このページの本文へ

ウェブゲイン、Java開発ツール『VisualCafe』の新バージョンを発表

2001年09月14日 20時03分更新

文● 編集部 中西祥智

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ウェブゲインジャパン(株)は13日、Java開発ツール『WebGain VisualCafe 4.5』および統合開発環境『WebGain Studio 4.5』を発表した。

『WebGain VisualCafe 4.5』
『WebGain VisualCafe 4.5』

同社代表取締役社長の湯本敏久氏は、同日開催した記者発表会で、アプリケーションの開発にはインターフェースや、トランザクションの処理などのインフラ部分に80%近い労力が割かれ、アプリケーション本来の機能の開発には20%程度しか注力できていない現状を説明した。そして、同社の提供する開発環境および連動するアプリケーションサーバーによって、その比率が逆転し、本来のアプリケーションの機能そのものの開発に専念できるとしている。また、湯本社長は「オブジェクト志向というものを、多くの開発者が本当に理解しているか疑問」だと語った。

代表取締役社長の湯本敏久氏代表取締役社長の湯本敏久氏

今回のVisalCafé 4.5は、JSP(JavaServer Page)のデバッグ機能を強化している。これは、湯本社長によると「現在のJava環境の40%はJSPで、30%はServletで、20%がEJB(Enterprise JavaBeans)」という調査結果に基づくものだという。JSPはHTMLとServletで構成されるが、Servletのデバッグは行なえても、HTMLにServletを埋め込んだ状態でデバッグできるツールがほとんどなく、開発者から要望されていたという。

VisualCafeは、JDK1.3、EJB1.1、Servlet2.2をサポートする。また、アプリケーションサーバーのWebLogic Server5.1/6.0に対応し、同サーバーのスタート・ストップをVisualCafeから透過的に制御できるという。VisualCafeには『Expert Edition』と企業向けの『Enterprise Edition』があり、価格はそれぞれ15万6000円と46万8000円。

統合開発環境『WebGain Studio 4.5』は、VisualCafe Enterprise EditionとUML(Unified Modeling Language)デザインツール『WebGain StructureBuilder 4.5-J』、Javaのソースコードチェッカー『WebGain Quality Analyzer 2.1-J』、JavaとRDB(Relational Database)の間を仲介するマッピングツール『WebGain TopLink 3.5』などで構成される。

StructureBuilder
StructureBuilder

StructureBuilderは、クラス図やアクティビティー図、ステートチャート図など5種類のダイヤグラムやチャートを自動的にJavaコードに変換するUMLデザインツール。ほかのツールで作成したクラス図などを、XML経由でインポートすることも可能。UMLとJavaコードはリンクしており、一方を変更すればもう一方も自動的に変更される。JavaコードからUMLを生成することも可能で、湯本社長によると「コードを記述したあと、相関関係を分かりやすくするために、UMLに変換する」ということも可能だという。

Quality Analyzerは、コンパイル前のソースコードのエラーを検出するツール。湯本社長は「今でもソースコードを人間がチェックしている」企業も多く、そういった企業に提供し、「社内で作成したプログラムの、クラス名などをすべてそろえるためのツール」としても利用できるとしている。

Quality Analyzer
Quality Analyzer

また、TopLinkはJavaアプリケーションとRDBの間で、情報のやり取りを仲介するツール。Javaアプリケーションからデータベースにアクセスする場合、湯本社長によると「オブジェクトモデルとリレーショナルモデルは、そもそも相容れない」ため、開発者はそのためのアプリケーションを作成しなければならなかった。TopLinkを利用すれば、Javaとデータベースのカラムをマッピングすればよく、SQLの記述は必要ないという。

WebGain Studio 4.5にはTopLinkを含まない『Standard Edition』と、TopLinkを同梱する『Professional Edition』があり、価格はそれぞれ78万円と141万円。なお、前バーションの『WebGain Studio 4.1』および『WebGain VisualCafe 4.1』の保守契約ユーザーに対しては、4.5を無償で提供する。

湯本社長は、WebGain Studioとボーランド(株)のJava開発環境『JBuilder』の違いについて、「ツールとしては、大差ない」としている。では、どこで差別化を図るのかというと、上流部分と下流部分、つまり、Javaのコードを生成する前のUMLとの相互変換と、コード生成後のTopLinkによるデータベースとの親和性が、JBuilderとの違いだという。

同社は、VisualCafe およびWebGain Studioを、販売代理店経由で、おもに企業向けに提供していくという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン