良好な描写性と軽快な使用感
撮影サンプル3。元画像は1600×1200ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。 |
先に述べたように撮影機能は基本的にプログラムオートのみなので、単純に被写体にカメラを向けてシャッターを切るだけの機能しか持っていない。コストはかかるものの、このクラスのデジタルカメラならせめてポートレートと風景だけでもシーン選択が欲しかったところだ。口径の小さいレンズなので大した効果は得られないだろうが、多少でも絞りとシャッターの組み合わせを自分なりの組み合わせで使えれば、初心者にとってより高度な撮影へのステップアップのきっかけになるのではなかろうか。
撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。200万画素化のおかげで遠景撮影時でも解像感の高い画質が得られる。色は濃いめに発色し、特に青空は見た目よりも綺麗に発色する。全体的な色の偏りは少なく、多少の演出が成されている色作りだ。 |
撮影サンプル4。元画像は1600×1208ドットだが、掲載用に640×483ドットにリサイズしている。 |
機能アップが図られたといっても、撮影機能としては最近の高級コンパクトデジタルカメラに比べればさすがに機能が制限されており、割り切った使い方が求められる。気になった点としては、AFが少々遅いうえ動作時にレンズ周りから「ジジッ」とAF駆動音がするのはもう少し機構的なチューンが望まれる。また、C-1と同じプラスチック製のボディは安っぽい感じが否めない。
しかし、小型軽量で動作そのものは軽快、単3型電池2本でも驚くほど長時間(アルカリ乾電池でも丸1日以上)利用でき、気軽に持ち運べるということを考えれば、普段から持ち歩くデジタルカメラとして非常に魅力的だ。
撮影サンプル4の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。逆光時にフレアが出やすい。レンズ内部の乱反射処理がもうひとつといったところだが、質感の低下は少ない。デフォルトのシャープネス設定では圧縮によるエッジ部のノイズの発生は少なく、後処理が行える素質が有る。レタッチ作業をしないのであればシャープネスの設定を強めにかけていたほうが見た感じスッキリする。 |
撮影サンプル5。元画像は1208×1600ドットだが、掲載用に483×640ドットにリサイズしている。 |
撮影サンプル5の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。ミックス光源下でも変に色合いが偏るとこなく、自然な感じだ。低照度時の暗部にノイズが発生しやすいがノイズの粒が小さく、高感度の銀塩フィルムを使ったような感じになる。プリントをしてもさほど気にはならないレベルだ。 |
撮像素子 | 1/2.7インチ有効196万(総214万)画素CCD |
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レンズ | f=5.5mm(35mmフィルムカメラ換算36mm相当)、F2.8 |
記録画素数 | 1600×1208/1600×1200/1024×768/640×480ドット |
記録媒体 | スマートメディア(16MB付属) |
液晶モニタ | 1.5インチTFTカラー液晶(11.4万画素) |
動画記録 | 320×240ドット、15フレーム/秒、最大15秒 |
インターフェイス | USB、DC入力 |
電源 | 単3×2本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池、ニッカド充電池)、リチウム電池パック(CR-V3) |
本体サイズ | 110(W)×35(D)×62(H)mm |
重量 | 165g(本体のみ) |