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『GCC 3.0』リリース

2001年06月19日 21時35分更新

文● 編集部

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GNU.orgは6月18日、『GCC 3.0』を公開した。

『GCC』という名称はこれまで『GNU C Compiler』の略であったが、C言語だけではなく、C++やオブジェクティブC、Java、Fortranなどのコンパイラも含まれるようになっていたため、『GCC』と『EGCS』のコミュニティを統合した時点から『GNU Compiler Collection』という名称に改められている。

今回のバージョンでは、旧バージョンの『GCC 2.95.2』に比べて

  • “Basic block recording pass”の最適化
  • “tail-call”および“sibling-call”消去の最適化
  • 新しい“register renaming pass”
  • “SSA”(Static Single Assignment)のサポート(試験段階)
  • GNU Compiler for the Java(GCJ)の統合によるJavaのサポート
  • IA-64プラットフォーム上のC++ ABI(Application Binary Interface)がほかのIA-64コンパイラ互換に
  • ISO C++に対応したC++ライブラリ
  • ISO C99への対応強化
  • x86アーキテクチャのバックエンド処理に最適化されたコード生成

などの改善がなされている。

ターゲットとなるアーキテクチャは以下のとおり。

  • x86
  • HP-UX 11
  • PowerPC
  • IA-64
  • Motorola MCore210、340
  • Motorola 68HC11、68HC12
  • StrongArm
  • Intel XScale
  • Atmel AVR
  • Mitsubishi D30V
  • Matsushita AM33
  • Fujitsu FR30
  • Sun picoJava

ソースのダウンロードはミラーサイトから可能。GCCプロジェクト自身ではダウンロード用バイナリは用意しない。

GCCのメーリングリストでは、Linux上でのインストールや使用におけるバグがすでにいくつか報告されており、パッチの候補も作られつつあるが、現在のところ公式なパッチは公開されていない。試用するのはもう少し待ってからでも遅くはないだろう。なお、米Slashdotによると、現在用いられているGCC 2.95.3のバグフィックス版であるGCC 2.95.4、今回リリースされたGCC 3.0のバグフィックス版であるGCC 3.01、次期バージョンのGCC 3.1の開発が現在行なわれていることが明らかにされている。公開時期については明らかではないが、今後の活動にも注目してゆきたい。

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