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マイクロソフト、家庭向けソフト/ハードを一斉発表

2001年09月10日 22時48分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は10日、今秋発売する家庭向け製品の内覧会を開催、はがき作成ソフトやデジタル画像処理ソフト、資産管理ソフト、キーボード、マウスの新製品を紹介した。

はがき作成ソフトの最新版とテンプレート集を10月に発売

同社はまず、はがき作成ソフトの最新版『Microsoft はがきスタジオ Version 2002』、および同社としては新たな製品カテゴリーとなるOffice用テンプレート集『Microsoft Office テンプレート パッケージ Version 2002』を正式発表した。

はがスタCD-ROM『Microsoft はがきスタジオ Version 2002』CD-ROM版のパッケージ
はがスタDVD-ROM『Microsoft はがきスタジオ Version 2002』DVD-ROM版のパッケージ

はがきスタジオ 2002は、従来の製品コンセプト“速い、簡単、美しい”に、“つまづかない”という新コンセプトが加えられた。初心者は最初に利用するソフトがはがき作成ソフトだという人が多く、はがき作成ソフトでつまづくと、WordやExcelなど他のソフトを利用しなくなるのではという危惧があるため、初心者でも容易に使えるように操作性のさらなる向上を目指したという。

はがきスタジオ 2002を起動すると、従来製品と同様に、年賀状の新規作成から写真挿入など一連の操作を画面にしたがって順番に行なえる“はがきスタジオナビ”が表示される。

はがきスタジオナビには“ショートカットボタンが”追加されており、ショートカットボタンをクリックし、はがきに利用したい写真を選択して、はがきテンプレート一覧から任意のものを選んだ後、写真挿入ボタンをクリックスすると、写真入りのはがきが作成できるようになっている。

はがスタナビ
はがきスタジオ ナビの画面。左側に表示されているのがショートカットボタン。秋から冬にかけて起動すると年賀状用ボタンとなる

はがきスタジオナビのショートカットボタンはパソコンのカレンダーによって日付を認識し、秋から冬にかけては年賀状用ショートカットとして、夏には暑中見舞い用ショートカットとして動作する。

また、写真やイラストなどを編集したい場合、それぞれのオブジェクトに合わせてよく使う操作メニューを表示する“アクションタグ”機能を利用できる。アクションタグは、Officeに搭載されている“スマートタグ”を応用したもので、アクションタグをクリックするだけで適切な操作メニューを利用できる。さらに、写真画像編集用に『PictureIt! Express 2002』を同梱しており、編集メニューを選択すると、『PictureIt! Express 2002』が起動し、容易に画像編集が行なえる。

はがスタ画面
はがきスタジオ 2002のはがき作成/編集画面

宛名面の作成では、これまで住所と名前の文字サイズや空白部などをそれぞれ個別に調整していたため、連名にすると名前より住所の文字サイズが大きくなったり、姓と名の空白部が異なったりと、バランスが悪くなることがあったが、はがきスタジオ 2002では、書家の中本白州氏の監修による“宛名バランス調整”機能を搭載し、宛名レイアウトを自動調整/配置できるようになっている。

また、住所の長さや連名の書式、印刷可能領域や差出人の有無など、印刷時に失敗しそうな箇所約30項目を、印刷前にチェックできる“印刷自動チェック”機能を搭載し、チェックでエラー/ワーニングとなった内容を画面に表示するようになっている。

そのほか、さいたま市や西東京市に対応した最新の郵便番号辞書を搭載、さらに住所自動変換ユーティリティーで既存の住所録を'99年4月以降の全国統廃合に合わせて新住所に変換できる。

プロデザイナーが絵はがき用にデザインした“パーフェクトポストカード”を約100点収録しており、専用のクリップアートを差し替えることで1つのポストカードにつき9パターンの組み合わせが可能。さらに、通常のクリップアート6200点、テンプレート900点以上を収録している。文例は600種類、日本語フォントは18書体を搭載する。

はがきスタジオ 2002は10月19日発売。CD-ROM版とDVD-ROM版の2種類が用意されており、価格はそれぞれ4800円。オープンプライスではなく価格を明記して発売するという。対応OSはWindows 98/Me/2000/XP。

また、標準パッケージとアップグレードパッケージを用意すると、新規購入でありながら間違ってアップグレードパッケージを購入してしまう初心者ユーザーがいることから、今回のはがきスタジオ 2002は標準パッケージのみ発売し、アップグレードパッケージは用意しない。そのため、はがきスタジオやFamily Package、Worksなどの既存ユーザー向けに、1500円のキャッシュバックを行なうという。キャッシュバック受付期間は12月28日まで。

もうひとつの製品であるテンプレートパッケージは、個人ユーザーおよび家庭ユーザー向けのOffice用テンプレート集。家庭内でパソコンをもっと活用してもらうため製品化したという。

テンプレートパッケージ『Microsoft Office テンプレート パッケージ Version 2002』のパッケージ

テンプレートは、案内状やカレンダー、賞状、成績表、ゴルフスコア表、子供の成長記録などさまざまな種類のものが用意されている。Word用テンプレート992点、Excel用テンプレート311点、PowerPoint用テンプレート189点、Outlook用ひな型147点など計1600点以上のテンプレートを収録しており、“Microsoft Office テンプレート ナビ”画面から、目的に合わせて作りたい文書のテンプレートを選択できる。テンプレートを選択すると、それに適したアプリケーション(WordやExcel)などが自動的に起動し、文書の作成が行なえる。

テンプレートパッケージ画面
テンプレートナビから任意のテンプレートを選択可能

テンプレートパッケージは10月12日発売。価格は5800円。対応OSはWindows 98/Me/2000で、Office XPおよびOffice 2000で利用できる。

