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SCE、PS2用ソフト『THE 山手線~Train Simulator Real』を発表

2001年07月24日 23時21分更新

文● 編集部 増田悦子

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(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントは24日、東京神田の交通博物館において記者発表会を開催し、PlayStation2用のシミュレーターソフト『THE 山手線~Train Simulator Real』を10月に発売すると発表した。

ゲームのデモを行なった開発者の向谷実氏
ゲームのデモを行なった開発者の向谷実氏

THE 山手線は、JR山手線外回りをシミュレートしたもの。フュージョンバンド“CASIOPEA(カシオペア)”のキーボード奏者であり、パソコン版のトレインシミュレーターをプロデュースした向谷実氏が開発を担当している。制作は(株)音楽館。従来の電車のシミュレーションゲームと異なり、東日本旅客鉄道(株)の全面協力により、運転台からの展望映像、車内・構内アナウンス、発車ベル、運行システムなどを再現しているのが特徴。特に、運転台からの展望映像や電車のすれ違い音・エンジン音、構内の喧騒音などは、今回のゲームのために山手線に特別車両を3回走らせ、ホームで撮影・録音したという。また、構内アナウンスや車内アナウンスも、JR東日本の運転士をはじめ、社員の協力によって収録。ゲームでは、映像や音のほかにも、乗車率による荷重の変化や勾配変化による走行時への影響なども再現しているという。例えば、朝のラッシュモードでは、乗車率が上がり、スピード制御が難しくなる。そのほか、実際の電車で起こる“荷物のはさまり”や、“急病人発生”による緊急停車、“他線区妨害無線”による停車なども再現している。

ゲームの様子ゲームの様子

ゲームは、実際のダイヤに沿って運行を行なう“通常業務”、山手線の運転の基本を学ぶ“教習所”、運転技術を評価する“運転試験”の3つもモードで構成される。“通常業務”では、早朝の初級、朝の中級、昼の上級、夕方の中級のようにレベルを選択できるようになっている。ここにも開発者の向谷氏のこだわりが現われており、停車時間の長さや構内アナウンスが異なっている。

“教習所”では、“加速・惰行”といった電車の走行における基本的なことから、遅れた電車を元に戻す“回復運転”まで、本物の運転マニュアルに沿った練習が行なえる。また“運転試験”は、初級・中級・上級と分かれており、JRの実技試験と全く同じものを採用している。

ゲームのほかにも、山手線205系車両の動画による紹介や、CGを利用した運転台の説明、山手線全29駅の詳細情報や発車ベルなどを収録したデータベース、“模範運行”などのコンテンツを収録している。また、今回のゲーム内のBGMは全て開発者の向谷実氏が所属するバンド“カシオペア”が、このゲームのために新たに作曲したという。

向谷氏は、この製品について、「電車ファンだけではなく、PS2ファン、動画ファンから幅広く支持されたい。鉄道に興味のない人でも、はまれるゲーム」と述べた。また「2、3ヵ月では全てのシナリオが分からないようにしたり、鉄橋の上を走る京浜急行の音を収録したりと、3万人がいたら1人が気付くかどうかという電車マニアに向けた工夫も凝らしている」とディープなマニアも十分楽しめるように仕上げたところを見せた。

専用コントローラー
専用コントローラー。足で警笛を鳴らせるようにもなっている

なお、同製品はPlayStation2専用DVD-ROMで、価格は5800円。向谷氏が制作したパソコン版『Train Simulator』シリーズに対応したコントローラー『Master ControllerII for Train Simulater』(価格1万9800円)を、USB/シリアル変換アダプターを装着すればコントローラーとして使えるように対応したという。また、(株)タイトーの『電車でGO!コントローラー・TYPE2』も対応するという。

なお、同社では『THE 山手線~Train Simulator Real』を、10月13~14日に開催される“第8回 鉄道フェスティバル”に協賛出展するとしている。

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