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参上、特撮ヒーローアドベンチャー!PS2版「正義の味方」発売直前、ディレクター・上永吉岳宏氏に聞く!!

2001年11月13日 23時25分更新

文● 吉沢晃一

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パッケージ
パッケージには、ヒーロー変身セットが置かれた床がデザインされている。し、渋いぜ!

 特撮ヒーロー番組をモチーフにしたプレイステーション2用のリアルタイムアドベンチャーゲーム「正義の味方」が15日(木)に発売される。プレイヤーは特撮番組の主人公となり、街の人から情報を入手しながら事件発生を予測し、敵怪人と戦っていく。怪人との戦闘は反射神経が重要になるコマンド入力方式。このゲームは1ステージが特撮番組の1話として設定されていて、主人公は30分という時間枠の中で事件と遭遇し、敵と戦わなければならない。さらに主人公の行動で「視聴率」が上下するというシステムを採用。視聴率が下がってしまうと番組打ち切りでゲームオーバーになってしまうのだ。アドベンチャーゲームとしても異色な「正義の味方」。この見所をディレクター・上永吉岳宏氏にお聞きした。(インタビュー文中敬称略)



いかにヒーローとしてふるまえるかが最大のポイント!

上永吉氏

――最初にゲームのシステムのことからうかがいます。「正義の味方」はヒーローになりきって番組を作っていくという内容であるとお聞きして、番組制作シミュレーションゲームの要素が強いという印象を受けたんですが。

【上永吉】シミュレーションではありません。「リアルタイムアドベンチャー」という方法にのっとって、ストーリーを体験してもらうという内容です。ゲームでは、主題歌があ り、番組が始まって、アイキャッチが入って、CMがある。そして番組後半が始まればボスとの戦いがあって、エンディングがあって、次回予告があるという、ヒーロー番組の流れを再現しています。その中で主人公として行動していく過程が、あたかも番組を制作している感覚にさせてくれる、というわけです。単なる勧善懲悪なヒーロー物のストーリーを体験するのではなく、特撮ヒーロー番組の「主人公」そのものになった体験ができるゲームですね。

――具体的にはどのような内容なんでしょうか?



スクリーンショット

【上永吉】リアルタイムアドベンチャーなので、番組内の時間、30分は刻々と過ぎていきます。その中で、事件がどこで起こるかを街の人から聞き込みし、現場に駆けつけて解決する、というのが基本になりますね。実際の特撮ものドラマと同じように、各話の最初には“どんな怪人が出てきて、どんな事件を起こすのか”を紹介する「トップイベント」というのがあります。それを見れば「このエピソードはこういう怪人が出る。こういう方向性で聞き込みをしよう」という方針を立てられますよね。そこからがリアルタイムアドベンチャーになります。ゲーム内の1秒は、現実世界の1秒。ボケーっとしてても時間は過ぎていって、番組はエンディングを迎えてしまうわけです。

――たとえば第1話だと、「ビッグバンマネー」という怪人が出ます。だから“銀行で事件が起こりそうだ”と推理して行動するわけですか?



番組打ち切り
視聴率が低いと、番組打ち切りになってゲームオーバー。そういえば、現実にも何本かありましたよねぇ

【上永吉】最終的には銀行が絡みますが、その過程で別の場所で事件が起こるかもしれません。画面には「いつ事件が発生するか」というのが常に表示されているんですが、あくまでそれは「何分後に事件が発生する」というアナウンス。だから、どこで起こるのかはわからないわけです。アヤしいと思う場所に行って、イベント発生の時間になっているのに何も起こらないということもあるかもしれませんが、そのときは別の場所で何かが起こっているんです。それを見逃せば、番組の視聴率が大きく下がる。事件が起きなければヒーロー番組として成立しませんからね(笑)

――「視聴率」はどのようにゲームに影響するのですか?



視聴率グラフ

【上永吉】プレイヤーの行動はすべて視聴率に反映されます。言わばこのゲームの絶対的なスコアですね。各話が終わったときに何パーセント取ったかで次の話に進むかどうかが決まるようになっています。どんな行動をしても構いませんけど、次のステージに進めるかは視聴率によるんです。事件解決に向けて行動していると視聴率が微増していき、重要な証言を聞き出せたら視聴率は大きくアップします。もちろんイベントが発生すれば、視聴率はグンと上昇します。



フラグが向こうからやって来るアドベンチャーゲーム

――なぜリアルタイムアドベンチャーにしたんですか?

上永吉氏

【上永吉】“制限時間を決めて、その中で目的を達成する”というのが今の時代の雰囲気に合致していると思ったんですよ。今は遊び道具も場所も沢山ありますから(笑)
 この「正義の味方」は特撮ヒーロー番組を成立させる、しかもヒーローとしてかっこよく活躍して視聴率をできるだけ稼ぐ。そういう命題を制限時間内に達成するゲームになっています。しかし、アドベンチャーゲームではありますが、各話は用意されたイベントをすべて見なくてもクリアできます。設定された「目標視聴率」を上回れば、エンディングまでいけるようになっているゲームです。

――従来のアドベンチャーゲームは、用意されているイベントをすべて見ることで先に進むものでしたが、これは違っているんですね。

【上永吉】そうです。今までの多くのアドベンチャーゲームは基本的に存在しているフラグを全部つぶしていかないと先に進めませんでしたが、「正義の味方」では、フラグが時間とともに流れてくるという形をとっています。物語を進めるフラグがやってくるまでに、できることをしておかないとダメ。できなければフラグはもう無くなってしまう。このゲームでは、フラグ探しに楽しむポイントを置いていません。具体的に言うと、同じ時間にイベントが1ヶ所だけで起こるとは限らない。別々の場所に同時に怪人が現れるということもあります。どっちのイベントを選ぶかは、好みで選んでもらっていい。「正義の味方」はイベントを見るまでの過程をどう楽しむかに重点を置いています。



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