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Just Arks

Just Arks

2001年11月08日 00時00分更新

文● culi

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Just Arks

ジャストシステム

1万5000円(優待価格8000円)

ワープロソフトの「一太郎」や日本語IMEの「ATOK」で知られるジャストシステムが、Java上で動作する一太郎、および表計算ソフト、プレゼンテーションソフトを開発し、11月2日より発売を開始した。ここではそのβ版を用いて、長らく一太郎ユーザーでもあったculi氏が各アプリの使い勝手をズバリ評価する。

ワープロ、表計算ソフト、プレゼンテーションを統合

 1999年12月、ジャストシステムが初めて100%Java言語で開発した「一太郎Ark for Java」を発売してから約2年。ようやくというか、以前から「Choco」と「Muffin」の名でそれぞれテクノロジープレビュー(TP)版を提供していたJava表計算ソフト「CalcArk」(カルカーク)とJavaプレゼンテーションソフト「PrezArk」(プレザーク)を一太郎Arkと組み合わせ、Javaオフィスソフト「Just Arks」として発売する。すでにTP版や9月20日からダウンロード可能になった機能制限付きの「Trial Edition」を試してみた方もいることだろうが、一方で「Javaで動くオフィスソフト? それって何??」という人も少なくないと思うので、β(試用)版を使ってその概要をレビューしていこう。

 ただし、オフィスユーザーにとっては難解なJavaとかXHTMLの技術の話は最低限に控えて、あくまで普通のユーザーにとっての「オフィスソフト」としての使用感などを中心に検証している。

Windowsに加えて、
Linuxにも正式対応したオフィスソフト

画面1
Javaベースなので、Just Arksの各アプリは多少の制限はあるもののマルチリンガルに対応している(Unicodeをサポート)。「ツール-言語・フォントの設定」で使いたい言語の設定をしておけば、同じ文書中での多国語混在も可能。
 Javaといえば、普通はIEなどのWebブラウザ上で動く「Javaアプレット」を連想されるだろう。確かにあれもJava(対応ブラウザに組み込まれたJava VM上)で動作している。だが、このJust Arksは、Javaの開発元サン・マイクロシステムズが提供する「Java 2 Runtime Environment」(JRE)という“OSとアプリケーションの間を仲介するソフト”の上で動作する。言い換えれば、Just Arksの各アプリはブラウザに依存することなく、そのOS上の一般的なアプリと同様に独立して動作する、ということだ。

 つまり、Just ArksはWin32環境(Windows Me/98や2000など)に加えてSolarisやLinuxといったUNIX系OSなど、原理的にはJREのある環境ならどんなOSでも動作できる。もっとも、現在JREが提供されているのはWin32版とLinux(インテルx86 CPU対応)、Solaris(SPARCおよびx86 CPU対応)だけなので、Just Arksの動作が確認されている環境は2001年10月中旬現在で以下のようになっている。



  • Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000とJust Arksに添付のJRE 1.3.1
  • LASER5 Linux 6.2/TurboLinux Workstation日本語版 6.0/Kondara MNU/Linux 2000/Meister Linux Mandrake 7.2と添付のJRE 1.3.1
  • SPARC版Solaris 2.6/7/8と添付のJRE 1.3.1

 上記以外の環境、たとえばIntel版SolarisやLinuxのほかのディストリビューションについては、ユーザー各自の責任で使うことになる。Macintoshと、UNIXの一方の雄であるFreeBSDについては、JREが今のところ提供されていないため動作対象外となるが、FreeBSDでは、インターネット上でユーザーから一太郎Ark(製品版)の動作報告が上がっているので、Just Arksも動作する可能性はある。

画面02
Just Arksの情報が掲載されたArc Site(http://www.justsystem.co.jp/ark/)。動作が確認されたLinuxディストリビューションなどの最新情報はここで入手できる。

 試用版であるため厳密なスピード検証はできないものの、一太郎ArkやCalcArkを実際に使ってみたところでは、同じPC(PentiumIII-933MHz+Windows 2000)でのほかのオフィスソフトの動作と比べて、少なくとも同等かやや軽いという感覚で使用できた。PrezArkは、図版やページ数の多いファイルを読み込むと操作の実行に若干タイムラグが生じるが、これは製品版では改善されるだろう。起動時間も、JRE環境→各アプリという2段階で起動しているわりにはストレスを感じなかった。

 一方、アプリ本体がそれぞれ1~2MB弱、必要に応じて読み込まれるプラグイン(後述)も各数KB~1MB程度と、最近のアプリとしてはきわめて軽量であるにもかかわらず、JREを一緒に起動することでメモリをド~ンと大量消費するので、ほかのオフィスソフトのように複数のアプリを同時起動して使う場合は、256MB以上に増設しておくほうが安心だ(複数起動時の最低必要メモリは128MBとされている)。

画面03
一太郎Ark、CalcArk、PrezArkでそれぞれやや大きめの文書を開くと、あっという間に実メモリの使用量が100MBを超える。ほかに常駐ソフト類があると、搭載メモリ128MBでは厳しい。

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