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LinuxWorld Conference & Demo /Tokyo2001(その2)

e-Japanは中堅、零細企業にとって福音となるか!? ――日本オラクル代表取締役社長 新宅正明氏基調講演“「e-Japan戦略」を実現するオラクルの役割 ~Linuxの現状と今後の展開~”

2001年10月25日 05時22分更新

文● 吉川大郎

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ブロードバンドをはじめとした変化のほかに大きな存在として紹介されたのが、基調講演のタイトルにもなっているe-Japan構想である。新宅氏は、政府与党スタッフの言として、政府が発表した“すべての仕事をIT化する”というコンセプトが明確に進められていることをその耳で聞き、実感したという。行政サービスのIT化を目指すe-Japanの現場では、「ERP」などの言葉も語られているという。

そして、こうしたシステムのベースになるのはオープンシステムだとした。アーキテクチャが閉じている大手のみに受注が集中せず、“中堅零細のチャンスを広げるには、オープンシステムである”ということになっているのだそうだ。新宅氏は、「この3月まで、ということは言えないが」と前置きしたうえで、国、自治体、市町村から仕事が出てくるとの展望を示した。e-Japanのほとんどは、民間でこなれた技術を採用することになっている。この3年から5年、どのようなコンピテンスを打ち出していくかがキーになるだろうとした。そして、2005年、2010年と5年スパンで考えると、見通しは明るいと考えているという。

新宅氏は、“インターネット”というキーワードは“ブロードバンド”に置き換わるだろうと確信しているという。だから、新しいことを考えるときは、ブロードバンドで考えればよいとした。B2BやB2Cも、今までの“インターネット時代”における制限は、今後どんどんなくなっていくというわけだ。

そして同氏はまた、日本オラクルとLinuxの関係についても語った。新宅氏自身は、LinuxがDBとして使用されるにはもう少し時間がかかると考えていたそうだ。しかし実際には、同社のエンジニアがローカルではLinuxでテストし、顧客のUNIXサーバにネットワーク経由でサポートに出る、といった例も珍しくなくなってきているという。Linuxは過去1年間で伸びた領域であり、今やLinux版でもクラスタやラージメモリへの対応を要求されているという。こうした状況下で、インターネット上のコンテンツを管理するIFSを実装し、アプリケーションサーバと一体となったOracle 9iのLinux版が登場する。

新宅氏は最後に、Linuxをひとつのトリガとし、ブロードバンド、デジタルコンテンツ、e-Japan、などトータルな新しい技術を、「みなさまと一緒に」作っていきたいとして壇を降りた。

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