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シャープ、1ビットホームシアターシステム“Auvi”を発売――新1ビットアンプ技術も開発

2001年09月25日 17時41分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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シャープ(株)は25日、ホームシアター市場に参入すると発表、第1弾製品として、同社が独自開発した“1ビットデジタルアンプ”を搭載した1ビットシアターシステム“Auvi(アウビィ)”『SD-AT100』を11月19日に発売する。価格は12万円。

1ビットシアターシステムSD-AT100
1ビットシアターシステム“Auvi(アウビィ)”『SD-AT100』(液晶TVを除く)。薄型でコンパクトなデザイン。奥行きが11.5cmのため、液晶TVと同じスペースに設置可能

液晶TVと1ビットアンプによる新ホームシアターシステム

同社は、液晶TVと1ビットデジタルアンプを組み合わせた次世代ホームシアターを提案、映画館にいるかのような環境を家庭内に再現する“本格的スーパーシアターシステム”、普及型の“オールインワンシアターシステム”、オールインワンシアターシステムに液晶TVを組み合わせた“AQUOS 1ビットシアター”の3カテゴリーでホームシアター向け製品の群展開を図るという。

今回発表されたSD-AT100は、オールインワンシアターシステムの第1弾製品。約2.8MHz(1秒間に282万2400回)のサンプリングで1ビットのデジタル信号を増幅することで、高品位の音を再現できる“1ビット5.1chデジタルアンプ”を採用、DVDビデオプレーヤーと5.1チャンネルの1ビットデジタルアンプを一体化して本体に搭載しており、映画や音楽を臨場感のあるサウンドで楽しめる。

また、音声を低圧縮できるDTSデコーダーや、5.1chのBSデジタル番組を再現できるAACデコーダー、2chステレオ音声を5.1chに拡張できるドルビープロロジックIIデコーダーなど各種デコーダーを搭載するほか、2chのドルビーバーチャルサラウンド機能も備えている。

実用最大出力は、フロント25W+25W、センター25W、サラウンド25W+25W、サブウーハー25Wの計150W(25W×6ch)。入力端子はデジタル入力が光×1、アナログ入力がピンジャック(L/R)×1。出力端子は、デジタル出力が光×1、アナログ出力がピンジャック(L/R)×1(VTR)、スピーカー出力が4Ω(ソケットタイプ、6ch)、サブウーハー出力がピンジャック(モノラル)×1、ヘッドホン出力がステレオミニジャック×1。

ビデオ入力がS端子、ピンジャック各2系統(BSチューナー/VTR)。映像出力がD1端子(1系統DVD出力のみ)、S端子、ピンジャック各1系統。ビデオ出力がS端子、ピンジャック各1系統(VTR)。本体サイズは幅45×奥行き11.5×高さ15.2cm、重量4.6kg。消費電力は75W。

スーパーシアター向けの新1ビットアンプ技術も開発

また同社は、スーパーシアター向けに1ビットデジタルアンプ技術を進化させ、サンプリング速度を従来の2.8MHzから5.6MHz(1秒間に564万4800回)に高めた“5.6MHz1ビットデジタルアンプ技術”を開発したと発表した。同技術により、2.8MHzよりさらに高音質の再生が可能という。

5.6MHz1ビットデジタルアンプ技術を実現するにあたって、同社は5.6MHzスイッチング制御を行なう“5.6MHz1ビットデジタルアンプ信号生成回路(LSI)”を開発したほか、150W+150W(8Ω)/200W+200W(4Ω)の大出力化を図っている。

また、マルチチャンネル再生を実現するため、1ビット信号に最適化した制御方式の電子ボリュームを制御する回路“1ビット信号専用の高精度波高値制御/ボリュームコントロール”と、2チャンネル/ステレオ再生時のハイファイオーディオ再生性能と、マルチチャンネル/シアター再生時の音場再生性能を最適化するアーキテクチャー“1ビット信号による機器間接続とボリューム制御情報の並列伝送”を採用したという。

さらに同社は、マルチチャンネル音声をより高音質に再生できる“1ビットフルデジタルマルチチャンネル再生システム”を開発したと発表した。

マルチチャンネル再生システム
“1ビットフルデジタルマルチチャンネル再生システム”。右側の上にある機器がマルチチャンネルコントロールセンター、下にある機器がDVD/SACDプレーヤー。左側の4台が1ビットデジタルアンプ

同再生システムは、DVDビデオやDVDオーディオ、SACDマルチチャンネル、CD、ビデオCDが再生可能なプレーヤー“DVD/SACDマルチディスクプレーヤー”、最大8ch(7.1ch)の1ビットアンプをコントロールできるコントロールアンプ“マルチチャンネルコントロールセンター”、1ビットデジタルアンプで構成されており、専用ケーブルを通じてこれらの機器が相互に認識し合った時のみ1ビット信号が出力される仕組みとなっている。

同再生システムにより、ソフトに記録されたデジタル信号からスピーカーの直前までをフルデジタルで伝送するマルチチャンネル再生が可能という。

本日行なわれた発表会で、濱野氏は「1ビットアンプは透明感のある音を再生でき、高品位なサウンドを楽しめる。さらに多くのユーザーに楽しんでもらべく、新たにホームシアター分野に参入し、1ビットアンプを活用したホームシアターシステムを提案する。現在ディスプレー分野は液晶TVを中心に展開しているが、オーディオ分野では1ビットアンプを中心に高品位なサウンドを提供していく。液晶TV『AQUOS』と1ビットアンプを組み合わせた商品群を発売したい」と説明、同社は今後、ポータブル製品から液晶TVまで、音の出る製品すべてに1ビットアンプを搭載するべく取り組んでいくという。

シャープ濱野常務取締役
常務取締役AVシステム事業本部長の濱野稔重氏

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