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米VA Linux Systems、プロプライエタリなソフト販売へ

2001年08月27日 00時00分更新

文● 編集部

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「SorceForge.net」によると、米VA Linux Systemsは今後、プロプライエタリなソフトウェア(※1)販売事業に依存した経営を行なってゆくという。

※1 ソースコードを公開しない商用ソフトウェア。

販売するソフトウェアは、現在オープンソースソフトウェア開発者のためにGPLで提供されている、CVSやメーリングリスト、バグ追跡システムなどが統合された共同ソフトウェア開発ツール「SorceForge」をベースにしたシステム。昨年末から企業向けに『SourceForge OnSite』として販売されてきたものを、ネットワークのファイアウォール内部で利用される『SorceForge Enterprise Edition』として販売する。これらの製品には、米VA Linux Systems独自のアドオンが追加されるため、GPLではなく「Mozilla Public Licence」およびプロプライエタリなライセンスが適用される。一方、「SorceForge.net」の運営はこれまでと同様に無料で継続され、GPLで頒布される既存の「SorceForge」についてもこれまでどおり公開される。

このニュースについて、同社取締役であり、オープンソースの伝道師として知られるEric S.Raymond氏は「NewsForge」など複数のサイトに投稿し、この変化は「戦略が変わったに過ぎず、方法論が変わったわけではない」としている。

同氏によると、大企業の技術/戦略担当者と中間管理職の間にはオープンソースに関する理解に隔たりがあり、中間管理職の人々はオープンソースについての理解がない。そのため米VA Linux Systemsの営業担当者が大企業の中間管理職の人々にオープンソースのすばらしさを説明しても、「あなた方にお金を払ってそういった仕事をしてもらう代わりに、自分たちでWebからダウンロードしてインストールし管理することはできないのか」といった反応が返ってくる。そういった中間管理職の人々のために、ちょっとした製品を付加することで、彼らを「(形のないサービスなどではなく、形のある)何か本物を手に入れた」ような気分にさせるのだという。このような戦略を採らなければならなくなった背景として、最近の景気後退によって同社の経営状態が思わしくないことを挙げている。

その上で、「自社の取締役がこのような場に、こんな手厳しい投稿をするのを助長する企業があるかどうか考えてほしい」とし、米VA Linux Systemsがこれまでと同様のオープンソース企業であると結論づけている。

なお、『SourceForge Enterprise Edition』の日本での販売について、同社の日本法人であるVA Linux Systemsジャパン(株)に問い合わせたところ、日本語化や独自のアドオンを追加した同様の製品をこの秋頃に発売する予定だという。製品名および価格は未定。米VA Linux SystemsとVA Linux Sistemsジャパン(株)では、それぞれ異なった販売戦略を採るとのことだが、詳細については明らかにされなかった。

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