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ジャストシステム、日本語変換ソフトの最新版『ATOK15 for Windows』を発表――ついに方言に対応!

2001年10月25日 22時26分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ATOKの地域差(方言)への取り組み第1弾として新たに搭載された“話し言葉関西モード”は、大阪や京都、神戸などで使われる“関西弁”をスムーズに変換/入力できるモード。“行かへん”“知らんのん?”“~してはります”“好きやねん”といった関西弁特有の表現を一発変換可能。メールやチャットなど関西弁の話し言葉で入力したい場合に威力を発揮するだろう。

話し言葉関西モード画面
話し言葉関西モードのデモ。関西弁がすらすらと一発変換されていく。これで“何で屋年”(他社製品使用)ともおサラバね!

ATOK15内には、標準辞書と話し言葉辞書、話し言葉関西辞書を搭載しており、変換エンジンで一般モード、話し言葉モード、話し言葉関西モードを切り替えることが可能。話し言葉関西モードの変換エンジンでは、付属語処理を中心とした言い回し部分に関する対応を行ない、例えば“聞かへん”では“聞”“か”“へん”と処理している。また“めっちゃ”や“おもろ(い)”など語彙レベルで対応するものは話し言葉関西辞書で提供する。

同社は、パソコンをはじめ、PDAや携帯電話などさまざまなAV機器にATOKを提供しているが、チャットや携帯電話での日本語入力の利用が増えたため、くだけた話し言葉のような文体の使用が増加し、表現の多様性が求められているという。

表現の多様性には、文体差(話し言葉、書き言葉)、時代差(文語、現代語、トレンド語)、地域差(方言、共通語)、集団差(専門用語、社内用語、若者用語、キャンパス用語等)などがあるが、同社はATOK10より話し言葉優先モードを、ATOK14よりトレンド辞書/専門用語辞書をそれぞれ搭載するなど対応しており、今後は地域差(方言)への取り組みが重要と判断、今回第1弾として関西弁に対応したという。

同社は、関西弁に対応した理由として、使用するユーザー数が多く、ニーズも高かったためとしている。同社に寄せられる方言対応要望のうち大部分が関西弁だったという。また、方言は基本的に音声による話し言葉のため文字化する際の表記法が定まっていないが、関西弁は他の方言と比較して文字化が行ないやすいことも理由のひとつにあげられている。

同社は今後の方言に対する取り組みとして、方言対応地域を九州や中部、東北などに拡大するほか、地域に密着した固有名詞を備えた“ご当地辞書”のサポートも行なうとしている。ご当地辞書は、各地域ごとのランドマークやプレイスポット、店名、商品名などに対応するもので、例えば徳島では“藍場浜公園(公園名)”“あわわ(タウン誌名)”などをサポートするという。

同社はATOK監修委員会のネットワークによる社会言語学や方言学の研究者との連携や、ユーザー参加型の企画実施と支援コミュニティーの育成により、生活密着型の辞書を目指すという。

さらに、使用者が限定されるものの根強いニーズのある“文語”への対応も行ないたいとしている。

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