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噂のWindows XP最新情報 ~ Microsoft社のWindows Product Activationの内容(上)

2001年07月17日 05時21分更新

文● フーリー・ライセンスト社/著、吉川邦夫/訳

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ベルリン(ドイツ)発、2001年7月9日。Fully Licensed GmbH(有限会社フーリー・ライセンスト)は、Microsoft社が著作権侵害対策としてWindows XPに組み込んだ、Windows Product Activation(プロダクトアクティベーション)テクノロジーの内部を解析しおえた。

「このところ、XPがアクティベーション手続きの中で何をしているのかに関して議論や憶測があります。ユーザーのハードウェア構成とか、インストールされているソフトウェアの詳細が明かされるとか、個人的なデータまで漏れるのではないか、など不確かな情報が見られる現状に、我々は技術的な事実を提供して貢献します」と、フーリー・ライセンスト社の専務取締役兼CEOであるトマス・ロパティクは語る。ライセンス認証技術の専門家たちによって行なわれた徹底的な技術解析により、ハードウェア関連の無害な情報の他には、Windows XPの個々の製品コピーに付けられるユニークなシリアル番号しか送信されないことが証明された。

Windowsプロダクトアクティベーションは、Windows XPの使用を管理し、ライセンス規約を徹底させるために設計されたものであり、その目的で、XPのライセンスを一個のハードウェア構成に(ということは一人のユーザーに)束縛する。このアクティベーション手続きではデータをアクティベーションセンターに送信することが要求されるが、Microsoft社は、このデータ送信によって明らかにされる情報の、いかなる技術的詳細も公表することを断っている。こうして事実が不足したために、憶測が生じたのだ。一部のユーザーは、自分のハードウェア構成を変更すると、Windwos XPの再アクティベーションが必要になるのでは、と恐れている。また、送信されるデータにハードウェア構成の詳細が埋め込まれることを危惧するユーザーもいる。

技術的詳細を求めるニーズを満たすため、フーリー・ライセンスト社は、Windows XP RC1(Release Candidate 1)での実装を対象に、Windowsプロダクトアクティベーションを徹底的に解析した。そうして専門家たちが解明したのは、10種類のハードウェアコンポーネントを基にしてハードウェアIDが作られ、これがアクティベーション実行中に、アクティベーションセンターに送られることだ。ただし、このハードウェアIDを生成する手法によれば、数多くのハードウェア構成で同じIDが得られる可能性が非常に高い。したがって、あるハードウェアIDから、実際のハードウェア構成を判断するのは、実行不可能な仕事となる。このハードウェアIDの他には、プロダクトキー(配布されるWindows XPのコピーのそれぞれに付属する、一種のシリアル番号)から得られる情報しか送信されない。

そればかりか、典型的なハードウェア・アップデートでは、何も問題が生じないことがわかった。「ハードウェアIDの計算に関わる10種類のハードウェアコンポーネント(ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、マイクロプロセッサ、ネットワークアダプタなど)のうち、4つ以上が入れ替わらなければ、再アクティベーションは必要になりません。ドッキングステーションをサポートするノートPCのハードウェアIDでは、さらに柔軟なポリシーがとられます」と、トマス・ロパティクは言う。

「我々の解析によって、送信される情報は完全に無害であることが確かめられた以上、我々としては、Microsoft社が、この何カ月もの間、WPAの内部機構を、あんなに隠していたことが驚きです」と、フーリー・ライセンスト社の専務取締役兼CFO(経理担当役員)であるマティアス・クンツェは語る。「ソフトウェア・パイラシー(著作権侵害行為)は、現在でも、すべてのソフトウェア企業にとって重大な問題です。そして我々も、彼らがソフトウェア・パイラシーに対する障壁を高めようとするのは当然のことと考えています」と、彼は付け加える。

技術的な手段に頼ってソフトウェア・パイラシーに対抗するほかに、フーリー・ライセンスト社は、その補足手段として、この問題に対する全体的なアプローチを形成することを提唱する。高度なライセンスモデル、すなわちソフトウェア・レンタルやソフトウェア・リースは、会社内で違法コピーのソフトウェアを使うことに対して、経済面で魅力のある代替案となる。それに必要な技術的基盤は、すでに前宣伝の段階から現実の世界に移行している。「ソフトウェアのライセンス契約および配布のための、フーリー・ライセンスト社による全体的なソリューションは、ソフトウェアのウォーターマーキング(透かし入れ)、自動化されたコード・オブフスケーション(不明瞭化)、オンラインでのライセンス強要とライセンス管理などによって構成されています」と、トマス・ロパティクは言う。

Microsoft社のWindowsプロダクトアクティベーションを徹底解析したテクニカルペーパー、そして、ソースコードを含むデモンストレーションプログラムは、フーリー・ライセンスト社の以下のWebサイトから入手できる。

http://www.licenturion.com/xp/

フーリー・ライセンスト社について

フーリー・ライセンスト社(Fully Licensed GmbH)は、ソフトウェアのオンライン・ライセンス契約とオンライン配布のための、安全で柔軟なインフラストラクチャ(下部構造)を提供する。ソフトウェアのウォーターマーキング、自動化されたコード・オブフスケーション、ライセンス強要とライセンス管理を統合しながら、プライバシーを守るエンドユーザーの権利を侵害しない。ソフトウェア・パイラシーに対する障壁を高めるのに、技術的手段で対抗するだけでなく、このアプローチを併用すれば、ソフトウェア・レンタルやソフトウェア・リースのような高度なライセンスモデルを容易かつ安全に実現するための基礎が提供される。フーリー・ライセンスト社は、みずからを、ソフトウェア・ベンダとエンドユーザーをつなぐ、独立した、偏りのない仲介者と考えている。彼らの研究開発部門は、折に触れて、他の会社によって実装されたライセンシング・ソリューションを解析する。

連絡先

Matthias Kunze <mkunze@licenturion.com>

Fully Licensed GmbH
Rudower Chaussee 29
12489 Berlin

Web http://www.licenturion.com/
Tel +49 30 6392-6712
Fax +49 30 6392-6010

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