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(株)テンアートニ、「iPAQ」で動作するLinuxキット「Melon」を発表

2001年10月18日 21時11分更新

文● 編集部

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(株)テンアートニは、コンパックのPDA「iPAQ」に対応したLinuxキット「Melon」を11月1日より販売することを発表した。販売は「Melon Webサイト」を通じて行なわれる。価格は9800円。実際の出荷開始は11月20日になる。

「Melon」のGUI環境「式神」の画面。「式神」では、スケジューラやメモ帳などのPIM機能、ゲーム、ktermなどが利用できる。

「Melon」は「Mobile Embedded Linux ON ××」の大文字の部分をつなぎ合わせた名称で、さまざまなプラットフォームで動作する組み込みLinuxを表わす。今回発表された製品は、handhelds.orgが開発している組み込み向けディストリビューション「Familiar 0.4.1」をベースに、(株)アックスが開発している組み込み向けGUI環境「式神」などを1枚のコンパクトフラッシュ(64MB)にまとめたもの。製品パッケージには、説明書とコンパクトフラッシュカードが含まれる。

「Melon」に含まれるおもなソフトウェアは以下のとおり。

  • ディストリビューション「Familiar 0.4.1」
  • GUI/日本語環境「式神 1.0.1」
  • ブートローダ「CyaCE-YACH」
  • ROMモニタ「RedBoot」

動作対象となるプラットフォームは、(株)コンパックの「iPAQ」シリーズで、以下の2機種。

  • iPAQ Pocket PC H3630
  • iPAQ Pocket PC H3660

「iPAQ」の「ジャケット」にコンパクトフラッシュを差し込んで、Pocket PCのファイルマネージャからコンパクトフラッシュ内のLinuxブートローダを呼び出すことで、Linux環境を利用することができる。従来のPocket PC向けLinux環境は、フラッシュROMを書き換えなければならなかったため、技術的に難しく、またPocket PC環境と共存させることが不可能だったが、「Melon」では既存のPocket PCには手を加えないため、容易にLinux環境を利用することができる。

(株)テンアートニによると、今回の製品では、PDAでのLinux利用を体感することに主眼が置かれているという。そのため、開発環境などは提供されない。今後「Melon Webサイト」上で開発関連情報や「Melon」向けパッチの提供、PDA向けLinux関連情報の提供などを行なうとしている。

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