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アジレント、通信関連分野事業へ注力する新戦略──40Gbit/s対応測定器も発表

2001年07月12日 22時44分更新

文● 編集部 佐々木千之

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アジレント・テクノロジー(株)は12日、都内で記者説明会を開催し、通信市場へより一層注力するための戦略的コンセプト“Agilent in Communications(AinC)”を発表した。あわせて超高速デジタル/光通信向け測定器も発表した。

アジレント・テクノロジー代表取締役社長の成松洋氏
アジレント・テクノロジー代表取締役社長の成松洋氏

アジレントは、'99年11月のヒューレット・パッカード社との分割以来、“コミュニケーションとライフサイエンス市場の高成長分野にフォーカスする”という方針で事業展開を行なっており、2000年度('99年11月~2000年10月期)、全世界で29%(売上げベース)の成長を達成したという。

今回、通信市場を重視する戦略をより明確にするための3つの最重点分野を設定し、“Agilent in Communications”と呼ぶプログラムを実施する。この決定は全世界レベルで行なわれたもので、世界的な景気減退に伴う市場環境においても高成長を目指すとしている。

3つの最重点分野とは、光ファイバー・トランシーバー、光スイッチ、光部品のテスト機器などの“光ネットワーキング”分野、RFマルチプレクサー、ワイヤレスインフラ/ワイヤレスデバイス向け製品、ワイヤレスネットワーク設計などの“ワイヤレスコミュニケーション”分野、ネットワークサービス保証/監視/管理、相互接続(ローミング)管理などの“オペレーティングサポートシステム(OSS)”。

アジレントでは、AinCプログラムの日本での展開として、1)開発、営業、サポート、マーケティングの各部門が一体となったサービスや製品をこれまで以上に迅速に提供していくこと、2)通信市場にフォーカスした、マーケティング部門の組織体制の移行、3)広告宣伝活動、を行なうとしている。

マーケティング部門の組織体制の変更では、Bluetoothなどの新興市場、インターネットインフラ/ブロードバンドアクセス、ワイヤレス、携帯電話用部品製造の4つの市場にフォーカスした体制への移行を目指すとしている。また広告宣伝活動としては、AinCのコンセプトアピールを目的として、2001年末に新しい広告やTVCMを流すほか、同社が既に持っていたり近い将来製品化できる通信技術によって可能になる世界のイメージビデオ“CUTDOWN”を作成して、各種イベントなどで紹介するとしている。

アジレント日本法人での売上げ全体に占める通信関連の比率は現在55%であるが、AinCの展開によって、2003年10月期までに、70%に引き上げるとしている。

執行役員電子計測本部長の長谷部邦夫氏
執行役員電子計測本部長の長谷部邦夫氏

同社が本日付けで発表したビット・エラー・レート・テスター『Agilent ParBERT 81250 43G』『Agilent ParBERT E2150A 43G Electrical/Optical System』は、最大毎秒43Gbitまでの超高速デジタル信号の伝送品質の評価が行なえる測定器。Agilent ParBERT 81250 43Gが電気インターフェース対応、同 E2150A 43G Electrical/Optical Systemは電気インターフェースと光インターフェースの両方に対応する製品。

『Agilent ParBERT 81250 43G』『Agilent ParBERT 81250 43G』

執行役員電子計測本部長の長谷部邦夫氏によると、現在通信市場では毎秒10Gbit(OC-192)のネットワークが利用されているが、2001年末には米国都市部において40Gbitネットワーク(OC-768)の敷設が開始され、2002年にはさらに広がるという。今回発表した製品はもともと、1年先の発表を目指して開発していたが、顧客企業からの要請によって開発を急いだという。

『Agilent ParBERT 81250 43G』『Agilent ParBERT E2150A 43G Electrical/Optical System』の概要
『Agilent ParBERT 81250 43G』『Agilent ParBERT E2150A 43G Electrical/Optical System』の概要

両製品とも7月中に受注を開始し、12月に出荷を開始する予定。価格はAgilent ParBERT 81250 43Gが約1億円、同 E2150A 43G Electrical/Optical Systemが約1億6000万円。出荷開始後の1年間で20億円の売上げを目指すとしている。

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