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テンアートニ、SIIの「アクセス権限制御ボード」を発売

2001年11月15日 17時12分更新

文● 編集部

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(株)テンアートニは、セイコーインスツルメンツ(株)(以下、SII)が開発した、ハードディスクへのアクセス権限をハードウェアで制御する製品『Ni-3111-80』を12月13日より販売すると発表した。

『Ni-3111-80』。ボード上にはIDEインターフェイスとRJ-45ジャックが乗っている。

『Ni-3111-80』は、「Secure Disk Protection」(以下、SDP)システムを利用したPCIカード。SDPは、ハードディスクの書き込み権限をハードウェアで制御するシステムで、ハードディスクを同製品のIDEインターフェイスに接続し、アクセス権を制御する。

アクセス権の制御はパーテーションごとに指定することが可能で、最大6つのパーテーションに対して、読み込みのみ/読み書き可能という2種類の異なるアクセス権を、OSの指定とは別に指定することができる。アクセス権の設定は、同製品のネットワークポート(10Base-T)に接続した管理端末からのみ可能になっており、OSの設定より優先されるため、OSの管理者権限があってもアクセス権を変更することはできない。SIIによると、同製品は静的なコンテンツ向けに利用することを想定しており、動的なコンテンツについては、別のサーバマシンを利用するか、パーテーションを区切って読み書き可能にすることで対応できるとしている。Webサーバのような、公開するサービスを読み込みのみで公開すれば、クラッカーによる不正アクセスが物理的に不可能になり、ソフトウェアで提供されるセキュリティ製品よりも管理が容易で確実なセキュリティが得られる。

同製品に接続できるIDEハードディスクは1台。ボード上ではIDE-SCSI変換が行なわれるため、システムからはSCSIドライブとして認識される。同製品の基本機能は以下のとおり。

  • ハードディスクを書き込み不可の状態で運用する機能
  • データの書き換えのために管理者に書き込み権を与える機能
  • サーバが異常終了した場合に管理者がリモートでリセットする機能

パッケージ内容は以下のとおり。

  • 『Ni-3111-80』ボード
  • サポートCD(ドライバ、カーネルアップデートファイルなど)
  • サポートFD(初期設定ユーティリティ、SCSI用ドライバなど)
  • マニュアル

対応ディストリビューションはRed Hat Linuxおよび「Red Hat系Linux」。カーネル2.4に対応したインストーラとSCSIドライバが提供される。

同製品の出荷は12月14日より開始される。(株)テンアートニでは、同製品の発売を記念して、オープンソースのセキュリティソフトと1インシデントのサポートをバンドルしたパッケージを限定200セット販売する。価格は19万8000円。ヘルプデスクサービス(5インシデント)が10万円。

同社では今後、同製品を利用した応用システム構築や導入コンサルティング、ベンダー向け開発支援などを行なうとしている。

なお、11月20日から行なわれる「Internet World Japan 2001」SIIブースでは、同製品を用いたデモを行なうという。

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