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ロータス、新戦略を発表――新ブランド名は“Lotus software”

2001年10月11日 16時42分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ロータス(株)11日、同社の最新製品や技術を紹介する“Lotus Forum 2001”を開催、会場内で今後のブランドおよび製品戦略についての記者会見を行なった。

ロータス安田社長
フォーラムで講演するロータス安田社長。ロゴが“Lotus software”に変更されている

ワールドワイドでブランド名を変更

米ロータスは9月10日付け(現地時間)で、ブランド名を“Lotus Software”とするコメントを発表した。これまでロータスは、“IBMの子会社であるロータス”として製品リリースを行なってきたが、ロータスのビジネスについてIBMの一部門としての位置付けが明確化されたため、9月よりロータス製品/サービスはLotus Softwareブランドで提供されている。

米ロータスは、会社名を変更するのではなく、Lotus Softwareというブランド名を前面に出すもので、「中身を変えるのではなく包み紙を変えたに過ぎない」ととしている。

IBMは現在、Lotus、Tivoli、WebSphere、DB2という4つのソフトウェアブランドを持っているが、今後はブランド間の連携を強化し、IBMソフトウェアブランドとしての統一感を出すことで、ユーザーにより良い製品を提供するとしている。

このようなワールドワイドでのブランド戦略を受け、日本でもロゴを“Lotus software”に変更した。しかし日本での事業主体はロータス(株)が行なっているため“ロータス(株)がLotus softwareを発売する”形になるという。

製品展開としては、ノーツ・ドミノ自身を拡張し、次世代最新技術を取り込むことで、ミドルウェアとしてのコラボレイティブインフラという位置付けを明確化するという。さらに、WebSphereとの連携強化、RDBとの連携強化を図り、次期バージョンではXMLをサポートするなどウェブサービス対応も行なうという。

また、ロータスはポータル製品『K-station』を提供していたが、IBMのソフトウェアグループでのポータル製品ブランドが『WebSphere Portal』シリーズに統一されたため、今後はWebSphereとK-stationを組み合わせた新ポータル製品がリリースされるという。新ポータル製品の詳細については来月以降に正式発表される見込み。

今回のブランド戦略について、ロータス(株)代表取締役社長の安田誠氏は、「4つのソフトウェアブランドの連携が強化されたことにより、ロータス製品だけではできなかったことも実現可能になる。引き出しが増えたという意味でポジティブに捉えている」という。

ウェブサービスがキーワード

また、“Lotus Forum 2001”のオープニングでは、“次世代のITインフラストラクチャーを支えるテクノロジーとソリューション”と題し、同社代表取締役社長の安田誠氏が基調講演を行なった。

同氏は、「ITの進化は、計算機としてのコンピューターから始まり、その後コミュニケーションのためにITを利用するようになった。次の世代ではIT自身がビジネスインフラ、生活インフラとなっていくだろう」

「今後のキーワードのひとつは“ユビキタス”。数年後にはiモードがコンピューターに近いものになり、PDAは携帯電話に近いものになるだろう。2つ目のキーワードはマスストレージ。身の回りにさまざまな情報がふんだんに存在するようになったとき、大量データの中から必要な情報を探す技術や、情報を効率的に見せる技術が必要となる。3つ目はポートフォリオ。今後ユーザーは単機能としての製品ではなく、さまざまな機能を統合したサービス全体にフォーカスするようになる」

「ウェブサービスという考えかたがある。ウェブサービスはコンピューター業界全体のトレンドであり、これによりネットワーク上にあるデータに、パソコンやPDA、携帯電話、テレビなどあらゆるものからアクセスでき、データを授受できる」

「言わばMicrosoft.NETも同じものであり、マイクロソフトなりに開発環境を作っていくというのが彼らの戦略。異なる部分は、マイクロソフトは主にOSの機能を使い、現在の開発環境を引き継いで進めているのに対し、IBMやロータスは、OSに依存しないプロトコル、ミドルウェアに機能を組み込んでいく」

「ロータスは、文書や非定型データを処理する技術を持っている。ウェブサービスのバックにあるのは文書処理エンジンや、オブジェクトストアエンジン、各種サービスを組み上げていく技術だ。ロータスは今後、これらコラボレーションインフラストラクチャーの基盤技術を提供していく」と語った。

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