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カテナ情報通信とアドテックス、インターネット音声通話サービス“WebContact”を開始

2001年09月27日 02時36分更新

文● 編集部 田口敏之

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カテナ情報通信(株)と(株)アドテックスは26日、ウェブサイトやeコマースサイトなどを運営する企業・組織が、コールセンターなどに利用できる、インターネット音声通話(VoIP)サービスをASPで提供する“WebContact”を開始したと発表した。併せて、“WebContact”の販売代理店の募集も開始した。

アドテックス取締役ネットビジネス事業本部長黒瀬克也氏
アドテックス取締役ネットビジネス事業本部長黒瀬克也氏

記者発表会において、アドテックス取締役ネットビジネス事業本部長の黒瀬氏は、「アドテックスは設立してから9年間、ストレージやRAIDの販売から、ISPとしてサーバーのハウジング、ホスティングなどを行なってきた。そのため単なるサーバーやHDDの箱売りを行なっているプロバイダーという印象があるかもしれないが、このサービスによってアドテックスを、より付加価値のあるソリューションプロバイダーとして成長させていきたい」と述べた。 “WebContact”においては、アドテックスがサーバーの構築、運営を担当し、カテナ情報通信がASPサービス“WebContact”の販売を担当する。また、このサービスのノウハウを生かして、VoIPのサーバーソリューションの構築、ホスティング、ハウジングといったソリューション販売も併せて行なっていくという。

“WebConect”の音声通話のソフトウェア技術には、(株)ソフトフロントのVoIPエンジン“KISARA Contact(キサラコンタクト)”を採用している。ソフトフロントは、(株)シリコンコンテンツと(株)ソフトフロントが、ニフティ(株)のインターネット総合サービス“@nifty”上で提供しているインターネット電話サービス“ビットアリーナ”(BitArena)にもVoIPエンジンを提供しており、“KISARA Contact”はその最新版となる。採用した理由については「音声通話時のタイムラグが少なく、音声通話エンジンとして世界最高の性能を誇っている」ということだった。このエンジンを使用したASPは、日本では“WebContact”が初めてであるという。

“WebContact”は、具体的にはウェブサイトにアクセスしたユーザーが、ウェブページ上の“KISARA”バナーをクリックすると、自動的に音声通話に必要なソフトウェアがユーザーのパソコンにインストールされ、サイトの運営側が用意したオペレーターと、マイクとスピーカーを使って直に音声通話でコンタクトが取れるというもの。なお、ユーザーの利用は無料となっている。

ウェブページ上に貼り付ける“KISARA”バナーウェブページ上に貼り付ける“KISARA”バナー

音声通話を補助するために、オペレーターは(株)オーサスのアプリケーションを使用する。使用できる機能としては、通話を行ないながら、オペレーターが用意したURLをユーザーに提示できる“コマーシャルページ”機能、ウェブページを同期させ、ユーザーが見たいページへとユーザーを誘導し、さらにオペレーターがフォームへの記入も代行できるという“コンテンツコントロール”機能、そしてユーザーとオペレーターとが双方向にファイルやプログラムを転送できる“e-Chute(イーシュート)”機能などを備えている。

こういった音声通話でのコンタクトによって、ウェブサイトからの会員募集等を対話によって勧めることによる加入の促進や、車や絵画など付加価値の高い商品を取り扱うショッピングサイトで、対面販売に近い商品説明ができるなど、これまでにないBtoCコミュニケーションが可能となるという。

また一般ユーザーだけでなく、企業向けにも“e-Chute”を利用するなどして、技術サポートのコンサルティングを行なったり、モバイルパソコンを利用した遠隔プレゼンテーションを行なうなどといった、BtoBでの利用も視野に入れているという。

ウェブサイト運営者が同サービスを利用するためには、まず“WebContact”のサービスに申し込み、接続IDを取得する。契約料金は、音声通話を行なうウェブオペレーター1人あたりを1契約単位として、月額の課金が発生する。

料金は、通話の頻度に応じて3つのサービスグレードによってそれぞれ設定されている。1日に1時間程度の利用を見込んだ回線を提供する“エントリーグレード”が、1契約単位あたり月額3万3000円。1日に3時間程度の利用を見込んだ回線を提供する“スタンダード”が1契約単位あたり月額6万円。常時接続可能な回線を提供する“プロフェッショナル”が1契約単位あたり月額10万円となっている。またこのほかに、加入時登録料金として、オペレーターの使用する受信端末1つにつき6万円が必要となる。また、オプションとして通信利用明細を参照することができる“通信ログサービス”も、1端末あたり2万円で提供する。

このほか、運営者はオペレーター端末として、Windows 98以降のOSをインストールした、Pentium III-500MHz以上のパソコンと、ADSLなどによるインターネットへの常時接続回線を用意する必要がある。

カテナ情報通信取締役川上秀樹氏
カテナ情報通信取締役川上秀樹氏

顧客ターゲットとしては、小規模のコールセンターなどを見込んでいるという。目標として、カテナ情報通信取締役の川上秀樹氏は、「初年度、500オペレーターを目指す」と述べ、また「“WebContact”は現在商標申請中で、2002年には商標として登録される」ということだった。

同サービスの発展型として、大規模なコールセンターの使用にも耐えられるよう、現在バージョンアップ版も製作中だという。次のバージョンでは、インターネット回線から通常の電話回線に接続できるようになり、さらにそこからサービスを拡充してゆく予定があるという。

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