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NTT、PHSと無線LANに対応したソフトウェア無線機を開発

2001年11月26日 17時58分更新

文● 編集部

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日本電信電話(株)は26日、低速なPHSと高速で広帯域の無線LANの両方に対応できるソフトウェア無線機を開発したと発表した。ソフトウェア無線機は、ソフトウェアを書き換えることで機能を変更でき、さまざまな無線方式に対応できる無線機。

従来の技術ではプロセッサーが処理できる帯域に限度があったため、数100kHzの狭帯域で時分割多元接続(TDMA)方式を利用するPHSにしか対応できなかった。今回、NTT未来ねっと研究所が“フレキシブルレート・プリポストプロセッサ”(フレキシブルレートPPP)を開発し、約20MHzの広帯域でスペクトラム拡散技術を利用した無線LANにも対応可能とした。これにより、第2世代および第3世代の移動通信システム、広帯域無線LANに1台で対応できる無線端末を開発できるようになるという。また、開発したシステムは、無線ダウンロード機能を実装しており、ソフトウェアのダウンロードやバージョンアップにも対応している。

ソフトウェア無線機は、無線周波数部、中間周波数部、ベースバンド部の3つの機能ブロックで構成されており、中間周波数部とベースバンド部にプログラマブルなプロセッサーを採用した。中間周波数部でフィルタリングや波形整形、逆拡散などの処理を行なうプリポストプロセッサ(PPP)をフレキシブルレートPPPとしたのが特徴。ソフトウェアを書き換えることで回路構成を変更できるIC“FPGA(Field Programmable Gate Array)”と任意の周波数のクロックを直接生成できる回路“DDS(Direct Digital Synthesizer)”を利用したことで、広帯域化などを可能にしたという。また、ベースバンド部にはマイクロプロセッサー(PowerPC-400MHz)とDSP(Digital Signal Processor)を採用している。

この中間周波数部とベースバンド部に、C言語やハードウェア記述言語(Verilog)で記述したソフトウェアをダウンロードすることで、市販の端末の機能の大半を利用できるという。また、ダウンロード機能にはTCP/IPをベースとしたプロトコルを採用しており、同社と三菱電機が共同開発した128bitの次世代ブロック暗号“Camellia”を実装する。同社では、今後、携帯端末程度のサイズに小型化し、低消費電力化を図るとしている。

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