリシャ語のmimeme(模倣)の合成語。

展示会場では、既存のロボットとは異なる、一風変わったロボット(?)たちが展示されている。

『Cyclops』は、柔らかい脊髄とCCDカメラの目を持つ巨人をイメージしたロボット。脊髄は球体関節を多数重ね合わせたもので、その周りに30本のエア・マッスル(空気圧で動く人工筋肉)が配置されている。CCDカメラが人間の顔サイズの肌色や動くものをとらえると、そちらのほうにゆっくりと身体と目(CCDカメラ)を向けるようにプログラムされており、まるでCyclopsがこちらをみつめているような不思議な感覚を味わえる。制作は工業デザイナーの山中俊治氏。

ひとつ目巨人
ゆらゆら動く巨人『Cyclops』。Cyclopsの前にある光の円の中に入ると、内蔵のCCDカメラがその映像をとらえ、ゆっくりとそちらを向いてくれる。みつめ合う瞳と瞳?
目と背骨頭部にある“ひとつ目”にCCDカメラを内蔵。脊髄部分が妙にリアル。「他のさまざまなロボットを見て、皆がデザインしていないのは目と背骨かなと思い、あえてその部分をデザインすることにしました」(山中氏)

『P-noir』(Pierrot noir 黒いピエロ)は、黒いドレスを身にまとったピエロのロボット。車輪駆動式で、オルゴールをイメージした空間の中で、音楽に合わせて規則的に動作する。来場者がコミュニケーション用小型装置を持ってロボットの側にくると、装置を内蔵センサーで感知して、あらかじめ搭載されているプログラムが起動し、ピエロが観客を笑わせるように、顔の表情や腕、足(車輪)がさまざまに動く。装置を持った来場者の動きによって、P-noirの動きも変化する。制作はロボットデザイナーで国際ロボットデザイン委員会委員長の松井龍哉氏。松井氏は、2足歩行ヒューマノイドロボット『PINO』のデザインを担当したことでも有名。

黒いピエロ黒いピエロロボット『P-noir』。オルゴールのような音楽に合わせて、空間の中をくるくると動き回る
ロボットとダンス
小型装置を持ってロボットの側にいくと、ロボットが装置の動きをセンサーで感知し、手足を動かす。ロボットと一緒にダンスを楽しめるかも?

『オーキソイド(Orchisoid)』は、植物の蘭と一体化したロボット。環境の変化によって変動する蘭の生体電流をミリボルト電位計で採取し、その値によって車輪型ロボットが動くようになっている。ミリボルト電位計は人体の脳波計測器を改造したもので、0~50Hzまでの変化を採取して、そのデータをコンピューターでフーリエ変換し、データ値によってプログラムの動作パターンが切り替わる。植物は光や風、磁場などの環境の変化によって電位が変化するが、蘭は植物の中でも特に高い30~50Hzという周波数での変化が見られるため、今回のプロジェクトに適しているという。制作は、メディアアーティストで東京芸術大学美術学部教授の藤幡正樹氏と、アーティスト(海洋学/園芸学)の銅金裕司氏。

蘭の植物園
植物園? ではなくて『オーキソイド(Orchisoid)』の展示コーナー。「実はめずらしい蘭を揃えてるんです。ロボットだけでなく蘭も見てください(笑)」(銅金氏)
蘭ロボット蘭と一体化したロボット『オーキソイド(Orchisoid)』。車輪型ロボットに蘭の植木鉢をセットした不思議な形状。Orchisoidとは“野生の蘭もどき”という意味
蘭の電流採取
蘭が出す生体電流をミリボルト電位計で採取する
iPAQ活躍中
採取した電流の値によって、車輪駆動プログラムの動作パターンが変化する。プログラムは『iPAQ』上で動作している
蘭の電流波形
蘭の電流波形をパソコン上でリアルタイムに確認できる。蘭は展示会場にきてからというもの、ちょっと興奮気味らしい

映像展示『二足歩行カタログ』は、よちよち歩きの赤ちゃんやおばあさん、バレリーナ、狂言役者、サル、アヒル、ニワトリ、ロボット(PINO)が二足歩行している映像を閲覧できるもの。専用インターフェースを操作することで、表示したい二足歩行映像を選択/再生できる。いくつかの二足歩行の様子を同時に見ることで、歩行の仕組みやそれぞれの相違、特徴を発見できる。

二足歩行カタログ
映像展示『二足歩行カタログ』。写真手前の円形装置が映像表示/非表示を選択できる専用インターフェース。これで見ると、『PINO』の歩きかたは、赤ちゃんのよちよち歩きにそっくり

“ロボットデザイン・ワークショップ”では、パソコンを利用してロボットの動きや情報などを閲覧できる。

ワークショップ
“ロボットデザイン・ワークショップ”のコーナー

『ヒューマノイド・コントローラ』は、ヒューマノイドの運動をほぼリアルタイムで計算するシミュレーションソフトを使って、画面上のヒューマノイドをジョイスティックで操作できるもの。ヒューマノイドの歩幅を変えたり、床の傾き加減をコントロールして、画面上のヒューマノイドをうまく歩かせよう。

ヒューマノイドコントローラ
『ヒューマノイド・コントローラ』。ジョイスティックで画面上のヒューマノイドを操作する。結構むずかしい……

『ロボット・ミーム・データベース ver.0.9』は、SF映画や小説、アニメなどに登場するロボットのミームに関するデータベース。任意のロボットを検索し、そのロボットが作り出された目的や機能、時代、外見などについて確認できる、なお、日本科学未来館のウェブサイトでも提供される。

『パラメタライズド・ロボット』は、画面に表示されているロボットの頭部や腕、脚などのパラメーターを変更することで、簡単なロボットデザインを体験できるもの。デザインしたロボットの展開図を、側にあるプリンターで印刷することが可能で、さらにその展開図でペーパークラフトを作成できるコーナーも用意されている。

パラメタライズドロボット
『パラメタライズド・ロボット』。腕を伸ばしたり脚を太くしたりなど、簡単なカスタマイズが可能。さらに画面上で作成したロボットの展開図を印刷できる
ペーパークラフト
『パラメタライズド・ロボット』で作成し印刷した展開図を組み立てるコーナー。好きな色を塗って出来上がり

開催前日の11月30日に行なわれた報道関係者向けの内覧会で、日本科学未来館館長の毛利衛氏は、「今回の企画展は科学技術を文化としてとらえてもらうためのもの。日本科学未来館では今年ロボットに焦点を当てているが、従来のイベントとは違う切り口でロボットを見てみた。今回の試みが社会に伝播できるか楽しみだ」としている。

なお、日本科学未来館では、特別イベントとして“ROBO-ONE 第1回大会~世界初! 二足歩行ロボット格闘競技大会~”のプレイベントを1日~9日まで開催する。二足歩行ロボット格闘競技大会は、小型二足歩行ロボットによる格闘競技大会で、約2m四方のフィールドで、レフェリーの合図と共に各チーム1台ずつの二足歩行ロボットが格闘競技(5ラウンド、ノックダウン制で3ラウンド先取)を行なうもの。プレイベントでは、大会出場予定のロボットによるデモンストレーションが行なわれる。なお、本大会は2月2日~3日に開催される。

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