“PIXUS”という新ブランドを冠したキヤノンの2001年型最新BJプリンタラインナップのフラッグシップ機となるのが「PIXUS BJ F900」だ。従来機「BJ F870」の後継にあたり、印刷画質は同等ながら印刷速度が大きく向上している。
ノズル数2倍で印刷速度も2倍に
BJ F900のサイドビュー。シルバーと半透明素材の黒い部分がアクセントとなっている。 |
BJ F900のヘッド部。6列に見えるが、各色2列ずつ12列のノズルが並ぶ。 |
【BJ F900印刷サンプル】印刷サイズは写真画像部分が82×112mm、フラットベッドスキャナにて300dpiでスキャンしたもの。掲載用にトリミングしている。 |
【BJ F900印刷サンプル】スキャンした画像データを640×480ドットにトリミングしたもの。 |
3Dフォト印刷でプリントアウトしたものをフォトスタンドに入れると、前景が背景から浮き上がって見える。見る角度によって違う絵が見えるシールなどと同じ原理だ。 |
3Dフォト印刷は、標準で付属するフォトスタンド(前面パネルに細かな溝状のレンズがモールドされている)と付属ソフトウェアを使い、平面画像を立体的に見えるようにするというもの。付属ソフトで範囲を指定して前景と背景を設定するというもので、ちょっとした作業で意外にしっかりとした「飛び出す写真」が作れるのは面白い。ただ、どうせならデジタルカメラなどを平行移動させて(あるいは2台を使って)撮った2枚の画像からよりリアルな立体画像を作るソフトも欲しかった。
印刷品質に関しては従来機F870からほぼ継承しており、低濃度インク(LC/LM)による階調表現は良好で、粒状感も低い。ただ、ライバル機であるエプソンPMシリーズに比べると全般的に色が薄い印象があるのは確かで、どぎつい赤でも若干朱色っぽく、コバルトブルーの空も水色っぽい印象を受ける。これは今回搭載されたVIVIDカラーとは関係なく、同社の現行の通常インク(C/M)の色濃度そのものが薄めであることからくるものだ。今後のドライバ/インクの改善に期待したい。
年々と進化するインクジェットプリンタの画質の中で、今回は画質面での大きな進化がなかったことを残念に感じる向きもあるかもしれない。しかし、フチなしのハガキ印刷を約1分で終了するというのは非常に快適で気軽に利用できるため、本機を購入したユーザーは年賀状作成だけでなく、ちょっとした機会でも印刷したくなることは間違いない。
文書 (Microsoft Word 10ページ普通紙) |
標準 | 2分41秒 |
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はやい | 1分59秒 | |
画像 (Adobe Photoshop ハガキサイズ/プロフェッショナルフォトペーパー) |
きれい | 33秒 |
解像度 | 2400×1200dpi |
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インク構成 | Bk、C、M、Y、LC、LM |
ノズル構成 | 512ノズル×6色 |
ヘッド構成 | 一体ヘッド、全色独立インクタンク |
インターフェイス | USB、IEEE1394 |
本体サイズ | 443(W)×319(D)×185(H)mm |
重量 | 5.8kg |