なお同社は、家庭向けソフトをセットにした『ファミリーパッケージ』も用意するとしている。ファミリーパッケージの最新版は、はがき作成ソフト、デジタルカメラ画像編集ソフト、携帯電話のメモリー編集ソフト、テンプレート集、百科事典で構成される見込みで、詳細は9月下旬に正式発表される。

『Picture It!』や『Money』の最新版も紹介

また同社は、デジタル画像処理ソフト『Microsoft Picture It!』の最新版、および資産管理ソフト『Microsoft Money』の最新版についても説明した。

Picture It!の最新版は、デジタルカメラで撮影した画像を編集/加工するデジタルカメラ活用ソフトとしてリリースするという。拡大/縮小やトリミングといった画像編集の基本機能や、フィルターや自動修正などのレタッチ機能、複数の画像を組み合わせて合成写真を作成する機能などを搭載する。

PictureIt画面
『Picture It!』最新版の画面

編集した画像はMy Pictureフォルダに保存し、サムネイル形式で表示可能。また、同社の画像コミュニティーサイト“MSNフォトアルバム”にアップロードして友人と画像を共有したり、携帯電話の待ち受け画面として利用できるという。

Moneyの最新版は、資産管理ソフト『Money デラックス版』と家計簿ソフト『Money 家計簿版』の2種類がリリースされ、それぞれインターネットを利用した情報取得機能が強化されているという。

Moneyデラックス
『Money デラックス版』最新版の画面

家計簿版は、家計簿機能のほか、資産やローンの管理機能を搭載しており、デラックス版は家計簿版の機能に加え、ライフプランニング機能、投資分析機能を搭載する。また、セキュリティーにはPassportを採用、株価自動更新機能も追加されている。

Money家計簿版
『Money 家計簿版』最新版の画面

Picture It!最新版およびMoney最新版の詳細は、9月下旬に正式発表される。

新IntelliEye搭載のマウスやキーボードについても説明

さらに同社は、今秋発売するキーボードおよびマウスの新製品についても紹介した。

キーボードの新製品『Microsoft Office Keyboard(仮称)』は、USBおよびPS/2対応のキーボード。本体左側に、“戻る/進む”ホットキーやスクロールホイール、ショートカットキー、アプリケーション切り替えホットキーを搭載した“シングルタッチパッド”を装備する。

キーボード新製品
キーボード新製品『Microsoft Office Keyboard(仮称)』

また、本体右側のテンキー上部には、Excelで頻繁に使用するキー(“=”、“(”、“)”、バックスペースキー)を配置している。本体上部にはWord、Excel、電子メール、カレンダー、電卓などをワンプッシュで起動/操作できるホットキーや、ヘルプ、新規作成、開く、閉じるなどよく利用するコマンドをワンプッシュで操作できるファンクションキーを装備する。

専用ソフトは、Windows XPに対応した『IntelliType Pro 2.1』、およびMacintosh用『IntelliType Pro for Macintosh』を同梱する。『IntelliType Pro for Macintosh』により、Macintoshでもマイクロソフトキーボードを利用できる(USBコネクター搭載機種のみ)。

また同社は、光学マウス用の“IntelliEye”(光学式センサーとDSPを内蔵した超小型チップと赤色LEDで構成されるセンサー部分)を新たに開発したことを明らかにした。これまで同社は、光学式マウスに他社製のIntelliEyeを搭載していたが、10月発売の新製品には、自社開発のIntelliEyeを採用する。

同社が開発したIntelliEyeは、スキャン速度が従来製品の毎秒2000回から6000回に向上しており、追従性能が約3倍となっているという。これにより、毎秒94cmの動きまで正確に追従可能(従来製品は毎秒36cm)としている。なおこの毎秒94cmはUSBの転送速度の限界という。

新IntelliEyeを搭載するマウスは『コードレスタイプ光学式マウス(仮称)』、『IntelliMouse Explorer』の新機種、『IntelliMouse Optical』の新機種の計3製品。なお、『Wheel Mouse Optical』『Trackball Explorer』については従来の他社製IntelliEyeを搭載するという。

マウス新製品
マウス新製品『コードレスタイプ光学式マウス(仮称)』

また、省電力化も図られており、マウスに手を乗せているときのみセンサーをアクティブにし、マウスが移動していないときはセンサーの光を間欠発光して消費電力を節約するという。これにより、1日平均3時間マウスを使用する場合の電池寿命が3~4ヵ月になったとしている。

なおコードレスマウスについては、新デジタル無線技術を採用、接続設定時に記録されたID以外のマウスからの信号は受け付けないようになっている。そのほか、専用ソフト『IntelliPoint 4.0』を同梱している。IntelliPoint 4.0により、各アプリケーションごとのボタンの割り当て設定やホイールの高速スクロール設定が可能なほか、パソコン画面上でマウスの電池残量を確認できる。

これらのキーボードおよびマウスは今秋発売で、詳細の正式発表は9月下旬となる。

内覧会で挨拶した同社パーソナルシステム事業部ホーム&リテール製品部マネージャの飯淵純氏は、「はがき作成ソフトのコンセプトは、“速い、簡単、美しい、つまづかない”。操作性を向上し、初心者にもわかりやすくしている。テンプレートパッケージは、日本では新カテゴリーとなる製品。Officeを家庭や地域社会、学校でも利用できるようにするためのテンプレート集だ。テンプレートによりOfficeが家庭でも活用できるソフトであることを提案したい」としている。

飯淵マネージャ
同社ホーム&リテール製品部の飯淵マネージャ

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