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鈴池和久の「COMPUTEX TAIPEI 2001」レポート(番外編)

2001年06月25日 00時00分更新

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●ディンタイフォンでの食事

日本人も含めて観光客で混雑する中華レストラン“ディンタイフォン”名物は「小籠包」だ

 我々は、タクシーを降りて店の方向を見た途端に仰天した。その店の前は、ものすごい人だかりで歩道にあふれており完全に通行の妨げになっている。ともかくその人だかりをかき分けて店の入り口まで行ってみた。こういう場合、日本のレストランだと順番を記入するノートがあって代表者名と同伴者数を記録しておけば、自分たちの順番になると店員が呼んでくれるのだが…などと考えながら周りの人達を観察してみると、そのようなシステムではなさそうだ。どうやら、先に希望する料理とその数量をメニュー代わりのオーダー伝票に記入して店員に渡すようになっていて、その時点で順番が決まるようである。さっそく我々も、店の入り口で伝票をもらいメニューを確認してみるとそこには、50点ほどの料理名が全て漢字で書かれていたが、それぞれの名前にはキーワードがあるように感じられた。例えば、牛、鶏、蝦仁(小エビ)、蟹(カニ)、などは主材料の意味で麺、飯、湯(スープ)、包、などで料理の分類が想像できる。それに特別値段が高いわけでもなく妥当な価格設定だ。「まず小籠包は、これだな」と真っ先に二人前をチェックした。そしてK記者は、なにかの麺料理を追加するとのことで筆者も「肉」「炒」「飯」の組み合わさった料理名を見つけておそらくはチャーハンだろうと思われる料理を一人前注文することにした(あとで考えてみるとあまりにも無難な選択でおもしろみに欠けるオーダーだが、後日の食生活を思い出してみるとある意味で幸運だった)。



 入り口の狭さに反して店内の客室は広く感じた。二階の一番奥にある8人ほどが座れるテーブルに案内されて席につくと3組の先客が料理に舌鼓をうっている最中だった。そのうちの2組は日本人の観光客と思われる夫婦連れと若い女性の2人組である。筆者の向かいに座っているカップルは、アジア系だが台湾の人かどうかはわからない。だが、彼らの前には、フカヒレの姿煮が…「あ!」と心の中で気がついたが、もう遅い。筆者はチャーハンをオーダーしているのだ。ロウ細工の料理見本があれば…と悔やんだが後の祭りである。一方、若い女性の2人組がカメラを取り出してお互いを撮しだしたところに夫婦連れの奥さんが「撮りましょうか?」と申し出てニコニコ顔の彼女たちに向かってシャッターを押すあたりは、観光気分でいっぱいである。
 しばらくしてウエイトレスが我々の前に蒸籠(セイロ)を置いた。きっとこれが小籠包だ。ちょうど豚まんを小さくした形だが、具は、少し厚めの餃子の皮で包まれている。ウエイトレスが日本語で「小籠包は、薬味と一緒に食べると美味しい。でも熱いから気をつけて」と、千切りにした薬味(生姜)が入った小皿に酢醤油を注ぎながら教えてくれた。でも、どうして我々が日本人だとわかるのだろう。ま、そんなことはどうでも良い。とにかく包みを一個、レンゲにのせて口の中に放り込んでみた。味は、くせもなくどちらかと言うと豚まんより焼売に近いが決定的に違うのは、具を咬むと肉汁が口のなかに広がるのだ。そして絶妙のバランスで薬味と酢醤油の三味が舌と鼻の粘膜を刺激する感じで実に旨い。いくつかの包みを堪能していると次の料理が運ばれてきた。それは、予測通りのチャーハンであった。こちらの味は、少しあっさりした味付けだったがけっして悪くはない。ただ少し飯がパサパサした感じで個人的には、食べなれた日本の米の方が好きだ。料理は、量的にも十分で小籠包とチャーハンで満腹になってしまった。でも、再び訪れる機会があるなら、あのフカヒレの姿煮は、オーダーしてみようと思った。



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