■CPU温度の測定方法とテスト機器
温度センサーをCPUソケットの中央部に配置する |
それでは、各製品の冷却性能を実際に調べてみよう。具体的には、写真のようにCPUの裏面温度を直接測定できるように温度センサーを配置して時間の経過とともに記録した(5月に実施した測定方法と同じ要領である)。また、ファンの回転数と静寂性についても測定した。テストに際して使用した機器の詳細は表にまとめたので参照して欲しい。結果は、次のページに示したが、MC462-Aの威力は特筆できる数値を叩き出している。その一方でPAL8045Uのコストパフォーマンスは決して悪くない印象を持った。逆にSCR325-2Fの冷却理論は評価できるものの2製品の圧倒的質量に対して一歩譲った結果となっている。さて、最後に各製品をテストしている最中実際に体験あるいは感じた事柄をあげておこう。
●SCR325-2Fテスト終了に伴いCPUクーラーを取り外そうとした時、ワンタッチでCPUソケットのラグから取り外せなかった。これは、チョットしたコツ(取扱説明書で記載された反対側のクリップから外す)で対処できる場合もあるが、製品の出荷時期によってはラグにバリが残っていてスムーズに外せないこともあるらしい。バリはプラスチックパーツにツキモノだが、該当製品をお持ちの場合はメーカーのページを参照するといいだろう。
●MC462-A絶縁ワッシャは、スタンドオフが信号ラインを踏む場合に必須だが、可能な限り薄いタイプを使用する |
正直なところCPUクーラー装着に2度失敗した。最初は、スタンドオフを組み付ける際、ナイロンワッシャの厚みに配慮が足りなくて1.5mm厚のワッシャを使用した。結果はご想像通りCPUコアに対するプレッシャーが低下しCPU温度が鰻登り。コアの許容温度限界付近まで到達した(直ちにシャットダウンしたお陰でCPUを破壊せずに済んだが)。2度目の失敗は、「じゃ、スプリングにもう少しプレッシャーを加えよう」とよからぬアイデアが浮かんで即実行。付属品で段付きのナイロンワッシャが余っているので、それをヒートシンク取付スクリューに加えてスプリングのテンションを高めようと言う企みだ。理屈の上では好転するはずであった。しかしそのスクリューを締め込む際に通常より余計に強く押さえ込む必要があり、CPUコアをガリガリと痛めてしまった。結局、薄い絶縁ワッシャを用意して事なきを得たが、このヒートシンクをCPUコアと密着させる仕組みは意外とクリチカルな性質を持った部分であると痛感した。
●PAL8045Uファン固定のために細いドライバーを用意した |
先のMC462-Aで学習したお陰もあってヒートシンクは無難に装着を完了した。ところがファンを取り付ける段階で少々戸惑った。それは、固定スクリューのプラス穴に真上からアプローチするとなるとドライバーのシャフトは直径4mm以内でなければならない。これは、ファンのフレーム越しにドライバーを通して締め込み作業を行おうとした場合であるが、手元の道具箱に頃合いのドライバーがなくて結局ノギス片手にホームセンターまで出かけて調達することになった。まぁ、一般的なドライバーで斜めからアプローチする手段も考えられたが、締め付け加減が曖昧になりがちなのであまり感心とは言えないだろう。
■テスト環境一覧
マザーボード製品名 | EPoX EP-8K7A |
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CPU | Athlon-1.2GHz(266) |
コア電圧 | 1.80V |
CPU倍率 | 9倍 |
FSB設定クロック | 150MHz |
CPUクロック | 1.35GHz |
DDR電圧 | 2.6V |
メモリースペック | PC2100 CL=2.5 128MB (Crucial Technology製) |
OS | Windows Me |
ビデオ | ELSA GLADIAC ULTRA(GeForce2Ultra DDR64MB) |
HDD | Seagate Barracuda ATA IV 60GB |
ベンチマークテスト | Superπ(1677万桁) |