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サン、エントリーレベル・サーバー『Sun Fire V880』を発表

2001年11月06日 23時22分更新

文● 編集部 田口敏之

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サン・マイクロシステムズ(株)は6日、中小規模の基幹システムやオフィス向けシステムとして、64bitマイクロプロセッサー『UltraSPARC III(ウルトラスパーク スリー)』を最大8個まで搭載可能な、エントリーレベル・サーバーの新モデル『Sun Fire V880(サン ファイア V880)』を、同日から販売すると発表した。出荷開始は11月下旬の予定。価格は548万円から。

『Sun Fire V880』
『Sun Fire V880』

『Sun Fire V880』は、1997年10月に同社が発売したタワー型のワークグループ・サーバー『Sun Enterprise 450(サン エンタープライズ 450)』の上位後継機種となるエントリーレベル・サーバー。

UltraSPARC III-750MHz(8MBの外部キャッシュメモリー付き)を最大8個、メモリーを最大32GB(今後64GBもサポート予定)、ホットスワップ可能なFC-AL(Fibre Channel-Arbitrated Loop)対応の内蔵HDDを12個まで(最大873GB)を搭載可能で、PCIスロットは9スロット備えている。システムインターコネクトにはSun Fireplaneインターコネクトを採用し、システム帯域幅は最大9.6GBとなる。また、電源ユニットを二重化する冗長化電源装置と、冗長化冷却ファントレイが付属する。本体サイズは、幅48.0×奥行き83.6×高さ71.4cmで、重さは最大構成時で130.9kg。

本体向かって右側のカバーを開いたところ。CPU/メモリーボードを増設するスロットがある
本体向かって右側のカバーを開いたところ。CPU/メモリーボードを増設するスロットがある
本体向かって左側の、および正面のカバーを開いたところ。PCIスロットなどがある。正面にはHDDを増設するスペースがある
本体向かって左側の、および正面のカバーを開いたところ。PCIスロットなどがある。正面にはHDDを増設するスペースがある

また同製品では、システムの可用性を高めるRAS機能を強化している。オンラインでホットプラグ・コンポーネントを再構成する“動的再構成機能(DR:Dynamic Reconfiguration)”や、障害が発生したコンポーネントの自動切り離しを行なう“自動システム・リカバリ機能(ASR:Automatic System Recovery)”のほか、リモート操作によるシステム制御機能に対応した、稼働状況を視覚的に把握・監視できるソフトウェア『RSC:Remote System Control 2.1』を利用することで、電源のオン/オフ、日常のシステム監視および、障害発生時の原因確認を行なえる。また本体前面に備え付けられた“システム・コントロールパネル”は、障害が発生した個所をパネルに表示される図とランプで知らせるようになっている。

『RSC』。稼働状況を視覚的に把握できる
『RSC』。稼働状況を視覚的に把握できる
本体正面の“システム・コントロールパネル”。障害が発生した個所を図とランプで知らせる
本体正面のシステム・コントロールパネル。障害が発生した個所を図とランプで知らせる

サン・マイクロシステムズは、企業が当初PCサーバーなどの小型サーバーを導入したとしても、事業拡大などによって、次第に高性能かつ拡張性に富んだ高度なシステムが必要になってくる。しかし、小型サーバーから中・大型サーバーへの移行はコストがかさむ上に、アプリケーションの互換性などの問題も発生することを指摘した。

『Sun Fire V880』は、アプリケーションサーバーなどに最適な、エントリーレベル・サーバーとしての位置付けがなされているが、『Sun Fire V880』は1台で、2CPUから4CPU、4CPUから8CPUというように拡張できるため、ウェブサーバーやデータセンターのデータベースサーバーとしても使用できる可用性を併せ持っているという。

また、負荷に対して動的にシステム資源の割り当てを行なうソフト『Solaris Resource Manager(ソラリス リソース マネージャー)』を使用すれば、1~2CPUを搭載した複数のPCサーバーを1台の『Sun Fire V880』に統合できる。サーバーを統合すれば、トラブルの原因を複数抱える必要がなくなり、管理者の負担も減ってコストの削減につながるという。さらに、ユーザーが使用していた旧モデルやPCサーバーの下取りを行なうサン・マイクロシステムズ・ファイナンス(株)のサービス“Sun UAP アップグレード下取りプログラム”によって、ユーザーの投資保護を行なうとともに、『Sun Fire V880』への移行を促進している。

米サン・マイクロシステムズ社Senior Director of Volume Systems Productsのジョン・デービス氏
米サン・マイクロシステムズ社Senior Director of Volume Systems Productsのジョン・デービス氏

米サン・マイクロシステムズ社Senior Director of Volume Systems Productsのジョン・デービス(John Davis)氏は「『Sun Fire V880』は、企業のビジネスの内容の変化に対応できる、拡張性と可用性を持っている。Sun Fire Vシリーズ最初にして最上位のエントリーレベル・サーバーだ」と述べた。また、サン・マイクロシステムズ取締役製品事業統轄本部長の細井洋一氏は、「『Sun Fire V880』の“V”は、“Vitalise(活気付ける)”という意味もあるが、“Victory(勝利)”という意味で付けている。PCサーバーと価格面でも対抗でき、性能はPCサーバーを凌駕する『Sun Fire V880』は、小型サーバー分野においてPCサーバーを駆逐するだろう」と語った。

サン・マイクロシステムズでは、同製品の出荷開始後1年間で、2000台の販売を見込んでいる。

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