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マイクロソフト、MeltdownでDirectX 9のグラフィックス機能について言及

2001年07月31日 23時16分更新

文● 編集部 佐々木千之

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マイクロソフト(株)は開催中のゲーム開発者向けカンファレンス“Meltdown Tokyo 2001”において31日、2002年夏にリリース予定の“DirectX9”のグラフィックス機能について、米マイクロソフト社DirectX Graphics Program Managerのデーブ・アーロンソン(Dave Aronson)氏が説明した。

Meltdown Tokyo 2001の2日目の会場
Meltdown Tokyo 2001の2日目では、グラフィックスとDirect Showの2つのコースに分かれてセッションが行なわれた

まずDirectX 9のグラフィックスAPIはまったく新しいものとなり、DirectX8とは別にDLLを用意し、APIのトークン名は“8”から“9”に変更となる。

グラフィックスでサポート追加するものでは、“シザー面”、“四角形”、“フォグ”がある。シザー面は、ピクセルをクリップするために設定できる、デバイス当たり1つの矩形。四角形は、高次のプリミティブとして返す予定で、色呼び出し方法はOpenGLスタイルを使用する。ただし、最終的にサポートされない可能性もあるという。フォグは外部シェーダは引き続きサポートするが、将来フォグがシェーダそのものに組み込まれる可能性もあるとしている。

一方、重要性が下がったとしてDirectX 9のグラフィックスから削除されるかもしれない機能は、“Wバッファリング”と“カラーキー”がある。これらについては、開発者から要望があれば残すかもしれないとしている。

高次プリミティブ(Nパッチ)については、フロート型テセレーションレベルのサポート拡張、およびレーショナル サーフェス、適応テセレーション、ディスプレースメントマッピングのサポートを行なう。レーショナルサーフェスでは、サーフェスモデルの品質を高めると共に、コンテンツに必要なプリミティブの数を減らす予定。適応テセレーションでは、スクリーン空間エッジベースの基準を使い、共有エッジのクラックを回避できるとしている。ディスプレースマッピングでは、オブジェクトに適した“事前計算ディスプレースメントマッピング”と、地形に適した“サンプリングディスプレースメントマッピング”の2つの方法をサポートする。

米マイクロソフト社DirectX Graphics Program Managerのデーブ・アーロンソン氏
米マイクロソフト社DirectX Graphics Program Managerのデーブ・アーロンソン(Dave Aronson)氏

頂点シェーダでは、命令と定数の数が256とDirectX 8の倍になり、フロー制御のサポートを追加する。ピクセルシェーディングでは、高水準言語と従来と同じアセンブリ言語の2つのプログラミング言語を提供し、2つともD3DXに実装する。DirectX 9でサポートするPS2.0(現行は1.1、1.2、1.3、1.4)では、より直接的な制御が可能になるほか、任意のマクロを作成できるようになる。

ボリュームテクスチャーの圧縮では、DirectX 8でサポートした“DXTc”に“DXVc”をDirectX 9からサポートする。また、ガンマレベルを正しく扱える十分な精度がハードウェアに備わったことから、DirectX 9では、読み取り/書き込み時にガンマレベル修正に対する明示的なAPIサポートを追加する。基準のガンマレベルは2.2を想定しているという。

アーロンソン氏はDirectX 9での変更予定を説明した後、DirectX 10の予定についても、現在の開発の方向性として触れた。

DirectX 10においては、汎用性の向上を目指す。頂点シェーダとピクセルシェーダについては、これを統合して、同じような構文(命令セット)にしたいという。これによりより高レベルの構文言語とマッチングがはかれるとしている。またDirectX 9で始めるガンマレベルサポートをさらに進めて、フレームバッファブレンダー内のガンマレベルをハードウェアでサポートし、ガンマレベルの補正を書き込み時にできるようにしたいという。

セッションでは100人を超える開発者が聴講し、セッション後には、質問だけでなくDirectX 9に対する要望も出されるなど、DirectXが開発環境としてすっかり定着したことが感じられた。

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