次世代インターフェイス、USB 2.0ならば
ドライブの性能をフルに発揮
それでは、書き込み速度のベンチマークテスト結果を紹介しよう。PX-S88TUは、USB 1.1とUSB 2.0をサポートしており、インターフェイスの性能の違いが書き込み、読み出し速度にも大きく影響を与える。今回は、他機種との比較だけでなく使用インターフェイスによる違いにも注目していただきたい。
USB 1.1接続時の記録、再生速度については、プレクスターの公表しているスペック表によると「USB 1.1で使用する場合は、その仕様に準拠」となっており、「○倍速」という表記はされていない。USB 1.1接続のCD-RWドライブの場合、他社製品を含めて、8倍速記録にはバッファアンダーラン防止機能が必須となっており、本機でもUSB 1.1接続時に8倍速書き込みを行う場合にはBURN-Proofが必要だ。記録時には非常に頻繁にBURN-Proofが作動するため、書き込みにかかる時間はBURN-Proofなしの8倍速よりも長くなる(BURN-Proofによる一時停止、USB経由でのデータ転送待ちのため)。
USB 1.1接続、BURN-Proof有効の状態で500MBのデータをオンザフライでCD-Rメディアに書き込んだところ所要時間は約622秒。同様のテストをUSB 2.0接続、BURN-Proof無効で行うと、約482秒となった。松下製ポータブルCD-RW「KXL-RW31AN」(8倍速書き込み、USB 1.1接続、JustLink装備)で実行した場合には約560秒で、PX-S88TUを約1分ほど上回っており、USB 1.1接続での書き込み速度はほぼKXL-RW31ANの6倍速書き込み(JustLink無効)に相当するものとなった。BURN-ProofはJustLinkと異なり、1回の書き込み作業中に“何回BURN-Proofが作動したか”がわからないので、作動回数自体を比較することはできないのだが、製造元のシナノケンシによると、「安全性と記録精度を向上させるため、書き込みの一時停止から再開までの時間を通常よりも長めに取っている」とのことで、両機のテスト結果に1分の差がついたのはこのあたりが原因のようだ。
「nero CD Speed 2000」による読み出し速度計測結果のグラフ。緑の線が読み出し速度、黄色の線がメディア回転数となる。本機はCAV読み出しなので、本来メディア回転数は一定になるはずだが、読み出し速度がおよそ6.5倍速で頭打ちになっているため、CD Speed 2000のテスト結果上ではCLV読み出しを行っているように見えてしまっている。 |
PX-S88TUの価格はオープンプライスで、10月半ばの実売価格は2万円台後半。現時点では、USB 2.0インターフェイスを標準搭載したPCはなく、本機のスペックをフルに引き出すには、前ページで挙げたようなUSB 2.0インターフェイスカードが必要になる。Intel製チップセットにUSB 2.0コントローラが内蔵されるのは2002年以降になるとみられており、特に、ポータブルタイプのCD-RWドライブの主な使用環境と想定されるノートPCへの“標準搭載”はまだ先になりそうだ。広く普及するまでに時間がかかりそうなことも考慮すると、USB 2.0インターフェイスカードが5000円~1万円で入手できるので、本機とUSB 2.0インターフェイスとセットで導入し、当面は拡張カード経由で接続するという使い方も、速度面でのメリットも考えるとぜひとも検討したい選択肢だ。
書き込み | 8倍速(CLV) |
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書き換え | 8倍速(CLV) |
読み出し | 24倍速(CAV) |
読み出し(CD-RW) | 10倍速(CAV) |
バッファメモリ | 2MB |
アクセスタイム | 140ms |
インターフェイス | USB 1.1/2.0 |
付属ソフト | B's Recorder GOLD、B's CLiP、PlextorManager2000 |
価格 | オープンプライス |