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ドイツ産業見本市、2002年度開催の見本市を説明――“COMDEX”は低迷、“CeBIT”はさらに拡大!!

2001年11月21日 23時40分更新

文● 編集部 中西祥智

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ドイツ産業見本市社(Deutsche Messe AG.)は21日、都内で2002年に開催する見本市の説明会を行なった。同社が2002年にドイツ・ハノーバー(Hannover)国際見本市会場で開催する見本市は、国際情報通信技術見本市“CeBIT(セビット)”や国際産業技術見本市“Hannover Messe(ハノーバー・メッセ)”、国際絨毯・カーペット・フロアカバリング見本市“DOMOTEX(ドモテックス)”など。

ハノーバー国際見本市会場
ハノーバー国際見本市会場。総面積約100万平方メートル、室内総展示面積は2002年2月に約48万8000平方メートルになるという、世界最大の見本市会場

展示面積が世界最大のハノーバー国際見本市会場は、総面積100万m2で、展示ホール数は26、室内の総展示面積は46万5800m2。屋外の総展示面積は5万7836m2で、駐車場の収容台数は約5万台。また、現在27号館を建設中で、2002年2月に完成すると、室内の総展示面積は48万7800m2になるという。

ドイツ産業見本市社フーベルト・ランゲ取締役副社長
ドイツ産業見本市社フーベルト・ランゲ取締役副社長

説明会で、ドイツ産業見本市社フーベルト・ランゲ(Hubert H. Lange)取締役副社長は、見本市は800年前のドイツ・ライプチヒで行なわれたのが始まりで、ドイツ分断で50年前からハノーバーで開催するようになったこと、展示面積が世界で上位5位に入る見本市会場はすべてヨーロッパにあるが(※1)、そのうちの4つはドイツにあることを語り、ドイツが見本市の本場であることを力説した。

※1 展示面積が世界で上位5位に入る見本市会場は、1位から順にハノーバー、ミラノ、フランクフルト、ケルン、デュッセルドルフ。イタリアのミラノ以外はすべてドイツ国内。

世界の情報通信業界の成長率・市場規模
世界の情報通信業界の成長率・市場規模

個々の見本市について語る前にランゲ氏は、情報通信業界の現状について説明した。調査機関のEITO(European Information Technology Observatory)によると、世界の情報通信業界の成長率は2000年の10.4%が最高だが、景気の低迷している2001年でも、8.6%の成長を達成する見込みだという。市場規模は約2兆1850億ユーロ(約236兆円)。

情報通信業界の地域別シェア
情報通信業界の地域別シェア

情報通信業界の地域別シェアは、アメリカが36%、ヨーロッパが29%、日本が11%となっている。また、ヨーロッパの中での国別シェアは、1位がドイツで21%、2位が英国で19%、三位がフランスで16%、以下イタリア、スペイン、オランダと続く。

そしてランゲ氏は、世界最大の見本市である“CeBIT”について説明した。2002年の国際情報通信技術見本市“CeBIT 2002”は、3月13日から20日までの8日間、ハノーバー国際見本市会場で開催する。出展者は、世界約59ヵ国から8316社が参加する予定。総出展面積は約44万2025m2

CeBITの来場者数
CeBITの来場者数

2001年の“CeBIT 2001”の来場者数は約80万人で、2002年は83万人の来場を見込んでいる。米国で開催される“COMDEX”の来場者数が20%から30%減少している中、CeBITの来場者は増加を続け、「会場を増設しても需要に応えきれない」状況だという。ドイツを除く国・地域別の直接出展者数は、2002年は1位が台湾の564社、2位がアメリカの532社、3位が英国で354社となっている。また、近年アジアからの出展数が飛躍的に伸び、中国の出展者数は2001年の25社から2002年には104社と、大幅に増加している。

ただし、これは直接出展者のみで、現地法人が出展する場合はドイツ企業とカウントされている。たとえば、日本企業の場合は現地法人を介して出展する例が多く、そういった間接出展も含めた日本企業の出展面積は約4万m2と、総出展面積の約1割を占めている。

地域別の来場者数
地域別の来場者数。ヨーロッパを除くと、アジアが19.7%(3万3600人)で最大

来場者数もアジアからの来場者が増えており、CeBIT 2001の外国人来場者17万1000人のうち、3万3600人がアジアからの来場者だという。また、約10万人の出展者間の商談も、活発に行なわれる。報道陣の数も1万3000人を超え、ランゲ氏は「ワールドカップやオリンピックを超えている」と語った。

なお、ドイツ産業見本市社では「CeBITの輸出(ランゲ氏)」も行なっている。すでに2001年8月に中国・上海で“CeBIT asia”を開催したほか、1大陸1ヵ所として、オーストラリアや南米での開催も予定している。上海では現在、同社などが出資して上海新国際展示場を建設しており、最終的には約25万m2と、アジア最大の見本市会場となる。2002年9月には、その上海新国際展示場で“CeBIT asia 2002”を開催する。

上海新国際展示場の完成予想模型
上海新国際展示場の完成予想模型

また、ランゲ氏は9月11日の米同時多発テロ、およびその後の武力行使による影響は、アメリカからの出展・来場者数が減少しても、それ以上にアジアからの出展・来場者数が増加しており、「まったくない」としている。

“CeBIT 2002”では、ゲアハルト・シュレーダー(Gerhard Schroeder)ドイツ連邦共和国首相が開幕宣言を行ない、米マイクロソフト社のスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)CEOが基調講演を行なう予定。ランゲ氏は低迷する日本の情報通信産業に対して、「ハノーバーに来て、皆さんの輸出を増やして下さい」と呼びかけた。

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