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ロケットサイエンス、マークダウン最適化ソリューションの提供を開始

2001年10月04日 09時45分更新

文● 編集部 中西祥智

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(株)ロケットサイエンスは3日、記者説明会を開催し、同日提供を開始したマークダウン(Mark Down:販売価格引き下げ)を最適化するソリューション“The Spotlight Markdown Optimizer(マークダウン・オプティマイザー:MDO)”についての説明を行なった。

ロケットサイエンス大島誠代表取締役社長
ロケットサイエンス大島誠代表取締役社長

MDOは、米Spotlight Solutions(スポットライト・ソリューションズ)社が開発したソリューション。過去のデータや現在の市場のデマンド、売り上げ実績や在庫データから、最適なマークダウンの時期・引き下げる価格の割合を算出する。米サンタクララ大学で研究されていた数学的アルゴリズムを用いたモデルを基にしており、米国では現在、パイロット利用も含めて6社がMDOを採用している。

マークダウン最適化ソリューションの数学モデル
マークダウン最適化ソリューションの数学モデル

ロケットサイエンスは6月23日にSpotlight Solutionsと業務提携を結び、日本・アジアでの販売および導入権を取得した。同社は成功報酬によって収益を挙げる。たとえば、同社のソリューションを導入した企業の利益が15億円増加した場合、そのうちの10%の1億5000万円を報酬として得る。

大島誠代表取締役社長は、MDOによってマークダウンが最適化され、最適な価格と最適なタイミングによって高い粗利と消化率が確保できると説明する。また、マークダウンに関わるコストとして、たとえば値札の付け変えにかかるコストは1回につき14セントで、マークダウン回数を最適化することによってそれらを削減できる。大島氏は40%以上の人件費の削減効果があるとしている。

また、マークダウンについて、大島氏は小売業の立場から、また消費者の立場からのメリット、デメリットを列挙した。たとえば、9割り引きの在庫一掃セールを行なった大手小売店の場合、予想以上の反響でセール開始初日で対象商品の在庫を販売してしまった。小売店は在庫一掃、消費者にとっては破格での商品購入といったメリットがある。だが、小売店にとっては大幅な損失の計上、消費者には購入できなかった人もいた。はたして9割り引きが妥当だったかどうか。大島氏は、最適なタイミングで最適な価格に値下げすることが重要だと、繰り返し主張した。

損益計算書
損益計算書。荒利高8.6%の向上

MDOは、現在はWindows NT ServerおよびSQL Server上で動作する。マシンスペックは、中程度のサーバーで十分だという。大島氏は年内に次のバーションをリリースしたいとし、次バージョンは100%Javaでプラットフォームを選ばず動作する。ERPなどの基幹系とのデータのやり取りについても、XMLを用いて自動的に行なえるように、また週単位でデータを更新しているのを業種によっては日単位で行なうことも、大島氏によると検討しているという。

同社は今後、初年度のパイロット導入1社、2003年度には10社の導入、2005年度にはシェア12%、売り上げ高28億円を目指すとしている。

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