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コサックス(Cossacks)~攻城の世紀 完全日本語版

コサックス(Cossacks)~攻城の世紀 完全日本語版

2001年09月10日 18時45分更新

文● culi

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コサックス(Cossacks)~攻城の世紀 完全日本語版

ズー

8800円(9月14日発売)

Microsoftのリアルタイムストラテジ「Age of Empires」(AoE)シリーズの新作が「Age of Mythology」という“剣と魔法の世界”に転向してしまい、「次は三十年戦争やスペイン継承戦争やアメリカ独立戦争だ!」といった期待を思いっきりスカされてお嘆きのア・ナ・タ! そんなアナタにお勧めしたいゲームが、ズーから発売される「コサックス~攻城の世紀」だ。

17~18世紀のヨーロッパ
「戦争の世紀」の戦いをRTSで

メインマップ
コサックスのメインマップ。画面上部に表示された「資源」は割り当てた住民さえいれば、唯一畑からの食料を除き、ほぼ無尽蔵に生産される(AoEのように枯渇しない)。また「鉄」と「石炭」が新たに資源になった。(c) 2000-2001 CDV Software Entertainment AG, and GSC Game World. All Rights Reserved.
 「コサックス」の舞台は17~18世紀、時代的には、大航海時代を扱った「Age of Empires II~The Conquerors Expansion」のすぐ後の時代にあたる。スペインとオーストリアの両ハプスブルク家の覇権が失われ、フランスが「太陽王」ルイ14世の治世の下で著しい台頭を見せる時代。一方では、ヨーロッパ各国の思惑が絡み合い、「ドイツ三十年戦争」や「スペイン継承戦争」、ロシアとスウェーデンがバルト海の覇権を争った「北方戦争」、そしてフリードリヒ大王による「オーストリア継承戦争」、「七年戦争」と、目まぐるしく戦争が引き起こされた。そしてまた、「イギリス清教徒革命」「名誉革命」「アメリカ独立戦争」、そして「フランス革命」という近代への胎動が始まる時期でもあった。
 軍事的には、マスケット銃が改良・普及され、“銃を持つ歩兵の集団戦術”が進歩をみせる。騎兵についても、中世以来の騎士が消滅し、傭兵主体で“サーベルを持った騎兵隊が近接攻撃を仕掛ける”戦術へと変わっていく。こういった戦争の変化が頂点を迎えるのが、フリードリヒ大王のプロシア軍であり、(コサックスの時代からは外れるが)その後のフランス革命~ナポレオン時代における華やかなりしフランス軍なのだ!!



メインマップ
お使いのビデオカード次第では、このように2048×1536ドットという広大な戦場表示まで選択できる。ただ、1画面の表示領域に比べ右下の全体ミニマップが小さくなり過ぎて、表示位置の移動がやりにくくなるようだ。
 コサックスのゲームシステムは、おなじみAoEのバリエーションと言い切っても過言ではない。資源を確保し、施設と兵士をドンドン作り、兵器や生産効率を上げる“技術”も改良しながら敵勢力を撃破するという基本線はAoEと同一だが、当然ながら時代の変化に沿った新機軸がいくつかちりばめられている。


戦闘中
戦闘中。画面は1920×1440ドットを50%縮小している(右上の画面は100%表示で一部を切り出して重ねた)。両軍合わせて300人近い兵士がそれぞれ細かい動き(行進、射撃動作など)をしている。この2倍、3倍以上の兵士が一度に行動していても、その動作はいたってスムーズ。
 まず、扱えるユニット数が“すこぶる多い”。この時代、戦争における1国の参加兵士数は徐々に増えていったのだが、ゲーム上でも1国あたり同時に8000ユニットまで戦場に配置できるようになっている。8000人と聞くとAoE的感覚ではトンでもない数だが、コサックスでは兵士の調達も、(戦闘による)消耗も全体的にテンポが早いのが特徴。資源さえ潤沢にあれば数百ユニットの歩兵や騎兵はすぐに用意できる反面、ほんのちょっとの油断で、あっという間に何百ユニットの部隊が全滅するのもザラだ。最低でも、百ユニット単位の軍の運用に慣れておかなければ勝利はおぼつかない。さすがに1000ユニットを超える軍の構築をイチからするには相当に時間(と資源)がかかるが、マルチ(ネット)プレイでなら敵味方合わせて万を超える軍勢の激突を目にする機会もありそうだ。


鼓手
隊形を組む際には、士官だけでなく“鼓手”も必要。太鼓の音を合図に行軍・戦闘するこの演出は、いかにも“この時代の戦い”っぽくてイイ。一度組んだ隊形は、6割の損害を被るまで維持できる。
 これだけ兵士の数が増えると、ユニットの集団運用についても従来のAoEのように任意のグループ単位で制御するのは難しい。それを解決するため、歩兵についてはリーダー(士官)の下で15~196ユニットを集めて隊形を組むことができる。適切な隊形を組むことは、移動など部隊の運用が一括指定できてラクになるだけでなく、戦闘の際にも普通の兵士のグループよりも有利に展開できるメリットがある。ただし隊列は“単位数が厳密”で、たとえば72人いれば全員で隊形を組めるが、1人欠けてしまうと36人の隊列と35人の烏合の衆という状態になってしまう。歩兵を移動させるときには隊形を組める数を常に念頭に置いておきたい。



カノン砲
高い城壁だって敵船団だって、一吹き(!?)のカノン砲大砲隊。カノン砲に対してむやみに突っ込むと、重騎兵の集団ですら数十ユニット単位の損害を受ける。敵に回すと危険きわまりない集団だ。
 また、大砲が急速に進化したのもこの時代だ。高い城壁を持つ中世の「城塞(砦)」はカノン(キャノン)砲の前に無力となり、より強固な「要塞」や「要塞都市」の構築技術が洗練されていく。コサックスでは各種の砲、中でもカノン砲の威力は“反則的に”強力で、カノン砲による大砲隊(歩兵とは違い、士官不要で横隊を組んだ集団運用が可能)を適切に活用すれば、AoEシリーズ(特にII)では難攻不落だった城(城塞)や塔でも簡単に攻略できる。サブタイトルが「攻城の世紀」と名付けられたのも、まさにそういう理由だろう(とはいえ、シナリオ内容が攻城戦ばかりというわけではナイ)。



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