このページの本文へ

山手線を貸しきり!!――PS2用ゲーム『THE 山手線~Train Simulator Real』発売記念列車出発進行

2001年09月17日 18時05分更新

文● 編集部 中西祥智

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントは16日、同社のPS2用トレインシミュレーター『THE 山手線~Train Simulator Real』の発売に合わせて、特別列車“THE山手線号”を運行した。

“THE山手線号”“THE山手線号”

THE山の手線号は、東日本旅客鉄道(株)の山手線を走る“205系”列車を1編成借りきって、大崎駅から山手線を外回り1周、約1時間の行程を走行した。途中、渋谷駅などのいくつかの駅には停車せず、また停車した駅でも乗降車は行なえない。車内にはTrain Simulatorの試遊台を設置し、また1両に付き2台のプラズマディスプレーが並べられた。ディスプレーには、トークショウの様子や運転台、先頭車両に設置したカメラの映像が映し出された。乗車したのは、応募者の中から抽選で選ばれた招待客と報道陣の、合わせて100人以上。

参加者の列
JR東日本大崎駅に集まった参加者の列
乗車券をもらう
招待券と引き換えに、記念乗車券をもらう

THE山手線号には、Train Simulatorを開発したフュージョンバンド“カシオペア”のキーボーディスト、向谷実氏も乗車した。列車は、向谷氏の合図で参加者全員が「出発進行」(※1)と唱和すると同時に、大崎駅をあとにした。

※1 もっとも、向谷氏によると、実際の山手線の運転手が列車を発進する際に、「出発進行」と言うことはないという。

出発進行
みんなで「出発進行! 」。当然のごとく、指で前方を確認する

走り出した車内では、向谷氏とかつて山手線の運転士であった松本隆氏らによるトークイベントが開催された。向谷氏は今回のTrain Simulatorについて「私たちにはのぞく事しかできないこのガラスの先(運転室)を、表現したかった」と語った。また、松本氏がTrain Simulatorのリアルさを賞賛し、「運転士のヒヨコたちが練習に使えば」いいと語ったのに、向谷氏は「JR東日本に大量に買ってもらえるならうれしい」と応じた。

トークショー
トークショー。左からTBSの鈴木順アナウンサー、向谷実氏、山手線の運転士だった松本隆氏
車内のディスプレー
トークショーの模様は、車内のディスプレーでも見ることができた

向谷氏は今回のTrain Simuatorについて、もっとも楽しんでいるのは自分だとし、「ほかの電車に追い越される時のモーターの音がたまらない。もし、M車(モーターを搭載した動力車)なのにM音がしなければ、違和感がある」「踏み切りを通過する時は、ちゃんとドップラー効果によって音が変わる」など、細かい部分にまでこだわって作ったことを力説した。

前方の映像
前方の映像。実際の映像だが、Train Simulatorのようだ
運転士の手元の映像
運転士の手元の映像。普段はまず見ることができない

列車は渋谷駅など、ほとんどの駅を通過し、新宿駅などには停車はしてもドアは開かず、ホームで列車を待つ客たちは、複雑な表情で列車を見つめていた。「一般のお客さん、ごめんなさい(向谷氏)」。参加者には、事前に山手線に関するクイズを列挙した問題用紙が配られた。車内の何ヵ所かに、そのクイズについてのヒントがあり、また通過駅に正解がある問題もあり、参加者は全問正解目指して、車内を歩き回った。

渋谷駅通過
渋谷駅を通過。山手線に快速はないのだが

車内に置かれた試遊台では、参加者が実際にTrain Simulatorを体験した。参加者の1人は「実際に電車の中で、Train Simulatorを楽しめるとは、すごい体験だ」と興奮した表情で語った。4歳の男の子は、Train Simulatorで遊びながら「将来運転士になりたい」と話した。

試遊台のある車両は、大変な混雑だった
試遊台のある車両は、大変な混雑だった
将来運転士になりたい
鋭いまなざしの中島草太君(4歳)。将来何になりたい?「電車の運転士になりたい」。このゲーム楽しい?「『電車でGO!』よりかんたん」

松本氏は、Train Simulator Realについて、「難しい」と語った。「実際の運転では、Gを体感することで、ある程度加減速や速度がわかる。ゲームではさすがにそうはいかない」ことが、難しい点だという。運転士の試験では、計器板を隠して電車を走行させ、体感で時速何kmで走っているかを当てるテストがあり、時速5kmも違えば失格になるそうだ。また、松本氏によると、運転士仲間でTrain Simulatorをプレーすることもあるとのこと。

山手線の元運転士、松本隆氏
山手線の元運転士、松本隆氏

向谷氏は、「PS2用のゲームでCGを使ったものは多いが、実写を使ったものはほとんどない」とし、「リアルをそのままコンテンツにしたものを、作っていきたい」と語った。向谷氏は試遊台で見事な運転の腕を披露したが、「ゆれる車内でTrain Simulatorをプレーしたので、ちょっと酔ってしまった」と言って周囲を笑わせた。

向谷実氏
向谷実氏

THE山手線号は、1時間の走行の後、終点である大崎駅に到着した。THE 山手線~Train Simulator Realは、10月4日に発売する。

看板を掲げるスタッフ
駅のホームを通過するたびに、スタッフがTrain Simulatorの看板を掲げた
皆さん買って下さい
THE 山手線~Train Simulator Realは10月4日発売です。皆さん買って下さい

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン