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トップボーイとベンチャーコントロール、トップボーイの新経営戦略を発表

2001年11月30日 21時45分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)トップボーイと(株)ベンチャーコントロールは29日、合同説明会を開催し、TOB(株式公開買付)によって、ベンチャーコントロールがトップボーイの経営権を取得したことを発表した。併せて、トップボーイはベンチャーコントロールのサポートのもと、新経営戦略を導入していくと発表した。

トップボーイは、家庭用ゲーム機およびゲームソフトの販売ショップ“トップボーイ”をフランチャイズ(FC)により全国展開している企業。創業は'77年8月。本社は神奈川県横浜市にあり、直営店舗39店を含めた全国の店舗数は253店。資本金は5億9600万円で、2001年3月期の売上高は122億円。代表取締役社長は松藤博次氏で、従業員数はパートを含めて260名。同社は、10月31日付で株主の賛同を得て、ベンチャーコントロールおよび(株)広美による、同社株式の公開買付を決定した。これによってベンチャーコントロールは、同社の経営権を取得した。

ベンチャーコントロールは、人材育成や起業支援などのベンチャーインキュベーション事業などを行なっている企業。創業は'96年4月。本社は東京都新宿区。資本金は1億4418万円で、2001年3月期の売上高は7億8108万円。代表取締役社長は田中美考氏で、従業員数は32名(グループ従業員数は211名)。

ベンチャーコントロール代表取締役社長の田中美考氏
ベンチャーコントロール代表取締役社長の田中美考氏

説明会の新体制と新経営戦略についての説明で、田中氏はトップボーイに、組織戦略、店舗戦略、財務戦略、アライアンス戦略と、4つの戦略を導入していくことを発表した。

組織戦略としては、ベンチャーコントロール独自の人材育成プログラム“マネージメント・コーチング・プログラム(MCP)”を導入し、経営者感覚を持つ人材育成を行なうとともに、経営強化や各主要部門の強化のために、随時人材を投入していくという。

店舗戦略は3つの段階に分けられている。第1段階では、ゲーム大会など人が集まるイベントを開催することによって、現状の店舗を地域に密着させる。また、店舗間のネットワークを確立し、会員制度などによって顧客のデータベース化を図る。第2段階では、経営者感覚を持つ人材や起業家を志す人材を投入する。また、ゲームソフト以外にも、フィギュアなどのエンターテイメント関連商品を導入し、総合エンターテイメントショップとして店舗のブランド化を図る。そして第3段階では、客にアドバイスを行なう“ゲームアドバイザー”という資格を独自に設け、これを取得した人材を各店舗に配置する。また、ブロードバンド回線を導入したテスト店舗を通じて、ゲームの販売だけでなく、インターネットカフェとしての可能性を探っていくという。

財務戦略としては、各店舗の状態を把握し、責任者の経営能力を伸ばすために、社内カンパニー制度を導入する。店舗別に損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を作成し、本部において数値の把握ができるようインフラを整え、FCに対しても適切なアドバイスを行なえる体制を作っていくという。

アライアンス戦略としては、メーカーや卸業者などと提携し、多角的かつ安定した商品ラインアップと、効率的かつスピーディーな流通チャネルの確立を図る。またキャラクターグッズショップを経営する企業などと協力して、フィギュアやトレーディングカードなどを販売し、商品戦略の拡大を図るという。

トップボーイ代表取締役社長の松藤博次氏
トップボーイ代表取締役社長の松藤博次氏

トップボーイ代表取締役社長の松藤博次氏は「トップボーイは、ゲームと人が出合う場として地域社会の役にたってきた。また、エンターテイメントプロデューサーとして、人々の心を豊かにするのに役立ってきたと思っている。ここからさらに、業界を活性化していきたいと思っていたところ、ベンチャーの雄である田中氏に出会い、当社の経営にも興味を示してもらえた。これからのトップボーイのさらなる発展は田中社長に託し、新たなステージに向かっていきたい」と述べた。

トップボーイ次期代表取締役社長の田中大輔氏
トップボーイ次期代表取締役社長の田中大輔氏

また、2002年1月にトップボーイの代表取締役社長に就任することが決定している、ベンチャーコントロール顧問の田中大輔氏は「現場に入っていないので具体的なことは言えないが、ビジョンを徹底させ、社員一丸となって経営にあたりたい」と述べた。

ベンチャーコントロールでは目標として、トップボーイの売上高を、現在の122億円から、2006年には約210億円、経常利益を約11億円にするとしている。

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