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ペレグリン、企業間のコラボレーションを可能にするSCMソフト『Peregrine B2B Integration』発売

2001年11月16日 17時48分更新

文● 編集部 田口敏之

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ペレグリンシステムズ(株)は15日、顧客や取引パートナー、サプライヤーなどの複数の企業の間をネットワークで結んで情報の共有を可能にし、業務の実行や情報の流れを自動制御して、作業効率を向上させるSCMソフト『Peregrine B2B Integration(ペレグリン ビートゥービー インテグレーション)』を、同日付けで日本市場に投入すると発表した。価格は850万円から。販売は代理店経由で行なう。

ペレグリンシステムズが推進している“Friction Business”のイメージ写真は、陸上競技場に立ったスケート選手
ペレグリンシステムズが推進している“Friction Business”のイメージ写真は、陸上競技場に立ったスケート選手

同社は“Frictionless Business(フリクションレスビジネス)”を推進している。Frictionとは“摩擦”や“不和”という意味で、ビジネスプロセスにおいては、遅延や重複、二度手間や誤りなどといったトラブルを指す。このトラブルが業務効率を低下させ、リソースの消費や従業員の不満の原因になるという。同社によれば、今回発表した商品を導入すれば、Frictionを取り除き、円滑なビジネスプロセスを構築して企業資産の効果を最大限に引き出し、コストを削減できるとしている。

パブリックプロセスとプライベートプロセスの構造
パブリックプロセスとプライベートプロセスの構造

同製品はオープンなプラットフォームで動作し、情報の記述にはXMLなどの業界標準を採用している。そのため、ウェブブラウザーからFTPやHTTP/HTTPSをはじめとして、企業間取引の標準通信手段である“RosettaNet”、また企業間の電子データ交換の標準的な規約である“EDI”などの通信手段にも対応している。RosettaNetにおける通信規約については、企業間の情報交換の手順と書式を規定した“PIP”をすべてサポートしているほか、通信プロトコルや電子署名、認証などインターネットを介して通信するために必要な技術要件の規定“RNIF(RosettaNet Implementation Framework)”に準拠しており、RosettaNet参加企業の間では、同製品は標準的に利用されるソフトウェアとして認められているという。

そのほか、企業間で共有するワークフロー“パブリックプロセス”と、企業内部でのビジネスプロセス“プライベートプロセス”を区別できるため、開発や変更管理、取引先情報の管理を簡素化できる。また、社内プロセスや企業間のビジネスプロセスをモデル化し、トランザクション量や取引件数の増加にともなう各フローの変更や、リアルタイムな監視・分析などがGUIを利用して行なえる。

さらに、既存のアプリケーションから、SAP、Oracle ApplicationなどのERPまで、さまざまなシステムと統合する機能を持っていること。“プロセスパック”という業界個々のビジネスモデルに応じた取引、情報伝達のテンプレートを用意しており、短期間で企業間連携を構築できるようになっていることなどが挙げられる。

『Peregrine B2B Integration』のコンポーネントの構造
『Peregrine B2B Integration』のコンポーネントの構造

同製品は“アライアンスマネージャー”をはじめとする、4種類のソフトウェアコンポーネント群によって構成されている。コアとなる“アライアンスマネージャー”は、バックオフィスのシステムやミドルウェア製品とのデータの統合、変換を行なう“アダプタマネージャー”、企業間でのデータ交換、ビジネスプロセスの実行を行なう“チャネルマネージャー”、ビジネスプロセスの実行を管理する“プロセスマネージャー”などで構成される。

そのほかのコンポーネントとしては、社内の既存のアプリケーションと提携先企業の異なるアプリケーションとの接続を可能にする“インテグレーションアダプタ”、RosettaNetからウェブブラウザーまで、外部通信手段を提供する“パートナーチャネル”がある。また、迅速に提携業務を行なうための“プロセスパック”で用意している、ビジネスモデルに応じた取引、情報伝達のテンプレートは5種類。これによって、通常6ヵ月から8ヵ月を要する企業間のビジネスプロセスの構築を、2ヵ月以内に行なえるという。なお、テンプレートは今後も追加する予定。

対応しているプラットフォームは、Sun SolarisとMicrosoft Windows NT。Sun Solarisの動作環境としては、OSはSun Solaris v2.6/v2.7、CPUはUltraSPARC II-300MHz以上のものを1つないし複数、HDDには2GB以上の空き容量、データベースとして『Oracle8i Standard Edition v8.1.5/8.1.6』、またウェブサーバーとして『Apache V1.3』が必要。Microsoft Windows NTの場合は、OSはMicrosoft Windows NT 4.0 Server(SP5/SP6)、CPUはPentium III-300MHz以上のものを1つないし複数、メモリーは128MB以上(256MB以上推奨)、HDDには2GB以上の空き容量、データベースとして『MS SQL Server 7.0(SP1)』、ウェブサーバーとして『IIS 4.0』が必要となっている。

同社によれば、日本のSRM市場は、今後5年間で10兆円の市場になるという。同製品は半導体メーカーや自動車メーカーなどを主な販売目標として、発売から1年間でおよそ10億円程度の売上を見込まれている。

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