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インテル、“こんなPentium 4 マシンが欲しい”アイデア・コンテスト――椅子型パソコン『チェアPC』が最優秀賞

2001年09月27日 21時02分更新

文● 編集部 田口敏之

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インテル(株)は26日、25日から同社が開催している“Intel Developer Forum 2001 Japan”において、“こんなPentium 4マシンが欲しい”アイデア・コンテストの最終選考会と表彰式を行なった。

このコンテストは、『月刊アスキー』((株)アスキー)、『DOS/V POWER REPORT』((株)インプレス)、『DOS/V Magazine』(ソフトバンク・パブリッシング(株))、『日経WinPC』((株)日経BP)、『PCfan』((株)毎日コミュニケーションズ)の各編集部が協賛し行なわれたもの。各編集部から書類選考を経て1名ずつ選出された合計5名の挑戦者が、応募したアイデアを基に、インテルの『Pentium 4-2GHz』を使用して実際にパソコンを製作し、最終選考会においてそのアイデアとデザインを競った。

最終選考会は、インテル・アーキテクチャ技術本部長の阿部剛士氏を審査委員長に、各編集部の編集長5名を加えた、合計6名の審査員が審査した。審査は、利用方法のユニーク度、楽しさ、便利度を評価する“アイデア部門”と、外観の面白さ、ユニーク度、完成度を評価する“デザイン部門”の2部門で行なわれた。その審査の結果、両部門総合での最高得点を獲得したDOS/V Magazine代表、境茂昭氏の『チェアPC』が最優秀賞を受賞した。

最優秀賞を受賞した『チェアPC』
最優秀賞を受賞した『チェアPC』
境茂昭氏(右)と、インテル代表取締役ジョン・アントン氏(左)境茂昭氏(右)と、インテル代表取締役ジョン・アントン氏(左)

『チェアPC』は、パソコンの主要構成ユニットをオフィスチェアの座面下や背面に設けた省スペースパソコン。ディスプレーにはHMD(ヘッドマウントディスプレー)を採用し、ハンドルやペダルといったゲーム用デバイスも備えているためにホビーユースにも使えるという。

椅子の背面に備え付けられた、基板を収めたケースを開いた様子。ケーブルなどの接続はすべてハンダ付けで行なったという。CPUファンに取り付けてあるビールの缶は、放熱器の役目を果たしている。「発泡酒の缶だと安っぽいですね。エビスの缶にすればよかった」と境氏
椅子の背面に備え付けられた、基板を収めたケースを開いた様子。ケーブルなどの接続はすべてハンダ付けで行なったという。CPUファンに取り付けてあるビールの缶は、放熱器の役目を果たしている。「発泡酒の缶だと安っぽいですね。エビスの缶にすればよかった」と境氏

境氏が語ったところによれば、『チェアPC』を製作する際、基板部分などの製作は着々と進んでいったが、ちょうどいい大きさの椅子が見つからず、最も苦労したのは椅子探しであったという。また製作は、氏の自宅の6畳と8畳の2部屋を占拠して行なわれ、ご家族には「お父さんの趣味だから仕方ない」と、なかば呆れられたという。

座る時には、前面の机と、ペダルを備え付けてある脚置きが前にスライドする。雰囲気を出すために、シートベルトも付けてみたのだという
座る時には、前面の机と、ペダルを備え付けてある脚置きが前にスライドする。雰囲気を出すために、シートベルトも付けてみたのだという
ヘッドマウントディスプレーを装着し、完了。「ここまで来ると道化ですね」と境氏
ヘッドマウントディスプレーを装着し、完了。「ここまで来ると道化ですね」と境氏

なお最優秀賞の賞品として、インテルは境氏を“Intel Developer Forum 2002 Spring”に招待する。

アイデア賞、デザイン賞

アイデア賞は、日経WinPC代表の犬丸和一氏による、『フライトシミュレータ特化型PC』に贈られた。

アイデア賞を受賞した『フライトシミュレータ特化型PC』と犬丸氏
アイデア賞を受賞した『フライトシミュレータ特化型PC』と犬丸氏”

この作品は、これまでマルチディスプレー環境下で満足に動かすことができなかったフライトシミュレーション系ソフトウェアを、Pentium 4-2GHzにより快適に動作させることを可能にしたという、フライトシミュレーター専用パソコン。3台のディスプレーにゲーム画面がリアルタイムで描画されていく様子が楽しめた。

『フライトシミュレータ特化型PC』で遊ぶインテルのe-マーケティング本部本部長のマイク・トレイナー氏
『フライトシミュレータ特化型PC』で遊ぶインテルのe-マーケティング本部本部長のマイク・トレイナー氏

デザイン賞は、DOS/V POWER REPORT代表の高塩竜太氏による、『アルミテラピー1号』に贈られた。

巨大なヒートシンク型の外見を持つ『アルミテラピー1号』と高塩氏
巨大なヒートシンク型の外見を持つ『アルミテラピー1号』と高塩氏

この作品は、「Pentium 4プロセッサにふさわしい、人々が見ただけで高性能だと分かるマシンケースを」というコンセプトのもと、速さと高性能の象徴であるヒートシンクを、アルミ切削加工で身にまとっているというパソコン。総重量は40kgを超えており、高塩氏によれば「組み立てている間だけで、腰をやられた」のだという。

カバーを閉めた状態の本体。サイドカバー中央に備え付けられた巨大なファンが目を引く。巨大なヒートシンクのようだが、実際のところ放熱効果があるわけではない。前面には、温度計が備え付けてある
カバーを閉めた状態の本体。サイドカバーカバー中央に備え付けられた巨大なファンが目を引く。巨大なヒートシンクのようだが、実際のところ放熱効果があるわけではない。前面には、温度計が備え付けてある

入選2作品

また惜しくも受賞は逃してしまったものの、最終選考まで残ったのがPC fan代表の伊藤文之氏による『GeneratorEX』と、月刊アスキー代表の松木公二氏による『パルテノンドリーム』である。

『GeneratorEX』
『GeneratorEX』

『GeneratorEX』は、「デジタルビデオカメラで撮影した孫の姿を田舎の両親に見せたい」という思いを実現するために製作した動画編集パソコン。Pentium 4の性能を最大限生かした動画の編集が行なえ、CD-RやMOなど、さまざまな媒体への記録も可能にしているという。

『パルテノンドリーム』と、松木公二氏
『パルテノンドリーム』と、松木公二氏

『パルテノンドリーム』は、デジタルビデオ編集やDVDビデオの作成、ホームシアターの構築、TVの視聴や録画、ブロードバンドコンテンツの閲覧、DTPと、仕事から趣味までこなせるマルチメディアパソコン。松木氏によれば「これまでPentium IIIは、安定性に欠けているところがあった。今回はPentium 4を使用し、徹底的に安定性に重きをおいて設計した」ということだった。

これらの作品についての詳細な仕様およびスペックは、製作者へのインタビューとともに、10月3日からインテルのホームページに掲載される予定。

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