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鈴池和久の「COMPUTEX TAIPEI 2001」レポート(番外編)

2001年06月25日 00時00分更新

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●原稿の締め切り時間に間に合うか!?

 話しは前後するが、初日の夕食後(ディン・タイ・フォンでの食事)、ホテルに戻り翌日の準備をしているとK記者から「ネットにつながりましたよ」と連絡が入った。特に出かける前となんら設定を変更していないと言う。接続できたAPの電話番号を教えてもらい筆者も自分の部屋から再度試してみる。もしうまくつながれば、しめたモノだ。ところが、1回目のチャレンジは見事に接続できない。「そうだ、モデムの発信音を聞いてやろう」と思いついた。部屋の電話の受話器を上げてできるだけ雑音が入らないようにベッドカバーで受話器を覆う。この状態でAPに接続を試みると「ピポパポ…」とトーン発信音が聞こえ「ピーガガッガ…ビンゴン・ビンゴン・」となんだか騒がしいが出かける前に試した時に散々聞いた中国語のアナウンスは流れていない。しばらくそのままにしていると“GRIC dial”の表示が変化した。「あれ!?」不思議なことに接続できたとの表示である。一通りメールチェックやブラウザを動作させてみたのだが、非常に遅いものの確かにアクセスしている。「どういうこっちゃねん?」もう、さっぱり合点がいかない。まぁ、とにかくインターネットに接続はできた。今度は、受話器を元に戻して試してみようと一旦、リンクを切断し受話器を電話機においてもう一度、先のAPにダイヤルしてみた。しかし、それ以来再び接続できない事態に陥ってしまったのである。一方、隣の部屋のK記者は、転送速度は24kbpsと鈍いがほぼ確実に接続できると言う。とりあえず理屈は抜きにしてインターネットに接続できたのは良いとしてもこの転送速度だと原稿に添付する画像ファイルを送る際に苦労しそうだ(10枚のJPGファイルだとしても軽く3MBほどある)。やはり、先に打ち合わせた通り、COMPUTEXの会場に設営されたプレスルームから送った方が無難な気がした。それにしても筆者が持ち込んだノートPC(特にモデムが怪しい)に問題があるのかも知れないが、全くインターネットに接続できないと言っても過言ではない事態は、予定していたメール連絡等に支障を来しただけでなく明後日の締め切り時間までに原稿を送らなければならない筆者を悩ませた。

 翌日、COMPUTEXの会場に到着してまず最初に入場パス(通行証)の申請手続きを済ませる都合もあり、プレスルームへ足を運んだ。もちろん、ネットワーク環境を確かめるのも重要な目的の一つだ。プレスルームには、その面積のほぼ1/4に相当する区画に数十台のデスクトップPCが整然と設置されている。入場パスの申請手続きを済まてから空席のPCを調べてみるとWindows(種別を調べ忘れた)が動作しており、自由にインターネットへアクセスできる環境が整っていた。

 試しにAkiba2GO!のホームページにアクセスしてみたがお世辞にもホームページを表示するためのデーター収集速度が速いとは言えない。さらに原稿を送るとしてもメールに添付する予定なのでメール機能を調べてみたが思った通り、アカウント情報は何も入力されていなかった。致命的だったのは、手元のノートPCからこのデスクトップPCにデーターを転送する良い方法が浮かばなかったことだ。そもそも、このPCは、省スペース型デスクトップマシンで最小必要限度の機器でしか構成されていない。フロッピーディスクドライブさえ省略されている。ネットワークでリンクされてはいるが、USBケーブルのみ接続されておりRJ-45コネクター(Ether Net)が見あたらないのである。「これじゃ使えないね…」とその場は、諦めて他の通信手段を考えざるを得なかった。しかし、これといってアテがあるわけでもないのだが、とにかく取材も始めなくてはならない。もうすでに会場はOpenしているのだから。

 原稿締め切り日(5日)の深夜、筆者はホテルの自室で必死になって原稿を書いていた。本来であれば、編集部に送る時間である。だが、思うようにページが進んでいない。一方、隣の部屋では、K記者が写真データーを編集部に送る努力を続けている。が、転送速度が全く上がらないだけでなく転送エラーが頻繁に発生する状況に苦労していた。画像サイズをリサイズしてファイルサイズを小さくする方法も検討したが、そうしてしまうと紙面で大きな写真が掲示できない。折角の写真も台なしになってしまうのでそれだけは避けたかった。
 仕方なくK記者から月刊アスキー編集部に国際電話で連絡を入れて事の事情を説明してもらった。しかし「じゃ原稿は帰国後でいいですよ」なんて甘い返事が返ってくるはずもなく、日本側でどうにかできる問題でもないのは当然である。やはりこちらで何とか解決しなくてはならない。だが、編集部もギリギリの調整を行うとの協力が得られ「最悪でも翌6日の正午までに」と締め切り時間を延長してもらえたのである。その後、もう一度、プレスルームに出向いて電話回線が確保できないか調べてみようと打ち合わせた。

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