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Trend Micro GateLock X200

Trend Micro GateLock X200

2001年12月06日 21時54分更新

文● 一ヶ谷 兼乃

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Trend Micro GateLock X200

トレンドマイクロ

1万5000円(2002台限定キャンペーン価格)

「GeteLock X200」は、ウイルス駆除ソフトメーカーのトレンドマイクロが発売するセキュリティ用のハードウェア、「家庭向けブロードバンドセキュリティボックス」だ。ネットワーク経由のウイルスの検知・駆除とファイアウォール機能を併せ持った、新しいタイプの製品だ。

ウイルスから常時接続環境を
守ってくれるスグレモノ

 常時接続環境でインターネットへ接続する機会が増えてくると、注意しなければならないのがコンピュータウイルスや不正なアクセスの脅威だ。従来は、自分のコンピュータにアンチウイルスソフトや簡易ファイアウォールソフトをインストールして対策を講じるのが一般的な対処方法だった。
 トレンドマイクロのGateLock X200(以下、GateLock)は、同社の得意分野であるコンピュータウイルス駆除やネットワーク不正進入対策の技術を盛り込んだブロードバンドルータだ。インターネットと家庭やSOHO内のLANの間にGateLockを設置することで、インターネット経由の各種アタック、コンピュータウイルスの進入を食い止める役割を果たす。
 アンチウイルス機能としては、

  1. メール経由のウイルス侵入を監視
  2. オンラインウイルス検索
  3. ウイルス対策ログ

――という3つの機能がある。メールに添付されたウイルスは、ポート番号25(smtp)と110(pop3)、80(Webメール)を通過する3つのトラフィックについて、ウイルスパターンの有無をチェックする。対応としては、ウイルスの駆除、感染ファイルの削除、放置(ポート80については設定不可)の3つから選択できる。
 オンラインウイルスチェックは、Internet Explorer 5.0との組み合わせでローカルドライブのウイルス検索を実行。
 ウイルス対策ログは、最近検出した30個のウイルスについて、送信者やほかの受信者、日時と感染ファイルを表示する機能を持っている。

ハブとしての機能はないが、INTERNET側、LAN側の各ポートとも10BASE-T/100BASE-TXに対応している。LAN側のポートは横のスイッチによりクロス配線に切り替えられるためPCやハブに直接接続することが可能だ。
 GateLockのLAN側ポートは1つだが、PPPoEに対応したブロードバンドルータの機能も持っている。LAN側にハブをつなげれば、プロバイダから割り当てられた1つのIPアドレスを利用してLAN上の複数の機器から同時にインターネットにアクセスできる。設定はほかのブロードバンドルータと同様に、すべてWebブラウザから行える。設定は極めて簡単で、Webブラウザから設定ページを呼び出し、「クイックセットアップ」のページでウィザード形式の画面にプロバイダ情報を入力するだけだ。

 下り8MbpsのADSLの登場などブロードバンドの高速化により、ルータとしてのパフォーマンスも気になるところだ。GateLockは、NATなどのアドレス変換を行い、かつ、ウイルス検知や不正アクセス検知を行う最も処理速度が下がる環境でも、ftp利用時に約14Mbps、HTTP利用時に約3.6Mbpsと家庭向け製品としては十分なパフォーマンスを持っている。



すべての設定はブラウザから行える。画面はクラッキング対策のオプションで、高・中・低の3段階から選ぶだけで、ネットワークに詳しくないユーザーでも迷うことはない。また、侵入(アタック)をメールでユーザーに通知する機能もある。
 ポート番号によるLAN側の機器へのフォワーディングや、LAN側からインターネットへ出て行くパケットのフィルタリングといった機能も装備している。ポートフォワーディング機能に関しては、ポート番号を個別に指定することもできるが、デフォルトでHTTPやftp、MSN Messengerなどのアプリケーションのポート番号があらかじめ登録してあり、リストボックスからアプリケーションを選択してフォワード先のIPアドレスを指定するだけで設定できる。

 GateLockをブロードバンドルータとして利用しているときに、外部から不正なアタックやLANへの進入があると、本体前面の「ANTI-HACKER」ランプが赤色に変化する。インターネットからの不正アクセスの内容は、ブラウザから設定画面を呼び出し、ログを表示することで確認できる。同様にLAN側の機器がコンピュータウイルス付きのメールを受信したり、ウイルスに感染したWebページを閲覧したときには「ANTI-VIRUS」ランプが赤色に変化して教えてくれ、設定画面のログから詳細情報を知ることができる。必要であればアタックやウイルスを検知したときに、指定のアドレスに検出メールを送信することも可能だ。

 インターネットからのアタックの手法やコンピュータウイルスは、常に新しいものが開発されているが、GateLockでは定期的にトレンドマイクロのサーバを参照して、最新のパターン定義ファイルを自動ダウンロードすることで、新種のコンピュータウイルスやアタックに対しても万全の対策をとることができる。この最新の状況に対応できるところが、ネットワークセキュリティ分野で名を馳せている同社の製品の強みであるといえるだろう。

 GateLockは、ブロードバンドでインターネットに接続するためのルータとしての機能に加え、比較的低価格かつ簡単な操作で十分なセキュリティを得られる製品として魅力的だ。なお、2001年中は2002台を1万5000円でキャンペーン販売中。正式な販売は2002年1月からで価格は2万円台になりそうだ。


GateLock X200の主なスペック
CPU MIPSコア-133MHz
メモリ DRAM32MB+フラッシュメモリ16MB
OS Linux Kernel 2.4ベース
WAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ 120(W)×170(D)×30(H)mm
重量 275g

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