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ジャストシステム、日本語変換ソフトの最新版『ATOK15 for Windows』を発表――ついに方言に対応!

2001年10月25日 22時26分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)ジャストシステムは25日、日本語変換ソフトの最新版『ATOK15 for Windows』を2002年2月に発売すると発表した。変換エンジンの精度が向上したほか、新たに方言に対応、“話し言葉関西モード”を搭載する。また、Palm OS 4.0に対応した『ATOK for Palm OS 日本語グラフィティ対応版』も同時に発表した。

ATOK15 for Windowsパッケージ『ATOK15 for Windows』のパッケージ

『ATOK15 for Windows』は、日本語変換ソフト『ATOK』の最新版。従来の文書作成時などの標準語入力に適した“一般モード”、口語変換に適した“話し言葉モード”に加え、新たに“話し言葉関西モード”を搭載、大阪や京都、神戸で利用されている関西弁をスムーズに変換できる(詳細は後述)。

また、変換エンジンが強化し、文節区切り判定や同音語判定の精度が向上した。標準辞書や専門用語辞書が最新の時事用語に対応したほか、新たに“挨拶文例辞書”と“記号辞書”を搭載している。ふりがな対応辞書引きソフト“ドクターマウス”の辞書連携による同音語選択支援機能も備えており、変換時にドクターマウスに付属する辞書を自動的に検索し、同音語用例として表示できる。スペルチェック候補の表示中にはその単語の意味も表示する。

ユーザーが入力しようとする単語を予想し、入力途中で単語候補をポップアップ表示する“推測変換”機能も強化し、慣用表現や経済/ビジネス用語、コンピューター/インターネット用語などに対応、最初の数文字を入力するだけで候補をツールチップで表示し、確定できる。推測変換候補を自分であらかじめ登録することも可能。

推測変換1
推測変換のデモ。“青は藍より出でて藍より青し”という言葉を入力する際、“あおはあい”まで入力した時点で、変換候補を示したツールチップが表示される
推測変換2
推測変換の例。慣用表現やビジネス用語などに対応。入力キーストロークを省略できるため、スピーディーで正確な入力が行なえる

さらに、アプリケーション別に変換モードを自動的に切り替える“アプリケーション別設定自動切替”機能を搭載し、例えばワープロソフトでは標準モードで校正支援機能を有効にする、電子メールソフトでは機種依存文字や半角カタカナの利用を制限する、インスタントメッセージツールでは話し言葉モードにする、などATOKのプロパティ設定を自動的に切り替えることが可能。そのほか、入力状況に応じたガイド表示を行なう“ATOKナビゲーション”を搭載する。

また、法人向け機能として、辞書ファイル共有システム“ATOK LAN Extension”を搭載する。ATOK LAN Extensionは、LAN環境内であるユーザーが公開した辞書データを、他のユーザーが取得できるというもの。A氏が辞書配信ツール『辞書ディストリビューター』を利用して自分の辞書データを公開すると、B氏は辞書取得ツール『辞書ゲッター』を利用し、LAN経由でA氏の辞書データを取得できる。

社員名簿の辞書化
例えば社員名簿を辞書化すると、社員の名前を入力した際、変換候補一覧に、名簿に記載されている部署名や肩書き、メールアドレスなどが表示される

各種データベースから単語コメント付きのATOK15辞書を作成できる“ATOK15便利辞書作成ツール”も用意されている。例えばCSV形式の社員名簿データを同ツールで読み込み、ATOK辞書データに変換することで、日本語入力変換時に社員名簿の内容が変換候補として表示される。

このATOK LAN ExtensionとATOK15便利辞書作成ツールを利用することで、社員名簿や顧客名簿、商品リストなど社内データベースを辞書化し、グループ内で共有することが可能となる。

さらに、Excel関数を日本語で検索できる“Excel関数入力支援”機能を搭載する。Excel上で実行したい関数を“今日”“切り捨て”といった日本語で入力すると、その言葉に適した関数の書式や引数、使用例などが表示される。

Excel関数入力支援
Excel関数入力支援機能。例えば“切り捨て”と入力すると、“TRUNC”関数が表示される

ATOK15の対応OSはWindows 98/Me/2000/NT4.0/XP。価格は未定。

なお同社は、ATOK LAN Extensionの大規模ユーザー向けシステムとして『ATOK LAN Extension Enterprise Edition』も開発中という。企業内の基幹業務システムから“自動辞書作成システム”や“自動読み付けシステム”を利用して辞書データを作成、辞書データを搭載したサーバー上で辞書を共有したり、インターネット経由で辞書を配信することが可能という。システム製品として提供される見込み。

本日都内で行なわれた発表会で、同社代表取締役社長の浮川和宣氏は、「ATOK15の目玉は方言対応。これまで日本語入力はビジネス用文書を作成に使われることが多かったが、現在話し言葉そのものを入力するシーンが増えている」

「究極の目標はユーザーひとりひとりに“私の辞書”“私の変換”を提供すること。ブロードバンド時代となり個人がインターネットに常時接続しているとなれば、当社からコア部分を提供しユーザーそれぞれが必要なオプションをダウンロードしたり、辞書そのものをネットワーク上に置き共有するといった利用形態も考えられるだろう。ひとりひとりが満足する環境をATOKで実現したい」としている。

浮川社長
同社の浮川代表取締役社長

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