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Internet Auction CEO / 韓国インターネット企業協会会長 李今龍(リー・クムリョン)氏インタビュー

韓国IT見学ツアーレポート(その3) 企業の明暗を分ける“里芋の法則”とは!?

2001年09月08日 08時45分更新

文● 編集部

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Internet Auctionロゴ

韓国IT見学ツアーレポート(その3)では、韓国最大手のオークションサイト“Internet Auction”のCEOであり、韓国のインターネット企業320社が集う“韓国インターネット企業協会”会長でもある、リー・クムリョン氏に、韓国インターネットビジネスの現状と展望についておうかがいした。

Intenet Auctionは、51%が米e-bay出資、残りをKosdaqに上場する韓国最大級のオークションサイトだ。そこで行なわれる総取り引き額は、今年1月から6月までで約200億円。Internet Auctionはこの取り引きにおける仲介手数料やエスクローサービスを収益としている。さらに、CRMを活用し、1カ月前に化粧品を購入した女性にメールを送り、その意見を吸い上げて化粧品メーカーにフィードバックするといったマーケティング支援も行なう。

韓国インターネット企業協会は、設立から1年3カ月で380社が加入。加入費は20万円となっている。政府の規制やオンライン化に向けた法の提案に声を出せるというメリットもあり、現在も加入が増えているという。



李今龍(リー・クムリョン)氏インタビュー

リー・クムリョン氏
Internet Auction CEO / 韓国インターネット企業協会会長 李今龍(リー・クムリョン)氏

現在の韓国の電子商取引は、新しい局面に入っています。政府で発表している資料によりますと、2000年の電子商取引は、1999年と比べて約5倍の成長をとげ、2005年にかけて約年率50%の成長をするという予測となっています。

ここで気を付けねばいけないのが、マーケットサイズが大きくなるだけでは、B2C=ショッピングモールが儲かるわけではないという点です。たとえば、韓国では宅配事業も大きなマーケットを持っていますが、どの業者も儲かっていない状況です。私たちのようにオークションで1位を走っている企業もありますが、B2Cは競争が激しいのです。これからの展望としては、MRO(Maintenance, Repair and Operations ― 間接材など、経費や間接費で購入する品々)を中心として伸びる企業が出てくると思います。

それでは次に、韓国の電子商取引の特徴をお話します。まずポジティブな面ですが、韓国には2200万人のインターネット人口と、約625万世帯のADSL加入世帯が存在しています。私どもが運営しているInternet Auctionも、(回線速度的に)モデム経由ではよくご覧になれないコンテンツであり、今日のようにブロードバンドが普及していなければ存続できなかったでしょう。弊社の上半期の売り上げは約200億円です。こうした売り上げを得るには、1日約2万件の売買が行われなければならず、それにはやはりADSLが不可欠な要素なのです。

以上が韓国インターネットのよい面です。これからも韓国インターネットは変わり続けなければならないと思います。

(ネガティブな面としては)まず、B2Cの内容があります。インターネット人口の74%が20代から30代に集中しているので、B2Cで売れる商品というのが、コンピュータ、家電、書籍に偏っているのです。インターネットにおける購買層の70%は男性で、実際に購買力を持つ女性の割合が少ない点も挙げられるでしょう。

また、韓国の流通では、大企業/財閥が利用している代理店と既存の代理店との摩擦が生じています。ほかにも、現代自動車の例があります。現代自動車は未だにショッピングモールがありません。オンライン販売をしたくても、セールスの労働組合が反対しているからです。ただ、代理店間の摩擦については、既存のオフラインの代理店は流通を担当し、オンラインは注文を受けるという、サムスン電子が採用しているハイブリッドのモデルも出現しています。そして、これからはすべてオンライン化しないといけない、ということはみんなが認識しているところです。

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