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マーキュリー・インタラクティブ、ネットワーク負荷テストツール『LoadRunner 7.02』日本語版を発表

2001年09月05日 23時39分更新

文● 編集部 中西祥智

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マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン(株)は5日、ネットワークに負荷をかけて試験・検証を行なうツール『LoadRunner』の最新版、『LoadRunner 7.02』日本語版を発表した。

『LoadRunner』の概念図
『LoadRunner』の概念図

『LoadRunner』は、仮想的に数千、数万のユーザーを生成し、そのユーザーがネットワークにアクセスしている状況を作り上げて負荷をかけ、たとえばウェブサーバーにアクセスが殺到した場合など、システムが耐えられるかどうかを試験して問題点を検証するソフトウェア。『LoadRunner』を導入すれば、ネットワークの運用開始前にパフォーマンス上の問題点を洗い出すことができる。同社では、5回実行して問題点を改善すれば、少なくとも2倍のパフォーマンスを得られるとしている。

今回の『LoadRunner 7.02』では、新たに“ターボリプレイ機能”として、より多くの仮想ユーザーを生成できるようになった。1台のパソコンで、数千の仮想ユーザーを作り出せるという。また、たとえばウェブ上でショッピングする際、IDとパスワードを入力して購入するが、それらの操作をテストスクリプトとして記録し、そのIDなどを自動的に生成・入力することで、IDの必要なシステムに自動的に負荷をかけることが可能。

負荷テストのレポート
負荷テストのレポート

負荷テストのシナリオも、従来版では「同時に何人アクセスできるか」といったものだったが、今回からは「1秒間にどのくらいのアクセスに耐えられるか」、「同時アクセスユーザー数がいくつまで、8秒ルールを維持できるか」などといったシナリオが設定できる。ウェブサイトのトランザクションも、“DNS Lookup”“Time to connect”“SSL handshake time”など、5つのコンポーネントに分割して計測することが可能になった。これによって、どこがボトルネックになっているのかを、細かく検証できる。

そのほかに、XMLへの対応や、ファイアーウォールを超えて負荷をかける機能なども加えた。iモードやWAPといった携帯電話、RealPlayerやWindows Media Playerのストリーミング配信などの負荷テストにも対応する。

同日開催した記者懇談会で、親会社の米マーキュリー・インタラクティブ(Mercury Interactive)社COO(最高執行責任者)のKenneth Klein(ケネス・クライン)氏は、同社のツールによって企業は新しいアプリケーションを採用する際に、さまざまな形のリスクを軽減することができると語った。また、ソニー(株)がEコマースサイトを開設する際に、同社のツールを利用したことで、約100万ドル(約1億2000万円)の経費を削減できたという話も披露した。

親会社COOと日本法人社長
右が米マーキュリー・インタラクティブ社COOのKenneth Klein(ケネス・クライン)氏、左が代表取締役社長の小島康英氏

代表取締役社長の小島康英氏は、国内の売り上げ高の金額については公表できないとしながらも、1999年の実績を100とすると2001年は304となり、大幅な増収増益が期待できるという予想を示した。同社は今後日本国内で、ERPやCRM、SCMなどのSI企業向け、ウェブ化が進む金融サービス向け、ワイヤレス市場向けの3つの分野にフォーカスして販売していくという。販売は基本的にパートナー企業を通して行なう。

また、ネットワークの機能テスト・負荷テストといった製品の知名度が、日本ではまだまだ低いとして、それらの製品の啓蒙活動にも、今後注力するという。

『LoadRunner 7.02』の価格は、コントローラーと50の仮想ユーザーで560万円、10月中旬の出荷を予定している。

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