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LinuxWorld Conference & Demo /Tokyo2001(その6)

LinuxWorld展示会場めぐり──ハードウェア編

2001年10月25日 20時14分更新

文● 阿蘇直樹

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(株)ランス「Lx-Server」

(株)ランスは、独立障害監視システム「KEGON」を搭載したLinuxアプライアンスサーバ「Lx-Server」を出展していた。

「KEGON」システムが動作するようす。起動しているデーモンが液晶に表示されているのがお分かりいただけるだろうか。

「KEGON」は独立したワンボードコンピュータで、実際に稼働しているサーバの状況を監視し、問題が生じた場合にシステムを一時停止させ、問題回復を確認すると「KEGON」が自動的にシステムを再起動する。「KEGON」にはフレームブラウザが搭載されており、Linuxシステムと通信して、LinuxサーバのIPアドレスや設定、サービスの動作状況、CPUやチップセットの温度を取得して本体に搭載された液晶ディスプレイに表示することができる。また、問題発生時には管理者へメールを送信するなどの機能も持つ。トラブルが発生すると、「KEGON」がshutdownコマンドを実行してシステムを終了させ、ハードディスクの切り替えやCPU温度が下がるまで待機するといった問題解決を行ない、ふたたびシステムを起動し、問題を解決する。同社のエンジニアによると、将来的にはSIがこのサーバを設置しに行く際に、コンソールを利用するためのノートPCなどをいっさい用いずに、「KEGON」のディスプレイだけですべての設定を完了させられるレベルの機能を実装したいという。

(株)レクサス「FinalSaver」

(株)レクサスでは、バックアップストレージシステム「Final Saver」を展示していた。

「Final Saver」外観。

「Final Saver」は、SCSI接続のバックアップシステム。ワンボタンでバックアップ、レストア操作が可能だ。スタンバイせずにバックアップをとったり、SCSIハードディスクからの高速なレストアが可能で、ダウンタイムを最小限に押さえることができる。同社によると、RAIDではその場でミラーリングされてしまうので、ウイルスなどによる障害の場合、ミラーリングしているハードディスクも同時に使用できなくなってしまうため、バックアップはどうしても必要になるが、「Final Saver」を使用すれば、テープドライブなどと比べて高速なバックアップとレストアが可能になるという。

(株)AIMCOM「InetBase IT Server」

(株)AIMCOMは、(株)でんさテクノ東京ブースで「InetBase IT Server」とタイムカードを組み合わせたデモを行なっていた。

上にある黒い箱が「InetBase IT Server」。下にあるのがタイムレコーダ。

「InetBase IT Server」はRed Hat Linuxベースのシステムを搭載したアプライアンスサーバ。導入してすぐにWebサーバやメールサーバ、ファイルサーバなどの機能や、Webベースのグループウェア機能を利用することができる。今回のデモでは、ネットワークに直結可能なタイムレコーダにタイムカードを通すと「InetBase IT Server」のタイムカードプログラムに時間が記録されるというもの。担当者によると、「当初はWeb上で時間を入力する形式を考えていたが、そうすると自宅にいてもWebにアクセスして出社したことにできてしまう、といった問題を指摘されたので、タイムカードと連携できるものを用意しました」とのことだ。

PictureIQ「TransForce」

(株)マクニカのブースでは、Webサイトで利用する画像ファイルをコンバートするASPサーバ「TranceForce」を展示していた。

下にあるのが「TranceForce」。上のPCと携帯電話は同じWebサイトにアクセスしているが、それぞれに最適化された画像が出力されている。

「TranceForce」は、PCのWebブラウザだけでなく、携帯電話やPDA、STBなどからのWebサイトへのアクセスに対して、元々の画像をそれぞれのハードウェアに最適化し生成する機能を持つサーバ。レンダリングエンジンにはAdobe Photoshopの技術を利用しており、高品質な出力が可能だという。また、一度アクセスされた画像をキャッシュするキャッシュサーバ機能も搭載している。

(株)東芝「MAGNIA 2000Ri/Anti-Hacker」

(株)東芝が展示していた「MAGNIA 2000Ri/Anti-Hacker」は、Turbolinuxベースのシステムに、不正アクセス防止ソフトウェアを組み込んだアプライアンスサーバ。HTTP、SMTP、DNSなどのファイアウォールを通過するリクエストを、攻撃パターンと照らし合わせ、攻撃パターンと合致する場合にはそのセッションを強制的に遮断することで、ネットワークのセキュリティを高める。

「MAGNICA 2000Ri/Anti-Hacker」

NTTコムウェア(株)「Intelligent Memory Server」

NTTコムウェア(株)は、「Intelligent Memory Server」を参考出品していた。

「Intelligent Memory Server」の外観。実物は非常に大きく感じられた。

「Intelligent Memory Server」は、すべてのプログラムをメモリ上にロードし実行することで、実行速度を高速化したサーバ。CPU、メモリ、PCIスロットをすべてバスに直結し、528MB/sのDMA転送を実現している。現在は1GBのメモリモジュールを32枚搭載した32GBの構成だが、メモリモジュールの容量が大きくなれば、それだけ大容量のシステムを構築することが可能になる。用途としては、大規模なデータベースサーバや科学技術計算用途など、高い処理能力を必要とする分野を想定しているという。

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